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2024年6月28日 (金)

『世界悪女物語』(澁澤龍彦・河出文庫)の感想

『世界悪女物語』(澁澤龍彦・河出文庫)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 発行年月日が昭和57年12月4日(私の購入した本は昭和60年5月28日 十三刷)と、かなり以前の内容なのですが、世界の十二人の悪女のエピソードは、どちらから先に読んでも、おもしろく、なおかつ読みやすい内容でした。

 収録されているのは、次の女性達です。年代は省略しますね。

  ルクレチア・ボルジア イタリア
  エルゼベエト・バートリ ハンガリア
  ブランヴィリエ侯爵夫人 フランス
  エリザベス女王 イングランド
  メアリ・スチュワート スコットランド
  カトリーヌ・ド・メディチ フランス
  マリー・アントワネット
  アグリッピナ ローマ
  クレオパトラ エジプト
  フレデゴンドとブリュヌオー フランク
  則天武后
  マグダ・ゲッベルス ドイツ
 
 悪女ブームとまではいきませんが、世界史上の残酷な事件や顛末などで、彼女達はもう、すっかり有名になってしまったと思います。
 フレデゴンドとブリュヌオーの、フランク人王妃同士の凄惨な戦いは、割と知られていないかもしれませんが。
 簡単に説明いたしますと、権勢欲と復讐に取り憑かれたフレデゴンドとブリュヌオーは、目の覚めるような美女から50代の姥桜になっても、互いを攻撃することをやめず、やがて、フレドゴンドは病で倒れ、ブリュヌオーは馬に引きずられ、80歳で死亡。こんな人生は、絶対にいやですよね。



 

 いただけいない点としては、作者様も則天武功の冒頭で述べておられますが、日本の悪女がいない、ということです。大量殺人犯でなく、権力と結びついて、多くの国民を苦しめ、男を手玉に取るようなタイプは、やはり、今も見つからないような?
 私の感じる不満は、作者様がメアリ・スチュワートを、かなりひいきしておられることです。エリザベス女王と併記して書かれた方が、互いの違いがわかって、よかったかも。
 もう一つ、マグダ・ゲッベルスは、悪女でしょうか? 彼女は、ヒトラーの思想に傾倒していましたが、夫のドイツ国民に対する影響度に比べると、うーん……という感じです。
 しかし、やはり、くわしくなりすぎ、登場人物多過ぎで、混乱してしまいがちな世界史上の悪女を、明快に説明された手腕は、お見事だと言えます。
 これらを読んで、興味を持った方は、フランス革命や古代ローマ史などの、詳細な著作へと、ステップアップしやすくなるだろうと、私は予想いたします。
 著作を見ますと、なかなかマニアック、けれども、作者様は、そういうテーマで有名な方ですね。
 どのようにして、書きたいものを選び、表現していかれたのでしょうか。興味をそそられました。機会があれば、他の作品も読んでみたいです。それでは。


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