『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』(鴻池剛・カドカワ)の感想
コミック『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』(鴻池剛・カドカワ)の感想を申します。ネタバレが含まれていることに加え、今回はいわゆる汚物系のお話もありますので、(実は、私もよくやるのですが)お茶やお菓子などを食べながら、お読みにならないよう、ご注意ください。
一言で申し上げますと、このマンガは、「笑った」とか「癒される」ものではないように思います。要するに、自分という人間以外の生き物と一緒に暮らすのは大変なんだなと、痛感させられます。タイトルのとおり、作者様が相手にしてやっているのは猫ですけれども、小さな猫一匹でもこんなに苦労するのですから、彼氏彼女、配偶者、子供ならば、苦労と苦悩、無限大、でしょうか。
あらすじとしては、タイトルのままですね。後半に、子猫だったぽんたが友人を通じてやって来たことが、50ページの描き下ろしで描かれています。1巻の表記はありませんが、2、3巻が刊行されていますから、事実上1巻目です。
私も、猫マンガは、じっくりにせよ、チラにせよ、何度も読んできましたが、描かれている猫(恐らくミックス)のぽんたは、元気といえば聞こえはいいのですが、活動的すぎ! 飼い主である作者様の都合など、ほぼ考えず、吐く、排泄する、汚す、破壊すると、天使よりも悪魔に近い生き物なのではないかと思われてなりませぬ。
だから、猫が生理的に駄目という方には、避けられた方がいいかもしれません、けれども。
そのかわいげのなさが、不思議とかわいいのです。
逆に、ぽんたの傍若無人ぶりと正反対に、作者様は熱中症にならないよう、また、自分が風邪などで体調を崩しても大丈夫なように、気づかいをしていて、描き下ろしで、「俺 犬派だし…/猫なんて無理だよ…」と、友人に言っていたのがウソのように面倒見がいいです。そりゃあ、ぽんたをからかったり、いたずらをしたりもしますが、作者様の方が天使なのでは? と、私は思ってしまいました。
とにかく、ぽんたの吐瀉物、排泄物エピソードは、今まで読んだ猫マンガ中、トップの多さかも? 飼い主=作者様の思いやりを堂々と無視し、超絶マイペースに生きるこのぽんたという猫は、猫と暮らしている方はきっと、「私もある!」「そう、同じ!」と、大いにうなずかれるのではないかと思います。
加えて、この作中には、ぽんたのリアル写真が何枚も掲載されており、実に愛らしい猫です。が、その実態は、マンガのとおり……なので、この作品を魅力あるものにさせていると、感じましたね。
2巻以降、作者様とぽんたは、もっと仲良くなれるのでしょうか。それとも、ぽんたは破壊天使のままなのかも? そういう先行きが気になりますので、また機会があれば、2巻以降も購入してみたいですね。お勧めいたします。それでは。
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