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2024年6月14日 (金)

『マップス』6巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想

 コミック『マップス』6巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 相変わらず、予想のはるか斜め上を行ってくださるストーリー展開です。完結まで読了しない以上、このドキワク、ハラハラ感は、まぬがれないのでしょうね(うれしい悲鳴!)。
  6巻に掲載されているお話は,次のとおり。

 ACT.51 ニュウ・エイブ七つの試練
 統一編
 ACT.52 旅立ちの前に
 遊撃編
 ACT.53 放たれた針
 ACT.54 牙を持つ翼
 ACT.55 亀裂
 ACT.56 無をいく者たち
 ACT.57 四十億年のプロメテウス
 ACT.58 開かれた箱
 ACT.59 来訪者
 ACT.60 人魚のクリスマス

 簡単に、あらすじを説明いたしましょう。ACT.51は、スペース・パトロール提督になるべく、ニュウ・エイブが受ける試練のお話で、ギャグ成分の多い、番外編っぽい内容です。
 ACT52は、伝承族との戦いのため、宇宙へ旅立つ前のゲンの元に、ジャルナ王女が訪問し、小さな騒動が起こるというもの。
 そして、メインたる「遊撃編」では、星見は地球でゲンの帰りを待ち、ゲンはザザーン達の仲間とともに、出発します。総司令官はザザーンン。リプリムは、小さなラドウと仲良く、マド学院長のヘクススキーをお目付役に。シスター・プテリス(球体状の宇宙服を脱いだ姿は、ほぼチョウのような羽をやした全裸。セクシー)は、ゲンと一緒に。
 ザザーンの指揮下、全艦隊は一度にワープしますが、到着地点に、約三万五千機の艦隊が! 伝承族反乱軍とニードル・コレクションでした。二億機の銀河連合の遊撃隊で圧勝できるはずが、ニードル・コレクションの小型機に翻弄され、ダメージを受け続けます。そこで、リプミラ、シアンのリープ・タイプの出番となりましたけれども、変則的で予想のつかないニードル・コレクションの動きに右往左往させられ、挙句にはエンジンに爆発物をまかれてしまいます。エンジンが爆発すれば、二億機の全艦隊は全滅することに! リプミラはエンジンの切り離しを提案し、ザザーンは承知するものの、そうはさせじと、ニードル・コレクションの頭脳体が侵入してきます。その二人の美少女、ハーザンは野獣のように荒々しく敏捷な動きで、ソフティカは予想外の柔軟さで、そろってリプミラを攻撃してきます。いったん、リプミラは隙をついて、ハーザン、ソフティカを撃退したものの、エンジンの爆発→すさまじい空間波に見舞われ、シアン、リム達も皆、機体ごと、はじき飛ばされてしまいます。リプミラとゲンは、銀河系の外にまで飛んで行ってしまいました。
 ニードル・コレクションの雇い主(というより、支配者っぽい)は、伝承族のギツアート。彼はニードル・コレクションとその仲間の自由と引き換えに、支配下に置いたのです。
 そのようなわけで、銀河系外のリプミラ号(リプミラ、ゲン、プテリス)には、スガラ、二人組のゼルルゼ、光破船団のシアンとヒイには、ハーザン、ソフティカ、水の惑星にたたずむリム、ラドウには、もう一人という感じで戦いが始まります。
 ここで、光破船団のことですが、ヒイは銀河先住民族で、恒星の中に住む、エネルギー生物にして、銀河最初の高等生物。ヒイはその弟と対峙したところ、弟は伝承族と和平を結び、四十億年をすごしてきたと告げます。ヒイは、伝承族が生贄砲を用いれば銀河全体が消し飛ぶと言い、両者は完全対立。小競り合いの間に、ハーザン、ソフティカが、シアンを殺すべく、襲撃。ヒイはシアンをかばい、四十億年の間、伝承族に捕らわれていたため、残り数分となった寿命を、光破船団復活にかけ、シアンはハーザン、ソフティカ両方の船体を一気に破壊して逆転勝利。その経緯を見守っていた弟は心揺さぶられ、自分がキャプテンになると、言います。よって、光破船団が銀河第六軍として参戦することになりましたが、シアンはヒイを思って、ひそかに涙を流します(これは、かなり感動的な場面です)。
 ところで、リプミラ号は、ニードル・コレクションの船体と、銀河系外文明の、全長三十キロメートルの宇宙船と遭遇。切羽詰まったリプミラは、何と謎の巨大宇宙船にアンカーをつけて逃げ、船内に潜入します。そこで出会ったのは、岡本太郎が喜びそうな(?)、比喩できない姿の、巨大生命体? しかも、彼らは原人? 食いつめ者?(リプミラ編はここまで)。
 水の惑星で、リムとラドウは、ヘクススキー教授が呆れるほどに、仲良く遊んでいましたが、水中戦に特化した、バオン・リップが来襲! 少しばかり苦戦するものの、ラドウの助けもあって、勝利します。しかし、喜ぶ間もなく、次の強敵は、復活してニードル・コレクション側に回った強敵、ダード・ライ・ラグン!

 6巻も、おもしろかったです。が、ニードル・コレクションが、2巻のリープタイプの勢揃いに比べると、今一歩、スケール感に欠けているような? どうやら、私が『マップス』の世界観に慣れだしてきた弊害のようです。それでも、ニードル・コレクション各人は、よく見れば、なかなか深い味わいがあります。取り分け、小説で読んだせいか、ソフティカのキャラクターと、ぐにゃりぐにゃりと、変化して動く船体は、笑えるというか、おもしろいですね。
 もっとも、私が最初に目をひかれたのは、野生少女のハーザンの方でしたが。私、本当に肉体派というか、体育会系女子が好きだなあ。
 6巻のメインは、四十億年、伝承族に捕囚の身となって命を削られ、シアンを救うために、残りわずかな命をついやすヒイの物語でしょう。騎士らしく、シアンは彼を見送りますが、「今は少し……泣くよ……」という彼女の言葉に、私が泣きかけました。
 ところで、あらすじでは省略しましたが、銀河系外に飛ばされたリプミラ号には、デニーとレニーという、丸っこいロボットのような頭脳体が、雑用っぽいお仕事をやっております。この漫画のことだから、何かの伏線になるかと、予想していたら(自主規制につき、省略)。
 とにかく、私のお気に入り、ダードも復活してくれました。リプミラでさえ苦戦したのに、リムでは勝てる気がしないのですけど? リプミラ編といい、どうなるのか、ワクワクしてしまいます。お勧めいたします。それでは。
 


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