アニメ・コミック

2021年7月13日 (火)

『まかない君』全6巻(西川魯介・白泉社)の感想

 コミック『まかない君』全6巻(西川魯介・白泉社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 こちらはジャンル的には、料理漫画というか、飯テロものといいましょうか。私の持っている単行本には、1巻の表記がないのですが、好評だったのでしょうね。
 主人公は、大学生の浩平で、彼が、キャリアウーマンの凛、小説家の佳乃、同じく大学生の弥生という、三人の従妹達の食事係になって、得意の料理の腕をふるう、というもの。3巻から、浩平の後輩、郷古ひとみが登場して弥生と仲良くなり(ちょっと百合っぽい)、彼女の他に、凛や佳乃の料理話も出てきます。が、大半は浩平が昼食、夕食、夜食、おやつまで、忙しい、もしくは、料理下手の弥生に代わって、まかない君になる、というわけです。
 ほぼ一話完結で、浩平と弥生は1巻からして、仲の良いいとこ同士以上のような、親分子分のような、微妙な関係ですが、直接的なエロ要素はないと言っていいでしょう。
 あと、作者様の持ち味でもあるのですが、凛を除いて、全員メガネをかけています。だから、メガネ嫌いさんには、お勧めできない、かな? ←いるのでしょうかね、そういう人(自主ツッコミ)。
 設定はハーレム的ですが、先に申したとおり、エロくはありませぬ。
 それに、浩平の手伝いをする弥生が、女子大生にしては、ちと幼すぎるのではないかと思います。
 聞いたことのない素材を使って、ものすごい料理テクを披露する、といった、有名料理漫画の特徴もありませぬ。
 ひたすら、浩平は、従姉達のリクエストに応えて、身近な食材をふんだんに使い、おいしそうな料理をつくり、彼女達は、「おいしい」と言いながら、それにまつわる意見やウンチクを述べたり、嘘八百話で弥生をからかってみせたりする、そういうストーリーが最後まで続きます。
 そのようなわけで、ツッコミどころ満載なのでしょうが、私はこの漫画がとても好きです。

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2021年6月30日 (水)

『霊圧の匣 強制除霊師・斎』(小林薫・ぶんか社)の感想

 コミック『霊圧の匣 強制除霊師・斎』(小林薫・ぶんか社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 収録作品は、「わたしの人形はよい人形」「追憶の風景」「生命の芽」「霊圧の匣」「古の記憶」、それから、あとがき漫画です。
 しかし、バツッと、最終回とは記されていませんけれども、本シリーズは、これで終わり? という、少々ショッキングな内容でした。
『ベルセルク』作者様逝去のダメージが、今も残っている私としては、なかなか辛いです。
 それでは、簡単に読後感を述べますね。

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2021年6月24日 (木)

『ジョージ秋山WORLD』(ゴマブックス)の感想

『ジョージ秋山WORLD』(ゴマブックス)の感想を述べます。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 いつもの注意を申しましたが、この本自体がジョージ秋山のネタバレオンパレードです。
 タイトルからすると、評論っぽいですが、作品の紹介、そして作者様自身のインタビュー風制作秘話というか、作品解説が載せられており、それ以外の中身の大半は、代表作が掲載されています。

 パットマンX
 ほらふきドンドン
 銭ゲバ
 アシュラ
 浮浪雲
 花のよたろう
 ピンクのカーテン
 ラブリン・モンロー
 博愛の人
 捨てがたき人々

 以上が挙げられていますが、それでは、いつものとおり、いただけない点について申しましょう。
 少年漫画から青年漫画、ジャンルもギャグから社会派シリアス、時代劇と、よく選ばれたと思いますが、私としては、なおも物足りない気分です。なぜなら、この作者様はムチムチした下半身というか、大腿の表現が上手だと思いますが、そういうエロ物が選ばれていないのが残念です。
 さらに、『銭ゲバ』と『アシュラ』は、私、どちらもまだ読んでいませんが、最終回らしき作品が掲載されていますけれども、いいのでしょうか。超メジャーだし、私も一応内容を知っているから、いい、のかな?

 

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2021年6月15日 (火)

『岡っ引き 天牛 巻之壱』(ジョージ秋山・リイド社)の感想


 コミック「岡っ引き 天牛 巻之壱」(ジョージ秋山・リイド社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 こちらは巻之壱となっていますが、二巻は見つけられませんでした。何らかの事情で、今回で終わり、なのでしょうかね? 残念だなあ。
 一見したところ、ジョージ秋山が原作で、別の漫画家様が描いているのかと思いましたが、ご本人でしたので、驚きました。なかなか、劇画調のタッチです。
 収録されている作品は、すべて短編で、次のとおり。

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2021年6月 8日 (火)

『独眼目明かし 天牛』(ジョージ秋山・朝日ソノラマ文庫)の感想

 コミック「独眼目明かし 天牛」(ジョージ秋山・朝日ソノラマ文庫)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 さて、こちらの漫画文庫のタイトルが、ただの「天牛」で、「独眼目明かし(中略)」となっているのは、中表紙なのです。どうして、こんなことが起こったのでしょうね?
 収録されている作品は、すべて短編で、次のとおり。
 第一話 錆びた十手とひより傘
 第二話 友情無情
 第三話 狂乱地獄
 第四話 柔肌不浄  第五話 お仙恋しや  第六話 釘屋辰五郎  第七話 水清ければ…  第八話 悲しきものは…  第九話 三日月小僧
 

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2021年5月29日 (土)

『ジョージ秋山 時代劇傑作選』(ガイドワークス)の感想

 漫画雑誌『ジョージ秋山 時代劇傑作選』(ガイドワークス)の感想を申します。少々のネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 収録作品は、次のとおり。
 投げゴマ捕物 ぼんくら同心
 男と女の捕物帖 岡っ引ひぐらし
 暮れ六つ同心
 女形気三郎
 独眼目明し捕物帖 天牛

 皆、一話完結っぽい長編なので、暮れ六つ同心は一話、他の作品は二話、収録されていて、平綴じ本ながら、なかなかのボリュームです。購入して、よかったですわ。
 私は、作者様が女性の下半身をエロく描かれるタイプだと知っておりましたから、お尻の描写に大いに期待していました。はい、絵もよかったし、お話も満足です。特に、いい意味で期待を裏切ってもらえました。

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2021年5月 8日 (土)

「赤色エレジー」(林静一・小学館)の感想


 コミック「赤色エレジー」(林静一・小学館)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 こちらは、小学館文庫です。収録されている作品は、次のとおり。

 

 赤色エレジー
 アグマと息子と食えない魂(デビュー作)
 吾が母は
 赤とんぼ
 山姥子守唄
 花ちる町
 桜色の心

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2021年4月 2日 (金)

追記:『どすこいスピリチュアル 事故物件の怪』(漫画:小林薫 原案:TANAKA 大都社)の感想

 前回の『どすこいスピリチュアル 事故物件の怪』(漫画:小林薫 原案:TANAKA 大都社)の感想ですが、もう一つだけ付け加えさせていただきます。

 なぜ、私はこんな大事なことを忘れていたのでしょうね? 確かに、「頭の中のカレンダー」は、怖いお話でしたが、さらに恐ろしく、なおかつ切実なエピソードを紹介し忘れていました。ごめんなさい。
「第25話 コスプレ服の中の手紙」です。
 外国の業者に、衣装代をぼったくられたと思いきや、ポケットの中に入っていた手紙には、現在進行形の恐ろしい事実が……。今、ニュースになっている、ミャンマーや中国の出来事を思い出します。本当に、日本の私達はどうしたらいいのでしょう。どうぞ、世界が、世界中が、平和になりますように。
 読み応えのある内容で、お勧めです。それでは。

 

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2021年3月29日 (月)

『どすこいスピリチュアル 事故物件の怪』(漫画:小林薫 原案:TANAKA 大都社)の

 コミック『どすこいスピリチュアル 事故物件の怪』(漫画:小林薫 原案:TANAKA 大都社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 サブタイトル?は、「心霊ライター・タナカの取材メモ」で、これで三巻目になります。今回も安定した、というより、それ以上の面白さでした。雑食ライターのタナカさんが、本業の取材の合間に、なぜか不思議・怪奇・奇妙なお話を見聞きすることが多く、それらを漫画化したものです。第19話から第27話まで、9話収録されていますが、一部に残酷な絵(損壊系と申しましょうか)が描かれています。それさえ大丈夫なら、かなりお勧めな内容だと、私は思いますね。
 確かに、グロい存在は登場しません。が、よく考えると、想像すると、背筋が寒くなるエピソードはあります。印象的なお話のいくつかを、ご紹介しましょう。

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2021年2月 1日 (月)

『狂人関係』全3巻(上村一夫・集英社)の感想

 漫画文庫『狂人関係』全3巻(上村一夫・集英社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 発行はホーム社で、単行本未収録作品を加えた完全版だそうです。
 お話のメインの登場人物は、葛飾北斎(!)とその末娘で、いわゆる出戻りのお栄、北斎宅に出入りしている、枕絵師の捨八。お栄は捨八に思いを寄せていますが、後に、八百屋の娘お七に彼がちょっかいをかけたことで、面倒な関係になります。北斎は自らの老いと、安藤広重のような優れた才能に焦り、滝沢馬琴に同情し、捨八と下ネタに興じながらも、取り憑かれたように創作に励みます。内縁関係だったお七と捨八でしたが、お七は自らの激しい情念の赴くまま、火付けを行ない、獄門に処されます。父親の気まぐれに翻弄される、お栄でしたが、北斎の死後、思い立って、捨八と関係します。しかし、体の不調を感じたお栄は不安に駆られ、捨八に、すすきの野原が見たいと告げ、二人で出かけるのでした。

 物悲しいラストは、ちょっと申し上げられません。もしかしたら、「私がお栄だったら、そうしない」と、考えられる方もいるでしょう。
 ただ、マイナス点を挙げますと、捨八はお栄にお七と、モテモテ状態なのですが、私にはこいつの(!)どこがいいのか、よくわかりません。悪気はなく、考え方が幼いとは思いますが、虫歯やインキンといったリアルな描写があって、やっぱりヤダ! 母性本能が強い女性には、こういう手のかかる男は、ほっとけないということでしょうか。
 参巻には、「雲古譚」という、お下劣ネタがありますし、北斎はわがままですし、お七は過剰にエロくて、いわゆる、やりまくりだし、滝沢馬琴に蔦谷重三郎と、読んでいると、やり切れないような気分になります。なのに、北斎は創作をあきらめず、お七は炎の魅力に憑かれて、死の瞬間を心待ちにするし、だらしない捨八が真っ当に感じられてしまうほどです。
 紹介すると長くなるので、省略しましたが、有能な絵師達を見出しはしたものの、自身の文才はさえなかった、蔦谷重三郎など、その最期も含めて、ひどく痛ましく思いました。
 加えて、鮭の切り身(焼き鮭?)、夜鷹蕎麦の描写が、とてもおいしそうに見えます。どうしようもない絵師や戯作者達が、美と表現の魔力に狂って、人生をすり減らしていく、愚かしくも悲しいお話です。お七は人生そのものが、芸術かもしれませぬ。お勧めいたします。それでは。

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