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2024年6月29日 (土)

『桑田次郎 アダルト短編集 サングラスをはずさないで』(マンガショップ)の感想

『桑田次郎 アダルト短編集 サングラスをはずさないで』(マンガショップ)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 内容=タイトルの、漫画短編集です。掲載誌が、「プレイコミック」「ヤングコミック」といった、大人向け漫画雑誌であったために、女性のヌード率は高めですが、成人指定というほどではありませぬ。
 掲載された作品は、1968年から1978年間に発表された、15作品で、次のとおりです。

 サングラスをはずさないで
 4⇔2
 吸血女
 夢の中の欲望
 わたしは殺さない
 殺しの部屋
 明日への悪夢
 最後の秘密兵器
 しみ
 運命は狂わなかった
 正夢
 焼死体
 死刑執行期間一年
 ミス・アイデアル
 自殺のしかた教えます

 いただけない点としては、掲載順位がバラバラです。掲載誌ごとにまとめたわけでないし、年代順にもなっていません。
 あと、今の少年雑誌ならば、掲載できないのではないかと思うような、過激な内容も入っています。
 たとえば、最後の掲載作品、「自殺のしかた教えます」ですが、これを読んで笑う方は、いらっしゃるのでしょうか? ブラック・ユーモアを通り越して、とても怖いギャグ漫画です。
 それから、女性の性格がすべて同じというわけでないはずなのに、外見上、とても似ている、いや、同じようなタイプばかり頻出するのは、何だか、お腹一杯になりましたね。
 それとも、作者様は画力が高いのですけれども、女性を描くのは苦手なのでしょうか?
 私のお気に入りをいくつか紹介いたしますと、「4⇔2」です。不思議な予知能力のある女性は、かよわくて、男の言いなりになるだけではなかった、というお話。ラストのどんでん返しがお見事。
「死刑執行期間一年」、ある星で殺人を犯した男に、死刑判決が下されますが、一年間逃げ続ければ、刑が免除になるというわけです。喜んだ男の背後に、いつも殺人アンドロイドがせまってきて……。この死刑は、かなり残酷です。まあ、殺人犯ならば当然なのでしょう。
「ミス・アイデアル」、大人気ながら、謎めいている風俗嬢の正体は……。作者様は画力が高いですが、特に、この作品中の、蝶の羽根を持つ妖精のシーンは、すばらしいです。男性作家様による、こんなにきれいなイラストは、初めて見ました。

 そういうわけで、殺人とSFネタも多めですが、苦手でない方にお勧めいたします。それでは。
 

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