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2023年1月28日 (土)

『新九郎、奔る!』10、11、12巻(ゆうきまさみ・小学館)のあらすじ

 コミック『新九郎、奔る!』10、11、12巻(ゆうきまさみ・小学館)のあらすじを申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 遅筆な私が、ようやく最新刊に追いつけました。
 この漫画は時代物にありがちな、戦や斬り合いなどは少なめですが、生真面目な少年が、時には策略も行なうしたたか者に成長? 変貌? していくお話です。
 十代の人々が純粋であるがゆえに潔癖で、大人のやり方、偽善に我慢ができず、傷つき、反抗する過程を描いた作品はいくつもありますが(『二十歳の原点』永島慎二の『青春裁判』『フーテン』などの作品)、新九郎の生き方こそ、時代と立場が異なれども、社会と関わりを持つ人間の生き方なのだなと、私は思いました。
 それにしても、どの巻を読んでも、それぞれ違ったおもしろさ、魅力があって飽きないのは、作者様のすばらしい力量です。
 それでは、あらすじから申しましょう。
 10巻では、今川家の家督争いの結果、新九郎の姉の伊都は子供達を連れて、小川へ引っ越すことになったのですが、そこが何者かに急襲されます。賊のねらいは伊都と龍王丸の命でしたが、新九郎と家来達によって、辛くも撃退。新九郎は姉と子供達を案じて、京の伊勢貞宗邸へ連れていきます。
 京では御所が焼け落ち、伊勢邸が将軍義尚を迎え、臨時御所となります。伊都は落飾し、今風に言うところの、前髪パッツンのボブカットに(結構かわいい)。以前、新九郎の命を助けた、多米権兵衛元茂が居候しておりました。
 関東の方では、謎の鎧師、狐の情報によれば、長尾景春が古河の足利成氏と組んで、太田道灌と敵対関係になります。道灌が多忙になったため、新九郎としては、今川家の相続を解決する好機のはずですが、大御所の義政は知らぬ顔で、将軍の義尚は父と折り合いが悪い。けれども、畠山義就、大内政弘が大乱に倦んで引き下がったため、応仁・文明の大乱は、11年目にして(もやもやしながら)、ついに終結。西軍にいた伊勢貞藤は、僧形になって還ってきます。無位無官だった新九郎も、巻末で義尚の御供衆になりました。

 11巻では、笠原が病床に伏していると知らされて、新九郎は荏原へ向かいます。そこで、凶作対策として、伯父の盛景に相談するのですが、彼は年貢の不正工作を行なうこと、他の家来達もしていることを言い、新九郎は仰天。さらに、初恋の女性、つると顔を合わせたのですが、その息子、千々代丸が新九郎と似ております。つると話をした新九郎は、彼女が千々代丸に、将来は那須を継いでほしい望みを語り、領地経営と家督相続の難しさを思い知るのでした。
 京へ帰った新九郎は、居候の多米を、家来の荒木彦次郎と一緒に、関東方面へ向かわせ、調査させます。しかし、一年後の結果は、長尾景春は太田道灌の足止めにならず、今川家相続問題は宙に浮いたまま。うんざりした新九郎は、今川義忠の譲状があればいいのにと、ぼやいた瞬間、伊勢家の面々が大いに賛成します。新九郎本人が、とんでもない陰謀に手を染めることに。
 12巻は、新九郎が悪夢にうなされる苦悩あってか、龍王丸の相続が認められます。翌年の正月、新九郎は、相続認可の御内書を、今川新五郎範満に示して、あと7年、当主代行を継続するよう、互いに約束を取り交わしました。それから、堀越公方の足利政知と謁見しますけれども、敵対していたはずの、関東管領と古河公方(足利成氏)が和睦しようとしているらしいと、聞かされます。頼りにしている細川政元(かつての聡明丸)は誘拐されて連絡が取れず、自分の存在価値がないと、暗い目でつぶやく政知。関東では太田道灌が相変わらず、優勢に戦っていましたが、弟の資忠は戦死し、長尾景春はなおも復活のきざしが。新九郎が帰った京では、弟の弥次郎が元服します。細川政元は四ヶ月後に、無事に救出されました。借金返済に頭を抱える新九郎でしたが、時には寺通いを始め、参禅をするようになります。ところが、頼みの綱である弥次郎が、家を継ぎたくない、養子に入りたいと言い出したのでした。
 
 思った以上に長くなりましたので、感想は後日にあげます。それでは。

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