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2024年1月31日 (水)

『マップス』1巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想

 コミック『マップス』1巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 さて、こちらは文庫版で全10巻ですが、私的にとてもおもしろかったので、特別に1巻ごとにレビューしていくつもりです。
 これはもう、『バビル2世』以来ですね。
 しかも、『マップス』は偶然にも、バビル2世と、作風が似ている個所があります。
 具体的に申し上げますと。

1)伏線はあるけれでも、割と謎解きは素早く、テンポよく、スムーズ。スピーディーなストーリー展開。
2)普通の少年だったはずの主人公が、自分の意志で冒険へと旅立ち、鍛えられ、心身ともにバケモノじみた強さを持つ戦士に。

 スペース・オペラなので、さすがに、主人公は学生服を着ておりませんが、しかし、絶対的に異なる点があります。
 ストーリーを引っ張る、真・主人公は、地球生まれの少年ゲンではなく、ビキニのような衣装をまとった、半有機合成人間(ビメイダー)、リプミラ! なのですよね。
 リプミラも魅力的なのですが、この『マップス』は、登場するヒロイン達が、かなり個性的で心惹かれる存在なのです。
 ただねぇ、リプミラのコスチュームもセクシーすぎなのですが、不自然でない程度に(?)、女性達の色っぽいスタイル・場面が多くありまして、美少女好みの男性ファン様だったら、うけるだろうなと、思います。作者様には申しわけありませんが、私は猛烈なエロ好きですけれども、美少女への志向はなく、胸というより、お尻原理主義者なのですよね。

 ま、とにかく、1巻のあらすじと感想を申し上げましょう。
 1巻に収録されているのは、ACT1~8。高校生、十鬼島(ときしま)ゲンと、その幼なじみでガールフレンドっぽい君塚星見は、宇宙海賊カリオンを名乗る女性から拉致され、彼女の巨大天使型宇宙船、リプミラ号の中へ入れられます。カリオンはゲンを、人間地図(マップマン)と呼び、2万年前に、放浪の民族「さまよえる星人」が、残した宝と、「時 凍てつき 大地に間ある時 白き地図人 ”風まく光”を示す」という伝説の謎を明かすのが目的でした。
 しかし、そんな彼女達に、銀河のスペースパトロール隊長のニュウ・エイブが、彼の宇宙船で楽々と、リプミラ号を確保し、カリオンも連れ去ってしまいます。ややドジで顔もユニークなエイブですが、実は本物の超能力者。カリオンは苦戦するものの、ゲンの助けもあって、辛くも脱出。彼女はようやく、カリオンは300年前に死んだ人間の名前で、本当の名前はリプミラ・グァイス(2巻の登場人物紹介による)。その正体は船であって、人の姿につくられてはいても、リプミラ号の半有機電子頭脳であることを明かすのでした。
 そうして、リプミラとゲン達は、暗号を解き、地球の中心から、半径6億光年の星図という宝を入手します。リプミラ号の修復、アメリカやソ連の介入、リプミラが大半の体を失うようなトラブルも起こったものの、ゲンは宇宙への望みが断ち切れず、星見と一緒にリプミラ号へ乗り込み、地球を離れます。
 やがて、リプミラに鍛えられ、星間商人となったゲンですが、惑星ザナインで、リプミラの目的がカリオンを殺した銀河伝承族のギルディオを倒すことにあると、知らされます。そして、宇宙船はもちろん、惑星をも破壊する、とてつもなく巨大で醜悪な、宙飛ぶ生首、銀河究極の進化者の彼と戦闘になりますけれども、コックになったエイブの超能力、ゲンの協力、リプミラ自身の捨て身の攻撃によって、辛くも撃退。
 次に立ち寄った星で、ゲン達は、カワウソにもモルモットにも似た(?)、後にペット兼ボディーガードっぽくなる、高重力生物、ツキメと出会い、乗船させます。そこでまた、伝承族の幼生体、ガタリオンとの戦闘になりますが、彼が語るには、”風まく光”は彼らの言葉で「ダイナック」、その意味は10匹の魔物で、ゲンの「十鬼島」が、まさにそれを示していたわけでした。ガタリオンは、ダイナック・ゲンと呼んで、去ります。
 次の話は、惑星ベニュアス王国とイスナ共和国間で、戦闘が始まる寸前に、ベニュアスの使節、ジャルナから期日内に自分を運んでくれるよう、ゲンに強制的に依頼します。旅は順調なはずでしたが、ギリギリになって、宇宙豪商で死の商人、超大型メロンのような外見の、ガッハ・カラカラに妨害されます。加えて、ガッハはリプミラに深い恨みがあり、やはり、戦闘開始!
 エイブの妻、ニュウ・スソクホウと、彼らの大勢の! 子供達のお話と、巨大ロボットの修行話は、まあ愉快なギャグです。
 最後は、宇宙船の頭脳となって間もないリプミラの、過去がメインのお話です。船になるのをいやがるリプミラに、心優しい流星という名の船は慰め、楽しい歌とおまじないを教えます。しかし、流星は亜高速弾となって、惑星クロアの太陽と衝突しようとしており、リプミラは彼を破壊しなければならなくなりました……。
 
 いかがですか、まるで、すっぽんスープのように濃厚なお話でしょう?
(私は、すっぽんて、食べたことがありませんけれども)
 不老不死で最強と思われたリプミラでさえ、機械の頭脳部分のみになったり、ラフスケッチみたいな顔のエイブが、正真正銘の超能力者だったり。エイブも意外に頼りになりますし、お笑いキャラにしか見えないガッハは、これまた、妙に手ごわいですし。
 そう、このお話、少年冒険物の王道を忠実に踏まえながらも、予想外の設定に満ちあふれているのです。
 おーい、リプミラ、君は何度、ヌードになるのですか? 序盤からゲンと……しているし、20代前半っぽい外見だけど、大胆すぎませんか?
 まあ、最後のお話の、美少女リプミラは、泣いたり笑ったり、とてもかわいかったですけどね。
 他にも、「わたしを自由にしても……けっこうです」と、恥ずかしがりながら大胆にせまるジャルナは、あやうく、飲んでいたコーヒーを、私は吹き出しそうになりました。
 しかしながら、私が一番魅力的と感じたのは、リプミラ号の天使型のデザインと、その設定です。個性的な宇宙船は数々あれども、巨大な天使というのは初めて。しかも、ボディーが船、リプミラはその頭脳で分身。リプミラ号が攻撃されれば、彼女もダメージを負うところも、完全機械でないところ、本当に意外性のかたまりですなあ。
 王道冒険漫画を読んで、スカッとしたい方にお勧めいたします。それでは。
 


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