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2024年1月に作成された記事

2024年1月31日 (水)

『マップス』1巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想

 コミック『マップス』1巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 さて、こちらは文庫版で全10巻ですが、私的にとてもおもしろかったので、特別に1巻ごとにレビューしていくつもりです。
 これはもう、『バビル2世』以来ですね。
 しかも、『マップス』は偶然にも、バビル2世と、作風が似ている個所があります。
 具体的に申し上げますと。

1)伏線はあるけれでも、割と謎解きは素早く、テンポよく、スムーズ。スピーディーなストーリー展開。
2)普通の少年だったはずの主人公が、自分の意志で冒険へと旅立ち、鍛えられ、心身ともにバケモノじみた強さを持つ戦士に。

 スペース・オペラなので、さすがに、主人公は学生服を着ておりませんが、しかし、絶対的に異なる点があります。
 ストーリーを引っ張る、真・主人公は、地球生まれの少年ゲンではなく、ビキニのような衣装をまとった、半有機合成人間(ビメイダー)、リプミラ! なのですよね。
 リプミラも魅力的なのですが、この『マップス』は、登場するヒロイン達が、かなり個性的で心惹かれる存在なのです。
 ただねぇ、リプミラのコスチュームもセクシーすぎなのですが、不自然でない程度に(?)、女性達の色っぽいスタイル・場面が多くありまして、美少女好みの男性ファン様だったら、うけるだろうなと、思います。作者様には申しわけありませんが、私は猛烈なエロ好きですけれども、美少女への志向はなく、胸というより、お尻原理主義者なのですよね。

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2024年1月28日 (日)

お知らせとおわび、もう一度

 長らく、更新をしておらず、申しわけありません。
 Twitterにて報告いたしましたが、先月は母、今月は父と、相次いで亡くなったため、文章を作成するのに集中できなくなっております。
 リハビリ的に、Twitterでつぶやいてみたり、今回のように短く書いてみたりするつもりでおります。
 回復まで、もうしばらくかかると予想されますが、どうぞ、お気長にお待ちいただけますよう、お願いいたします。


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2024年1月13日 (土)

『ガミアニ伯夫人』(アルフレッド・ド・ミュッセ 須賀慣/訳 富士見ロマン文庫 No.11)の感想

 書籍『ガミアニ伯夫人』(アルフレッド・ド・ミュッセ 須賀慣/訳 富士見ロマン文庫 No.11)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 何と、この本は巻末の翻訳者様(恐らく)の解説によりますと、フランスのロマン派詩人、ミュッセの描いた好色文学、もとい、官能小説の古典です。さぞや、表現も慣習も現実離れ&現代離れ(?)していて、読みにくいだろうなと、私は危ぶんでおりましたが、とんでもない間違いでした。
 ミュッセと翻訳者様に、精神的土下座をさせていただきます。
 実は、前回レビューした、ヘンリー・ミラーの『オプス・ピストルム』よりもエロくて、さらにおもしろくて、楽しませてもらいました。
 ただ、いただけない点がありまして、この本、実は2部構成なのです。前半は、『ガミアニ伯夫人』なのですが、後半は、『美女ジュリアの手記』(アンドレア・ド・ネルシア)となっており、まったくの別作品です。いいえ、別にいいのですが、表紙には、後者のタイトルさえも載っていないのに、中表紙にようやく、『ガミアニ伯夫人 他一篇』と、印刷されています。
 加えて、巻末の富士見ロマン文庫シリーズ紹介では、最後のページはタイトルしかないし……。
 さらに、『ガミアニ伯夫人』には、むっちりぽっちゃりの、古典的美女満載の刺激的な挿絵がいくつか載っていて、視覚的にもかなり楽しませてくれるにも関わらず、画家かイラストレーター様の名前、出典など不明なまま、私が惜しがっておりますと、これもまた解説に、20世紀初頭にパリで出版された、ブリュッセル版の復刻版で、ドヴェリアという画家様のものだそうです。
 内容はいいのですが、不親切仕様ですなあ。

 それでは、まず、『美女ジュリアの手記』(アンドレア・ド・ネルシア)の感想を申しましょう。修道院で女性同士の関係を知ったジュリアは、その美貌ゆえ、男性が放っておきません。修道院と小父夫婦から逃れ、様々な男性と経験を重ね、ついには、理想の男性器を持つ、すばらしい男性と結ばれるのでした。
 巻末の解説ではほめられていますが、私はちっともおもしろくありませんでした。女の子の好きなおとぎ話に、官能要素をプラスしただけだからです。

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2024年1月 7日 (日)

『フランケンシュタインの男』(川島のりかず・マガジンハウス)の感想

 コミック『フランケンシュタインの男』(川島のりかず・マガジンハウス)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 この本の発行は、2022年12月1日ですが、ひばり書房からの原書は、P191の川島のりかず略年譜によれば、1986年11月です。それには、SFミステリーとジャンル分けされていますけれども、私は心理ミステリーか、サイコホラーとした方が、しっくりくるように思えました。
 怪奇/ホラー漫画で30年の歴史があったらしい(P199)ひばり書房に29冊もの書下ろし単行本を描きながら、88年10月の『中学生殺人事件』を最後に姿を消し、2018年に亡くなった、幻のホラー漫画家、川島のりかずの、最高傑作(帯カバーによる)だそうです。
 かなり特殊なひばり書房や、実績はあったはずなのに、漫画家を引退せざるを得なかった作者様のくわしいエピソードについても、この本は後半でよく説明されております。興味を持たれた方は、購入してみてください。
 私は、特にホラーブームでもない最近になって、注目されてきた漫画家様の作品ということで、購入したわけです。
 あらすじを簡単に記しますと、主人公は二十代の真面目な会社勤めの青年、空木鉄雄。鉄雄は女社長亡き後、満たされない毎日を送っていた時、不意に、自分の身近に、得体のしれない少女が見えるようになります。思い余って、医者に相談すると、彼女の顔面が血まみれになっていることと、正体が判明。
 彼女の名は君影綺理子、裕福な家庭に育ちながらも、病弱なゆえか、ひどくわがままで、フランケンシュタインを気に入っていました。小学生だった鉄雄は綺理子を喜ばせようとして、フランケンシュタインの面を作り、かぶってみせます。そうやって、綺理子に命令されるまま、鉄雄はフランケンになりきって、子供達に好き放題の乱暴をし続けたのでした。ところが、綺理子は不注意で井戸の中に、転落してしまいます。鉄雄はそれを誰にも打ち明けられないまま、上京し、大学を卒業し、綺理子と似た女社長のいる会社に就職したわけでした。
 埋もれていた過去を思い出した鉄雄でしたが、虚しい気分は増すばかり。鉄雄は綺理子の幻? に導かれるまま、フランケンシュタインのマスクを購入し、子供の頃同様に、それをかぶって、公園などで遊ぶ子供達を襲い始めます。大勢の子供達が逃げ惑ううち、大人も多くなりますが、鉄雄はフランケンのまま、彼らにも暴行を働きます。その存在感と強さに、人々は恐れる以上に圧倒され、「フランケン! フランケン!」と、連呼します。さらった子供を高く掲げ、酔い痴れたように応える彼は、もはや鉄雄ではありませんでした。そして、一人の私服警官が、鉄雄に向けて発砲します。










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2024年1月 2日 (火)

『女形気三郎』全7巻(ジョージ秋山・小学館)の感想・追記

 コミック『女形気三郎』全7巻(ジョージ秋山・小学館)の感想の追記を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 私がこの漫画の中のお気に入り作品は、1巻(壱巻というべきかな?)に収録されている、全作品です。
 設定やストーリー、デザインが固まっていないせいか、それが欠点にならず、むしろ、フリーダムさが、おもしろい、美しい、エグい(おいおい)と、感じるため、何度読んでも飽きませぬ。
 おどろおどろしい面をかぶったり(裁きの一)、気風のよい女行商人に変装したり(裁きの二)しています。
 ところが、お話が後半になるにつれて、悪人のバリエーションは豊富なのですけれども、女形気三郎自身は割と同じ格好、ほぼ無敵の強さなのが物足りなくて、少し残念です。
 もう一つ、後半の事件は、女性の全裸殺人が多く、同性の私としては、読んでいて辛いです。
 

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