『どれが恋かがわからない』3巻(奥たまむし・KADOKAWA)の感想
コミック『どれが恋かがわからない』3巻(奥たまむし・KADOKAWA)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
3巻の表紙イラストはマリア。今回のお話は、いよいよ、カリン創作でメイが主演の劇が上演されることがメインですが、メイの彼女候補のうちで、もっとも出遅れていた、と思われていたマリアが、驚くほど積極的にせまります。
あらすじを説明いたしますと、劇の練習のつもりだったはずなのに、メイはカオルと、フレンチなキスをしてしまいます。「私のこと…嫌いか?」と、切なげにたずねるカオルへ、メイは、「好きです…から…」と、答えます。芝居なのに、我慢できなかったと、反省するカオルに、カリン、カオル、どちらのキスもよかったと、悩むメイ。そんな彼女が相談した相手は、マリア!
マリアは、キスの経験を積むように助言し、メイから自分にキスをするよう、アドバイスします。結果、どちらのキスにもときめいてしまい、メイは戸惑うばかり。
また、メイはカリンへのお礼のため、クッキーを焼こうとしたところ、カオル、リリとの三人勝負になってしまいます。まずいわけではありませんが、彼女達それぞれのキャラクターそっくりのクッキーが出来上がってしまいます。
カリンは劇の稽古の名目で、メイにいっそう接近しようと、たくらんでいたのですが、ミナトが乱入してきて、三人の外稽古とあいなってしまいます。メイとカリン、二人のエッチな演出になると、ミナトは懸命にストップをかけます。けれども、ミナトを熱愛する現役声優美少女アリスが、ナレーター的役柄で登場。何と、アリスはメイに、敵対意識を燃やします(ライバル認定?)。
マリアの教えによって、メイ自身の失恋トラウマが判明(1巻で不明だった、メイの片思い相手の名前と顔も)。カオルにスキンシップして慰めてもらうなど、恋のニアミスは、息をつく間もないほど。劇は成功を収め、アリスもメイの才能を認めます。劇関係者の打ち上げの際、カリンはまた、付き合おうと迫るため、メイはトイレへ逃げ出しますが、出口で偶然(?)、マリアと鉢合わせ。酔っているせいか、いつものクールさがなくなり、子供になったマリアは、メイにハグを、次にキスを求めてきます。メイはもう、やめたいけど、やめられない状態に。メイが止めたいのは、マリアとの連続キス、それとも、抑えのきかない自分自身?
すみません。ネタバレを注意しつつも、思いきり、細かく書いてしまいました。
いい意味で、「ストーリーの先行きが読めない」のは、推理、ミステリー、サスペンス系の表現物だけだと思っていたのですが、まさか、百合系ラブコメディでそうなろうとは! 心から、精神的土下座をさせていただきます。
クールで一番落ち着いた大人だったマリアが、まさかまさかの、積極性全開! 意味深な表紙イラストの表情といい、ミナト、カリンへ向ける嫉妬っぽい言動、それらと正反対なメイへの熱視線といい、私のようなマリアファンは、3巻を見逃しては損ですよ!
それから、2巻の感想とダブってしまうかもしれませんが、やはり、この漫画、登場人物達の言葉やしぐさの愛らしさが、たまりませぬ! カオルとリリのクッキー競争など、二人のエプロン姿、それぞれのお菓子の味わいと、読んでいて、精神的に身悶えしてしまいました。
ついに、五人の中で、出遅れているのは、ミナト一人だけになってしまいました。しかし、このままでいるはずがないでしょう。本当に、メイの心をつかむのは、誰になるのでしょう。そして、メイが選ぶのは誰?
4巻も、早く読んでみたいです。お勧めいたします。それでは。
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