書籍・雑誌

2022年12月 4日 (日)

『誰のために愛するか すべてを賭けて生きる才覚』(曽野綾子・青春出版社)の感想

 書籍『誰のために愛するか すべてを賭けて生きる才覚』(曽野綾子・青春出版社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 こちらの本は、以前にご紹介した、『生きるのはひとり その人に生命(いのち)を燃やそうとするとき』(戸川昌子)と同じ出版社で、奥付によりますと、発行時期は、「昭和46年11月15日 第463刷発行」で、当時のベストセラーであったのかもと、私は予想しています。
 内容は、やや恥ずかしいサブタイトルですが、難しい男女関係をいかにうまく乗り切っていくか、というよりも、充実した夫婦関係を維持できるコツを、作者様自身の実例を挙げて著したものです。
 私は現在、この作者様はあまりに右翼的で、かつ上から目線の論調に感じられてならず、さっぱり読まなくなっていたのですが、久しぶりに読んでみて、すんなり、すっきり頭に入り、夫の三浦朱門氏とのやり取りなどが楽しそうに思われました。
 女性著作者が、同性向けに描かれた作品は、かくあれかしとか、こうしなくてはいけない、みたいな説教調ばかりで、タイトルを見ただけで、私はうんざりさせられてきましたが(西原理恵子とか)、この作品は素直さと自然なユーモアがあって、好感が持てます。


 

続きを読む "『誰のために愛するか すべてを賭けて生きる才覚』(曽野綾子・青春出版社)の感想"

| | | コメント (0)

2022年11月19日 (土)

『生きるのはひとり その人に生命(いのち)を燃やそうとするとき』(戸川昌子・青春出版社)の感想

 書籍『生きるのはひとり その人に生命(いのち)を燃やそうとするとき』(戸川昌子・青春出版社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 発行年度が昭和49年と、なかなか年季の入った本です。そして、「その人に(以下略)」が、サブタイトルっぽいのですが、恋愛論というよりも、歌手で小説家である作者様のエッセイです。
 それにしても、「前章1 女が忘れようとしている実感-何が得たいために生きるのか」「中章3 自己愛を持たない自分はダメになる-自分のためにどう考えればいいのか」等々、恋愛に悩む若い女性向けらしく、章タイトルも凝っていますが、やはり、作者様による等身大エッセイです。だから、恋や結婚に悩む方が読むには、拍子抜けするかもしれませぬ。
 でも、私は結構好きです、けれども。
  ↑
(称賛しているのか、批判しているのか、どっちなんだよ←自主ツッコミ)

続きを読む "『生きるのはひとり その人に生命(いのち)を燃やそうとするとき』(戸川昌子・青春出版社)の感想"

| | | コメント (0)

2022年11月 6日 (日)

『図説 日本戦陣作法事典』(笹間良彦・柏書房)の感想

 書籍『図説 日本戦陣作法事典』(笹間良彦・柏書房)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 これは、時代小説の構想や設定を練ったり、戦国時代の背景を考えたりするのに、非常に役立つ資料です。
 説明文はもちろん作者様でしょうが、詳細なイラストも、そうなのでしょうね。
 巻末の合戦用語集(文字ばかり)と八章の軍装(イラストメインで説明少々)を除けば、見開き右ページに説明、左ページが図画と、見やすく、目的の項目を探しやすい、親切構造です。
 だだ、例によっていただけない点を挙げましょう。
 合戦用語集ですが、三段組の細かい字で、使用例として現代語訳でなく、原文を取り上げられていますので、読み辛くて、退屈でした。よく読むと、なかなかおもしろい内容が多かったのですが、これは私の日頃の不勉強ゆえでもあります。
 もう一つ、第二章の着到。奈良時代、源平時代、小田原北条氏までは、すんなりと、興味深く読めます。けれども、「江戸幕府規定の着到「となりますと、二百石、三百石……三万石、四万石、五万石と、読んでいるというより、読む修行を強いられているような……。スケールが大きいこと、必ずしも石高の多さによって人馬や装備も増えていくものではないのは、充分にわかったから! と、私は心の中で叫んでしまいましたよ。
 しかし、難点はこのくらいで、この本は古代から続く、戦い、武士の戦を知る上で、大変参考になると思います。

続きを読む "『図説 日本戦陣作法事典』(笹間良彦・柏書房)の感想"

| | | コメント (0)

2022年10月 9日 (日)

『吉村昭の平家物語』(講談社文庫)の感想

『吉村昭の平家物語』(講談社文庫)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 他に、注意事項として、今回の感想は、かなり辛辣です。日本文学と平家物語に強い思い入れがあって、それを批判するのは許せないという方は、絶対にお勧めできません。そのため、コメントは受け付けない設定にいたしました。ご了承ください。

 あらすじは、もう説明するまでもありませんね。
 私は学生時代、この平家物語の原書をテキストとして学習しましたが、どうにもこうにも退屈で、腹立たしくてなりませんでした。
 いい加減に内容もうろ覚えになっているし、名著として評判のいいこの本なら、きっと感動できるだろうと期待したのですが。
 駄目でした(泣)。
 それでは、いただけない点から参りましょう。

1.戦記物としてなら、超退屈。
 三国志演義や太平記の方が、はるかにおもしろいです。
 前者は、主人公のライバルさえ、何度も命の危機におちいりながら、復活しています。後者は、南朝寄りですが、どちら側にも人格者や問題ある人物、見事な策略を描いています。
 ところが、平家物語では、義経は奇襲ばかりだし、それならば、平家側にも対策があろうはずなのに、どちらも何をしていたのやら。

2.仏教を持ち出して、自殺を美化するな!
 壇ノ浦で、負けた平家側の入水なら、わかります。一族と自らの名を惜しみ、敵に捕らわれて、あざけられたくなかったからですよね。
 しかし、小宰相や維盛の脆弱さには、うんざりいたしました。
 念仏は、極楽へ向かうための方便ではありませぬ。

続きを読む "『吉村昭の平家物語』(講談社文庫)の感想"

| |

2022年6月18日 (土)

『図説 世界未確認生物事典』(笹間良彦・柏書房)の感想

 書籍『図説 世界未確認生物事典』(笹間良彦・柏書房)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 あらすじとしては、タイトルと、ほぼ同じです。ページが三段組で、構成されています。各生物の説明文は、長短様々。ほぼ全ページにわたって、作者様の絵が描かれています。
 最初に、いただけない点を挙げましょう。「未確認生物」というと、ネッシーやビッグ・フットを連想された方が、いらっしゃるでしょう。私もそのタイプです。が、もちろん、現代でも名高い未確認生物についても書かれていますが、ユニコーン、旋亀(鳥の首と、蝮のような長い尾を持つカメ)といった、伝説的生き物、神獣の方が、はるかに多いです。ファンタジー世界の生物というタイトルにした方が、わかりやすいのでは?
 二番目に、作者様が、どういう判断基準で、それぞれの生物を選んだのか、よくわかりませぬ。
 三番目、「水棲類」「湿生・両棲類」「龍蛇類」「鳥類」「獣類」「妖怪・妖精・妖霊」「異形人類」と、7項目に分かれており、目次もあるのですが、巻末索引がありません。だから、レヴィアタン、バシリスクといった、名前だけしかわからない生物は、7ページにわたる項目別の生物名から、一生懸命、探すしかないのです。さらに、それらは、アイオウエオ順にもアルファベット順でもない、不親切仕様です。

続きを読む "『図説 世界未確認生物事典』(笹間良彦・柏書房)の感想"

| | | コメント (0)

2022年6月11日 (土)

『絵で見て納得! 時代劇のウソ・ホント』(笹間良彦 著画・遊子館)の感想

 書籍『絵で見て納得! 時代劇のウソ・ホント』(笹間良彦 著画・遊子館)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 あらすじ(中味)紹介としても、タイトルで言い尽くされていますね。見開き2ページで、一項目ずつ、本当の江戸時代の様相について説明されています。何とっても、右ページが説明文、左ページが作者様のイラスト(プロのイラストレーター様に比べると、ぎこちない線ではありますが、充分にわかりやすいです)と、理解しやすく読みやすい内容です。
 日本史オンチの私が、勉強用に購入したのですが、江戸時代資料としても、なかなか優れているのではないかと思います。

続きを読む "『絵で見て納得! 時代劇のウソ・ホント』(笹間良彦 著画・遊子館)の感想"

| | | コメント (0)

2022年4月29日 (金)

『寝ずの番』(中島らも・講談社文庫)の感想

 小説短編集『寝ずの番』(中島らも・講談社文庫)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 通勤電車の中で読んでいる時、笑いをこらえるのに必死でした。ユニークな小説は少なくありませんが、本当に笑ってしまう、実に希少な内容です。
 収録されているのは、9本。そのうちの「ポッカァーン」のみ、ノンフィクションではないか? と疑われるほど、わかぎえふ、チチ松村と、実在される方が挙げられています。このお二人の特徴について描かれた説明にも、私は吹いてしまいましたよ。とにかく、作者様のふざけに巻きこまれた方々は、大変ですな。
「仔羊ドリー」、語り手の「おれ」と、もうひとり。SFかと思えば、ラストのオチで(笑)。
「黄色いセロファン」、小学生の少年の、ですます文体の語りで、エロいことが語られます。でも、私は、この主人公には引きますけどね。
「グラスの中の眼」、たちの悪い酒飲み男達と、義眼の物語。どんな関連があるの? と思われるでしょうが、やっぱり、とにかく、酒の飲みすぎは怖いというか、恐怖を通り越して、哲学的とも言えましょう。
「逐電」、「お父さんのバックドロップ」を連想しましたが、こちらのお話の方がシビア。アメリカに単身渡った日本プロレスラーが、無茶な相手(人間にあらず)と対戦させられます。日本のプロレス界の歴史にも触れており、興味深いです。

続きを読む "『寝ずの番』(中島らも・講談社文庫)の感想"

| | | コメント (0)

2022年4月10日 (日)

『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』(中島らも・集英社文庫)の感想

『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』(中島らも・集英社文庫)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 私はこの作者様の作品が好きなので、久しぶりに読んでみましたが、やっぱり、おもしろかったです。
 内容&あらすじを紹介いたしますと、作者様が、かの超有名進学校、灘校ですごした日々と、浪人時代、大阪芸術大学での生活をつづったエッセイです。
 しかしながら、時代は60年代後半から70年代で、学生運動が活発ですから、作者様ものんびりしていられません。
 トップクラスで灘高に入学したのに、個性的な学友と時代に翻弄されて、成績は、あれよあれよで、どん底に。
 浪人で勉強どころか、怪しげな喫茶店に入り浸り。
 入学できる大学がないと、慌てて、大阪芸術大学にすべりこんだはいいけれども、やりたいことが見つからない、奇妙な不完全燃焼状態になりながらも、学生結婚をし、辛うじて就職、というところで終わっています。
「あとがき」で、作者様が述べておられるとおり、この作品は、前半の大笑いしそうな奇想天外な明るさが、後半、なぜ? と、首をかしげたくなるほど暗く、深刻な雰囲気になります。
 いわゆる学生時代というのは、明るく楽しく、思い出深いはずなのに。「モラトリアムの闇」という、1~7まで続く長い章で、その悶々とした心の内が語られています。

続きを読む "『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』(中島らも・集英社文庫)の感想"

| | | コメント (0)

2022年4月 3日 (日)

『「やっかいな人」から身を守る85のコツ』(植西聰・電波社)の感想

 書籍『「やっかいな人」から身を守る85のコツ』(植西聰・電波社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 また、今回、辛辣な感想なので、作者様やそのファンの方は、お勧めできません。

 このタイトルの本を選んで読んだ私には、もちろん、職場の人間関係で悩んでいるからです。
 いくらか参考になるか、あるいは、解決になるかと思って、読み始めましたが。
 残念ながら、期待外れに終わりました。
 その理由については、後で申し上げます。
 内容というか、あらすじ的には、職場によくいる13タイプの困った性格の人々に対して、どのような心持ち、対処法でいるべきかを、見開き2ページごとに1項目で説明されています。
 難解な専門用語は、ありませんでしたし、一文ごとに改行されているため、すいすい読めて、わかりやすいです。
 200ページ越えの割に、早く読めますし、恐らく、トラブルの種になる人の性格をほぼ網羅しているのではないかと思います。

続きを読む "『「やっかいな人」から身を守る85のコツ』(植西聰・電波社)の感想"

| | | コメント (0)

2022年3月28日 (月)

『一生お金に困らない お金ベスト100』(萩原博子・ダイヤモンド社)の感想

 書籍『一生お金に困らない お金ベスト100』(萩原博子・ダイヤモンド社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 以前に読んだ本がわかりやすく、今回はまた、タイトルに惹かれましたので、購入しました。
 あらすじというか、内容にあたる章タイトルを挙げますと、次のとおり。

  第1章「ズボラ」さん向けお金ベスト10
  第2章「節約系」お金ベスト10
  第3章「キャッシュレス」お金ベスト10
  第4章「臆病」さん向けお金ベスト10
  第5章「パート・主婦」向けお金ベスト10
  第6章「おひとりさま」向けお金ベスト10
  第7章「もしものときの」お金ベスト10
  第8章「やってはいけない」お金ベスト10
  第9章「20代」向けお金ベスト10
  第10章「60代」向けお金ベスト10

 このように、1章ごとにお勧めのお金の増やし方、出費リスクの減らし方などを、見開き2ページで解説されているため、「ベスト100」というタイトルになっているわけです。
 ただし、第7章と第8章は、他と明らかに異なっています。前者は金銭的な大ピンチを、なるべく少ないダメージで切り抜ける方法について、後者は、これらの方法による資産運用の、リスクの高さについて述べられています。
 しかも、この第8章は、誰もが一度は見聞きしたことのある、リボ払い、保険、iDeCo、NISAですから、作者様は大胆ですねえ。

続きを読む "『一生お金に困らない お金ベスト100』(萩原博子・ダイヤモンド社)の感想"

| | | コメント (0)

より以前の記事一覧