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2023年8月に作成された記事

2023年8月25日 (金)

『となりの怪異談~忍び寄る恐怖~』(小林薫・ぶんか社)の感想

 コミック『となりの怪異談~忍び寄る恐怖~』(小林薫・ぶんか社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 前回の『となりの怪異談~身近なゾッとする話~』と、仕様は同じです。全国から寄せられた方々の体験談を、2ページの漫画にしています。
 ただ、私は怖い話に興味があるくせに、今回の方が、血の気が引くエピソードが多かったように感じられました。くれぐれも、怖いものが苦手な方は、注意して読んでみてください。
 掲載数は、連続しているものも含めて、86話。前回よりも減ったようですが、怖いものは怖いです!
 それでは、印象に残ったお話を挙げますね。

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2023年8月20日 (日)

『ダミー・ワイフ』(ロバート・シェルドン 江藤潔/訳 富士見ロマン文庫 No.10)の感想・追記

 書籍『ダミー・ワイフ』(ロバート・シェルドン 江藤潔/訳 富士見ロマン文庫 No.10)の感想の追記です。すみませぬ。

 まず、富士見ロマン文庫のナンバーを忘れておりましたので、元の記事ともども、追加いたしました。
 それから、同文庫の、『ブルーエンジェル・デイ』(昭和63年3月発行・未読)巻末の、刊行作品紹介ページを読んでいて、はたと、気づきました。
『ダミー・ワイフ』は、『身代わりプッシー』と、なっていました。
 他にも、いくつかの作品が改題されています。
 次のとおりですが、矢印の左側が旧、右側が新タイトルです。

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2023年8月19日 (土)

『ダミー・ワイフ』(ロバート・シェルドン 江藤潔/訳 富士見ロマン文庫 No.10)の感想

 書籍『ダミー・ワイフ』(ロバート・シェルドン 江藤潔/訳 富士見ロマン文庫 No.10)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 エッチ場面と描写が大好きな私ですが、残念ながら、この本は富士見ロマン文庫の中で今一歩でした。
 理由の一番が、読みにくいという点にありましたけれども、他にもいくつか。後で、まとめて記します。
 あらすじとしては、主人公は元上流階級出身の女性ジョジョで、家出をして、フリーセックスを楽しむ奔放な生活を送っていますが、突然、一卵性双子の妹、モイラから、自分の身代わりになってくれと頼まれ、しぶしぶながら承知します。
 ジョジョはモイラとして、夫のブラッド、娘のシャロンと生活しますが、二人の、表向きは上品で豪奢な暮らしをしながら、その放縦ぶりに驚かされます。特に、シャロンは近所の年配者、クロスウエイと、友人まで巻きこんで、淫らなふるまいをしていることに注目します。
 そこで、ジョジョは乱交パーティーを開いて(!)、その折にクロスウエイを脅迫して、シャロンとの関係を解消させます。さらに、クロスウエイからブラッドの会社の援助も取りつけます。こうして、一連の問題を解決したジョジョは、モイラと再会した時、身代わり代として、思いがけないものを要求するのでした。
 こうやって書くと、おもしろそうだし、あらすじでは省略しましたが、冒頭のジョジョの、やりたい放題描写、シャロンとクロスウエイの、少女と老人の危ない場面、モイラと父親の禁断関係など、よくまあ、次から次へと、性交場面が続くものだと、感心しました、が。
 いただけない点の一つが、ライトノベル風の、口語体表現が多い文章なのに、改行があまりされていないせいか、文章のリズムの工夫がされていないのか、とにかく読みにくいのです。刺激的な場面の連続に、生唾ゴックン、どころか、「はいはい、わかりました」と、心の中で何度言ったことか。

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2023年8月15日 (火)

『綜合ムック 世界の性愛学』(綜合図書)の感想

 書籍『綜合ムック 世界の性愛学』(綜合図書)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 18禁同人誌を作成している上で、資料になるかなと、思って購入した本ですが、なかなかエロ楽しい内容でした。
 さて、一応、書籍と記しましたが、エンタメメインの画集に近い内容ですね。
 発行は、平成25年7月20日、本文執筆は、若月祐二、安倍英明、秦野卓爾だそうで、古書店で見つけました。
 あらすじというか、中味については、表紙の、「春画だけじゃない! 世界のエロティックアートから観る、豊かで淫らな性愛のカタチ」との宣伝文で言い尽くされているかと思いますが、要するに、15~20世紀頃の欧米を中心とした、性愛をテーマに紹介されている本です。
  まず、いただけない点から申し上げますと、どのようなコンセプトで編集されているのか、よくわかりませぬ。ヌードが多いのは当然としても、これは、巨匠の有名作品ではないの? という絵画が、ちらほら挙げられています。
 たとえば、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」が、最初のページにあるのに、私的にエロいと思っている、クリムトは一枚もありませんし、バイロスが載っているのに、ビアズリーやロップスはないし? 春画も説明されていますが、薄味すぎるのでは? また、エロティックアートの画家の生涯、特徴も説明されていて、初心者の私にとっては、とてもありがたいのですが、画家名が原文のままが多くて、読み方がわからず、誰だったっけ? と、戸惑ってしまう、不親切仕様です。
 たとえば、よく取り上げられている、フランスの、ウィリアム・アドルフ・ブグローですが、このカタカナ表記でなく、William  Adolphe  Bouguereauと、画の下に記されているわけですよ。

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2023年8月12日 (土)

『軍師 黒田官兵衛伝』6巻(重野なおき・白泉社)の感想

 四コマ漫画『軍師 黒田官兵衛伝』6巻(重野なおき・白泉社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 重野なおきシリーズも、今回で終わりです。こちらの本は、『殺っちゃえ!‼ 宇喜多さん』1巻の次に、私的にはおもしろかったです。
 簡単なあらすじを記しますね。羽柴秀吉軍軍師として、官兵衛は総勢十一万を率いて、四国の長曾我部元親軍と対決します。元親は三方向に分かれた秀吉軍のうち、讃岐方面軍へ奇襲を仕掛けますが、すでに官兵衛は見抜いていて、先に逃走していました。四国各地の城が、圧倒的な秀吉軍の前に次々と陥落し、元親は降伏せざるを得ませんでした。
 天正13年11月、徳川重臣の石川数正が秀吉側に寝返ったのをきっかけに、徳川家康との決戦準備に入っていたのですが、大地震のために中止。九州の島津征伐に向かいます。
 ところが、島津家長男で当主の義久、次男の義弘、三男の歳久、四男の家久、彼ら四兄弟は全員英傑と言われ、雑兵さえも死を恐れずに連帯して攻撃する、鬼のような強さを持っていました。四国攻め同様、数にものを言わせて圧勝するはずでしたが、何と、戸次川の戦いで、仙石秀久+長曾我部元親軍は、島津家久に敗北してしまいます。
 けれども、秀吉が十八万の大群を連れてきたことにより、島津が苦手な攻城戦に変えていきます。砦を柵で囲み、休みなく、膨大な鉄砲を撃ち続ける、この根白坂の戦いで、島津義弘・家久軍は柵を乗り越えられず、義久はついに、降伏を決定しました。
 九州征伐後、官兵衛は、秀吉の論功行賞によって、豊前六郡を与えられましたが、どうやら、元の城主が黙っていない様子……。

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2023年8月11日 (金)

『ダンディズム 栄光と悲惨』(生田耕作・中公文庫)の感想・追記

 書籍『ダンディズム 栄光と悲惨』(生田耕作・中公文庫)の感想を追記いたします。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 
 213ページの編集部による注意書きによりますと、この本は、1975年に奢灞都館より刊行されたものを底本にして、「ウィリアム・ベックフォード小伝」と「老いざる獅子--バルベー賛」は、1992年刊「生田耕作評論集成Ⅱ」(同社)所収の改訂稿と差し替え、「黒い文学館」(白水社・1981年)の一部を「付記」として追加収録した、完全版だそうです。
 ずいぶん、手をかけて完成された作品だったのですね。おもしろかったのも、納得です。
 さらに、表紙イラストが、金子國義!
 ディフォルメしているのに、フェロモンが匂い立つような美女画で有名な方ですが、この正装した三人の紳士の絵も、内容に合っていて、いい雰囲気です。
 最後に、巻頭ページに、18世紀のロンドン、ジョージ四世、ベックフォード、バイロンといった、本の内容に深く関わるイラスト? 画像? が掲載されていますが、ジョージ・ブランメルの肖像はありませぬ。
 後記の作者様の言葉によれば、「故意に省き去った」そうです。
 クールで淡々とした感じに描いておられましたが、作者様自身、ブランメルに魅せられているのかな? と、思いました。それでは。

 

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2023年8月 6日 (日)

『ダンディズム 栄光と悲惨』(生田耕作・中公文庫)の感想

 書籍『ダンディズム 栄光と悲惨』(生田耕作・中公文庫)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 この本の内容を一言にまとめますと、19世紀のイギリスで社交界の中心であった、ボー・ブランメル他数名の男性達の人生と、彼らのダンディズムという美学を紹介したものです。エッセイとも、男性の服装の歴史ともいえましょう。
 だから、昔の出来事や服装に関心のない方には、あまり、興味をそそられないかと、思います。
 人間、大切なのは中味で、外見ではない! ましてや、華美な服装など、もってのほか! と、考えておられる方もいらっしゃるでしょうし、確かに、それは正しいでしょう。
 しかしながら、ダンディズムに徹した、19世紀の伊達者達は、この本に描かれている限り、世間の注目を集め、あこがれの的となりながらも、幸福ではないように感じられます。
 それはそれで、並々ならぬ、傑物ぞろいなのでした。


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2023年8月 5日 (土)

『絢爛たるグランドセーヌ』16巻(Curvie・秋田書店)の感想

 コミック『絢爛たるグランドセーヌ』16巻(Curvie・秋田書店)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 また、予想の斜め上をいかれてしまいました(うれしい悲鳴)!
 閉鎖的な感じのキーラは、奏とはまた異なる、すぐれた才能の持ち主で、しかも、性格のいい少女でした!
 やはり、ロイヤル・バレエ・スクールで学ぶ彼女達は、皆、半端ないテクと根性を持っています。
 反面、経験が浅くてメンタルも繊細なのに、大人と変わらないバレエという、厳しい勝負の舞台で、常時、インターバルなしの真剣勝負を強いられているような?

 簡単に、あらすじを挙げましょう。奏はロイヤル・バレエ・スクールのロウアー・スクール10年生に編入留学し、言葉の違い、一般的な勉強の大変さ、食事の味の相違を痛感させられます。
 また、モナコに留学中の翔子は、一人ぼっちでいるために心が折れそうになりますが、奏と電話で話して、互いに元気を取り戻します。
 学友との会話から、奏は、キーラが振付コンクールで、去年、一位に入賞したことを知ります。さらに、彼女はダンサーのよさを引き出す能力の上、面倒見がいいことも。皆が驚いているうちに、キーラ本人が何と、次の新作のダンサーを、奏とエヴリンに依頼するのでした。
 キーラはメジャーなギリシャ神話より、北欧神話をテーマにしたがっており、ふだんは無口っぽいのに、話し始めると、無我夢中になってしまい、周囲が呆気にとられるのを恥じ入って逃げ出すという、繊細な性格の持ち主。けれども、奏は、初めてバレエを知った時の感動を話し、キーラと近づけそうになるのでした。
 ロイヤル方式のレッスンに戸惑っていた、奏とエヴリンでしたが、ピラティスによって、いっそう磨きがかかります。そんな折しも、二人はニコルズ先生の特別レッスンを受けて、エヴリンは有頂天でしたが、奏はかすかな違和感を覚えます。寮へ戻って来ると、エヴリンと不仲だったレベッカが、ポスターの破れを修復しようとしていました。エヴリンは抱きついて喜びます。
 

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