シグルイ

2011年7月12日 (火)

『シグルイ』15巻(完結)(原作:南條範夫 漫画:山口貴由)の感想

 漫画『シグルイ』15巻(完結)(原作:南條範夫 漫画:山口貴由 秋田書店)の感想を申します。いつものネタバレを含んでおります上、批判的な表現もする恐れがありますので、ご注意ください。毎度ながら、ずいぶん遅くなって、すみませぬ。
 あらすじは、一言で申せば、藤木源之助の辛勝です(ま、ここまで展開を引きずっていたら、普通、敗北なんてあり得ないでしょう)。真剣試合なので、清玄はもちろん死亡、いくも後を追いました。ネタバレが平気な私は、すでに、原作を立ち読みしていたということもあって、幸か不幸か、ラストの衝撃は薄かったです。「あ、ここは原作準拠か」程度。源之助は清玄との戦いに勝ちはしたけれども、かけがえのないものをすべて失った、という絶望にも似た激しい空虚感は、まあよく表現されていたかと思います。・・・・なんて、だんだん批判的になってまいりましたよ。

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2010年4月13日 (火)

『シグルイ』14巻の感想

 漫画『シグルイ』14巻(原作:南條範夫 漫画:山口貴由)の感想を申します。ネタバレがありますから、ご注意ください。
 14巻は、13巻よりましな内容でしたね。13巻こそ、カットしてもいいのに。それでも、後半から、「やっぱり・・・・」と前言を撤回したくなります。その理由は、あらすじを述べてからにいたしましょう。
 お話は、源之助がそうだったように、清玄もまた名刀「一(いちのじ)」を入手します。ところが、稽古の練習中、源之助は不意の病に倒れ、医師も見離すほどの危篤状態になります。三重は一心に介抱しますが、そんな折に来訪したのは、何と憎むべき清玄。けれども、彼は源之助のために、天印霜(てんいんそう)という猿の頭部の黒焼きを持参したのでした。それを貪った源之助は、13日にして生き返ったばかりか、以前よりも心身ともに充実し、三重と心を通わせ、師匠の岩本虎眼の死に顔が浮き出た、血染めの内掛けを焼くのでした。
 一方、徳川忠長の元を、伊達政宗が訪れます(何なの、この唐突さ!)。忠長は伊達の家中の者にも、例の真剣を使う上覧試合に出場してほしいと頼みますが、伊達は拒絶。他の名家の大名達も出場しない旨を知り、忠長は内心荒れます。
 出場剣士達が決定し、雨が降る庭で、忠長と謁見することになりますが、驕慢な忠長は、十万の兵士が控えていると予期していたのに、実際に平伏している20余名ですから気に入りません。早速、庭に出て、伏せている誰かの首を剣で貫きますが、彼を止めることはもちろん、犠牲者が誰であったのかさえ、その場にいた全員、源之助も三重も、清玄も、頭を上げられず、認められませんでした。

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2010年4月 3日 (土)

『シグルイ』13巻の感想

 漫画『シグルイ』13巻(原作:南條範夫 漫画:山口貴由 秋田書店)の感想を、申します。多少のネタバレを含みますから、ご注意ください。
 徳川忠長の凶状について、述べられます。とられられた、がま剣法の屈木頑之助が、部屋方の女性を食い殺すのを、忠長は珍獣の芸のように見て楽しむのです。そんな頑之助が一方的な思いをよせる、舟木道場の千加は、忠長の閨房に奉仕することになりますが、怪力でならした彼女も、忠長に逆らえません。
 藤木源之助と三重の世話を持て余した、星川(月岡)雪之助は、槍の名手、笹原修三郎に彼らの保護を頼みます。しかし、稽古をつけてもらおうとした前髪の少年に対して、その左手指すべてをたたき切るなど、源之助は容赦しません。
 一方、忠長に気に入られている伊良子清玄は、人食い猿を一太刀でしとめるのですが、その忠長を怒らせかけたため、黒髪が灰色に変じます。
 笹原邸で、源之助は三重と、しばらく静かにすごすのですが、そこにも忠長の暴虐の手が伸びます。同じ牢人者の瓜田夫妻が、江戸からの隠密の濡れ衣を着せられ、よりによって、笹原が槍で殺害します。
 源之助は、自分にも三重にも因縁深い妖刀、「虎殺七丁念仏」を与えられました。それを見つめた後、笹原に稽古を申し出ます。前回は、見事に勝利した笹原でしたが、源之助の木剣を投げつける、おきて破りの秘法に追い詰められ、愕然として怒鳴りますが、源之助は無表情。
 そのように、武技に翻弄され、狂おしく惑う彼らに、忠長は、御前試合にて真剣の使用を命じるのでした。以上。
 
 

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2009年8月23日 (日)

『シグルイ』12巻の感想

 コミックス『シグルイ』(原作:南條範夫 漫画:山口貴由 秋田書店)12巻の感想を申します。ネタバレなので、ご注意下さい。
 12巻は、はっきりサーチしていませんけれども、苦情や不満が多いのではないでしょうか。描かれているエピソードが、本筋の傍流っぽい内容で、詳細に描かれているというより、連載の引き延ばしをはかっているのでは? と、疑いたくなる内容ですからな。そのおかげで、あらすじを紹介するのは楽ですけれども。さあ、毎回申しておりますが、今度こそ、さらっといきますよ。
 徳川忠長の後ろ盾により、昇り詰める伊良子といく。裏腹に、困窮して、さげすまれる藤木と三重。伊良子はかつて、虎眼流の弟子になる前、伊良子清玄という名の町医に骨子術の教えを受けたことがありました。彼は卑劣にも術を極めるや、医者を殺害してその名まで奪い取ったのです。町医の弟子、峻安は伊良子を討つべくして、旅の途中、藤木と出会って勝負となりますが、藤木の“無明”を察して、死んでしまいます。

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2008年9月16日 (火)

『シグルイ』11巻の感想②−「がま剣法」編

 引き続いて、『シグルイ』11巻(原作:南條範夫 漫画:山口貴由)のBパート、「がま剣法」編の感想を申します。ネタバレですから、ご注意下さい。
「がま剣法」編は、伊良子と藤木の闘いを見守っていた、がまに似た異様な風体の男、屈木頑之助が主人公のお話です。シグルイの1、2巻において、舟木兵馬 数馬兄弟は、伊良子と藤木両名に倒されましたが、この舟木家が舞台となっております。

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『シグルイ』11巻の感想①−「無明逆流れ」編

 ずいぶんと遅くなってしまいましたが、『シグルイ』11巻(原作:南條範夫 漫画:山口貴由)の感想です。例によってネタバレですから、ご注意下さい。
 今回は、非常に感想を申しにくい(いきなりかい!)構造なのです。つまり、A.藤木と三重による「無明逆流れ」→B.屈木頑之助が主人公の「がま剣法」→A'.藤木と三重のエピソード続編となっているのです。それから、ちょいと脱線しますが、今回、伊良子の登場は表紙と次回予告のみ。 伊良子ファンよ、怒れ! ・・・・って、冗談ですが。
 よって、混乱を避けるために、「無明逆流れ」編と「がま剣法」編、別個にあらすじを紹介した上で、感想を述べます。

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2008年2月25日 (月)

シグルイ10巻の感想

 昨日、問題の本を読了しました。ネタバレですよ。ご注意下さい。
 感想は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すごかったです。
 と、いうのではいけませんか? すみません。でも、インパクトのある表現物って、言葉を失いますよね。
 伊良子対牛股の最終決着です。加えて、失明したばかりの伊良子の狂ったような修行と、必死に支える、いくの姿という過去話(ここまで尽くすとは、かなり不気味。彼女もまた、愛という名の狂乱にいるようです)。死んだはずの牛股が復活し、さすがの伊良子も窮地に立たされる。瀬戸際で打ち倒したものの、伊良子は自ら右足を負傷する。こうして、岩本虎眼派の者は、左腕を失った藤木と、虎眼の一人娘、三重しかいなくなった、というお話です。

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