『真田魂』4巻(重野なおき・白泉社)の感想
四コマ漫画『真田魂』4巻(重野なおき・白泉社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
4巻のポイントは、前半と後半で、テーマが分かれています。前半は、二十二万人兵力を有する豊臣秀吉軍VS北条軍による戦、小田原征伐。後半は、秀吉逝去後の徳川家康VS石田三成の二者対立のはずが、全国指折りの大名を巻きこむ総力戦、関ヶ原の戦いへのつながりについてです。
前半は、ギャグを踏まえた大規模な、しかし皆がそろっていた戦いが、後半、仲がよかった真田家が、ついに真っ二つに別れる、なかなかインパクトのあるお話です。
あらすじとしては、圧倒的勢力によって、上杉軍、武田軍をも退けた、北条軍が、どんどん切り崩され、包囲されていきます。人質ではなく、念願の初陣となって、ノリノリの信繁に、冷静そうでいて戦る気満々の信幸、着実に任務をこなす昌幸。対する北条軍は、なおも評定を続けており、伊達政宗との共闘を模索するなど、時間を取られているうちに……呆気ない結末を迎えます。
そして、秀吉逝去後、慶長の役から解き放たれて戻った、加藤清正ら七人が、石田三成に反旗をひるがえそうとします。これを、徳川家康が和解させますが、光成と大谷吉継が決起して、家康討伐に進もうとします。そこへ豊臣三奉行も同様の書状を全国へ配ったため、全国の有力大名が、徳川派、豊臣派となって挙兵します。
真田家もこの流れに巻きこまれ、昌幸と信繁は豊臣派、信幸は徳川派に分かれてしまいました。信繁と信幸は、兄弟でありながら、刀に手をかけるほど殺気立つのですが、昌幸が、「どちらかの真田は生き残れる!! これより我らは 別々の道へ進むぞ!!」(P108)、言って制止したのでした。
いわゆる、「犬伏の別れ」にて、昌幸と信繁は上田城へ、信幸は徳川軍に合流するため、彼らは敵同士となってしまうのでした。
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