『どれが恋かがわからない』1巻(奥たまむし・カドカワ)の感想
コミック『どれが恋かがわからない』1巻(奥たまむし・カドカワ)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
帯カバーに、「ハイスピード百合コメディ!/恋の過剰摂取(オーバードーズ)」と、書かれているとおりの内容です。
だから、性行為こそありませんが、同性愛は苦手! という方にはお勧めできません。
が、おもしろければ百合でもオーケーな方には、楽しんでいただけるかと思います。
主人公は、大学に入学したばかりの空池メイ。彼女は高校卒業時に同級生相手に失恋してしまったので、「ぜったい彼女をつくる!」という熱意を持ってきました。
まず、この冒頭からして、私は新鮮でしたね。
従来の百合ヒロインなら、「恋した相手が、仲良しの娘。どうしよう?」と悩んだり、「こんなの、ダメ!」と、迷ったりして、ストーリーが進まないことがあるのですが、メイは実にわかりやすいです。
しかし、友達づくりも出遅れたメイですが、五人もの! 美少女と美女と出会って、恋をする羽目になり、「どれが恋かがわからない」状態になってしまうのです。
あらすじというか、五人の彼女候補を登場順に紹介いたしましょう。
1)白沢リリ
新入生オリエンテーションか、初講義? 時に、メイの隣りの席にやって来た同級生。五人の中で一番巨乳で、新人アイドルながら、シャイな性格。メイの手や頬の感触が好き。
2)百目鬼マリア
五人の中で最年長の美人で、しかも著作がベストセラーという心理学科教授。メイの反応から、テレパス顔負けに、心の内や秘密を読みまくり、メイがうろたえるのをおもしろがっている。メイがリリ、港、カオルと好き合っていることも察知している、唯一の人。
3)湊(ミナト。姓か名前か不明)
芸術学部三年で、演劇部所属。カフェテリアのバーテンのようなボーイッシュなスタイルで、メイと初めて会った。実はおたくっぽい声フェチで、メイの声に惹かれている。
4)味間カリン
湊と同じ三年で演劇部。料理が得意で、男うけしそうな、かわいい外見の割に、大胆なキス魔。メイとのキスを気に入っている。
5)国政カオル
メイの寮の同室先輩。柔軟剤の香りも苦手な、嗅覚過敏。好き嫌いが激しく、言動もきついが、国際貢献をするのが夢で、正義感は強い。メイの肌のにおいを好きになり、抱きまくらとして、過剰スキンシップを繰り返す。
こうやって書き並べてみると、すごいですね。
五人が五人とも、別個の魅力の持ち主で、夕食にキスに、何らかの相手にと、休む間もなくアプローチしてくるので、メイは、おたおたするばかり。
さらに、マリアはメイの恋愛事情をほぼ把握していますが、カオルはリリを、敵と認定し、リリは湊を、メイと触れ合えて、うらやましく思うなど、彼女達は少しずつながら、互いを意識し合い、恋のバトルロイヤルっぽくなるであろうと、予想されます。
百合にさほど思い入れはなくとも、五人の中の誰かを応援したくなる読者様も、いらっしゃるのではないでしょうか。
私は、「ホテル…いこっか」と、しれっと過激発言をするくせに、「私には視てることしか できないの」と、心の内でつぶやく、マリアがいいと思います。
今のところ、メイとファーストキスをしてしまったカリンが、半歩、リードしているというところでしょうか。
しかも、巻末で、カリンが告白しながら、メイに向かって過激にせまっているところへ……!
2巻は、どうなるのでしょう!
私は購入しますよ。お勧めいたします。それでは。
ご協力お願いします。
漫画・コミックランキング
| 固定リンク | 0
« 『背徳のボルジア家 上・下』(マーカス・ヴァン・ヘラー 村杜伸/訳 富士見ロマン文庫)の感想 | トップページ | 『マタ・ハリの日記』(マーク・アレクサンダー編/秦新二 訳・富士見ロマン文庫)の感想 »
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- 『ベルセルク』10巻(三浦建太郎・白泉社)の感想(2024.09.16)
- 『新九郎、奔る!』17巻(ゆうきまさみ・小学館)の感想(2024.08.25)
- 『ベルセルク』9巻(三浦建太郎・白泉社)の感想(追記)(2024.08.17)
- 『ベルセルク』9巻(三浦建太郎・白泉社)の感想(2024.08.14)
コメント