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2024年1月13日 (土)

『ガミアニ伯夫人』(アルフレッド・ド・ミュッセ 須賀慣/訳 富士見ロマン文庫 No.11)の感想

 書籍『ガミアニ伯夫人』(アルフレッド・ド・ミュッセ 須賀慣/訳 富士見ロマン文庫 No.11)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 何と、この本は巻末の翻訳者様(恐らく)の解説によりますと、フランスのロマン派詩人、ミュッセの描いた好色文学、もとい、官能小説の古典です。さぞや、表現も慣習も現実離れ&現代離れ(?)していて、読みにくいだろうなと、私は危ぶんでおりましたが、とんでもない間違いでした。
 ミュッセと翻訳者様に、精神的土下座をさせていただきます。
 実は、前回レビューした、ヘンリー・ミラーの『オプス・ピストルム』よりもエロくて、さらにおもしろくて、楽しませてもらいました。
 ただ、いただけない点がありまして、この本、実は2部構成なのです。前半は、『ガミアニ伯夫人』なのですが、後半は、『美女ジュリアの手記』(アンドレア・ド・ネルシア)となっており、まったくの別作品です。いいえ、別にいいのですが、表紙には、後者のタイトルさえも載っていないのに、中表紙にようやく、『ガミアニ伯夫人 他一篇』と、印刷されています。
 加えて、巻末の富士見ロマン文庫シリーズ紹介では、最後のページはタイトルしかないし……。
 さらに、『ガミアニ伯夫人』には、むっちりぽっちゃりの、古典的美女満載の刺激的な挿絵がいくつか載っていて、視覚的にもかなり楽しませてくれるにも関わらず、画家かイラストレーター様の名前、出典など不明なまま、私が惜しがっておりますと、これもまた解説に、20世紀初頭にパリで出版された、ブリュッセル版の復刻版で、ドヴェリアという画家様のものだそうです。
 内容はいいのですが、不親切仕様ですなあ。

 それでは、まず、『美女ジュリアの手記』(アンドレア・ド・ネルシア)の感想を申しましょう。修道院で女性同士の関係を知ったジュリアは、その美貌ゆえ、男性が放っておきません。修道院と小父夫婦から逃れ、様々な男性と経験を重ね、ついには、理想の男性器を持つ、すばらしい男性と結ばれるのでした。
 巻末の解説ではほめられていますが、私はちっともおもしろくありませんでした。女の子の好きなおとぎ話に、官能要素をプラスしただけだからです。

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2023年12月28日 (木)

『生贄』(ジョルジュ・バタイユ 生田耕作/訳 奢灞都館)の感想

 書籍『生贄』(ジョルジュ・バタイユ 生田耕作/訳 奢灞都館)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
   発行が1999年12月です。さらに、巻末の「編集部より」という解説では、この本は、先に『供儀』の表題で『バタイユ著作集-眼球譚他』(1971年4月 二見書房)に収録されていたものの全面改訳版だそうです。1983年頃に改訳がなされたはずですが、翻訳者様が亡くなり、その書斎からこの「決定稿」が発見され、刊行されたそうです。とても思い入れの強い作品なのですね。
 まあ、奢灞都館の出版物は、装丁や挿絵にこだわった、中古であっても高額本というイメージなのですが、わが好奇心は抑えられず、購入したようです。実は、私も思えていないくらいの以前、なのですが。
 さて、一読。作品の内容を紹介いたしますと、実存主義哲学っぽいエッセイです。はっきり申し上げて、難解です。小難しい用語が、これでもかと、出てきます。50ページに及ばない短編でしたから、私はギリギリ眠くならずにすみました(ごめんなさい)。


 

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2023年12月 2日 (土)

『オプス・ピストルム ’30年代パリの性的自画像』(ヘンリー・ミラー 田村隆一/訳 富士見ロマン文庫 No.89)の感想

 書籍『オプス・ピストルム ’30年代パリの性的自画像』(ヘンリー・ミラー 田村隆一/訳 富士見ロマン文庫 No.89)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 前回の『エロティックな七分間』の読書記録を、さらに悪く更新してしまいましたよ。一ヶ月近くかかってしまいました。反省。
 確かに、この『オプス・ピストルム』も似たところはありますが、私はこちらの方がずっと読みやすく、魅力的だと思います。

 あらすじを説明しますと、主人公は、駆け出しっぽいアメリカ男性新聞記者のアーフ。今風に言うなら、フリージャーナリストか、フリーエディターのような気がします。社員として働いているにしては、自由時間が多そうに感じましたので。
 そのアーフが一人称で、パリで味わったエロティックな体験を、時系列順に描いた小説です。アメリカ人は、パリに、フリーセックスのイメージを持っているのでしょうかね?
 これまた、『エロティックな七分間』の感想どダブるのですが、エイズの恐怖のない古き良き時代の、見境なしセックスを謳歌している雰囲気です。
 では、どこが『エロティックな七分間』とは違うのか、というと。







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2023年11月28日 (火)

『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり/訳 岩波現代文庫)の感想・その4

 書籍『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり/訳 岩波現代文庫)の感想・その4を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

6)女の敵は女-罵声
 クラヴヂア・S(狙撃兵)P367によれば、勝利して祖国へ帰ってきたところ、女たちから、「戦地のあばずれ、戦争の雌犬め……」と、さんざん侮辱を受けたそうです。普通に結婚し母親となっても、罪悪感(PTSDでしょうか?)がつきまといます。夫は出ていく時、「まともな女なら、戦争なんか行かないさ。(中略)だからまともな赤ん坊を生めないんだ」と、非難したということです。

7)女の敵は女-母親さえも
 クラヴチヤ・グリゴリエヴナ・クローヒナ(上級軍曹)はP52で、戦線から戻れたものの、二十一歳にして白髪、脳挫傷があって片耳がよく聞こえません。そんな彼女に、母は、「もし負傷するくらいなら殺してしまってください、女の子が不具にならないように」と、真剣に祈っていたと、打ち明けます。彼女の放心した表情が、目に浮かびます。

 他にも印象的なこと、衝撃的な出来事はあったと思うのですが、私は探しきれませんでした。すみません。
 しかしながら、これらのエピソード以外にも、息をのみ、胸が熱くなるような証言が、数えきれないほどに存在しているからです。
 この作品は、私のお気に入り本として、仕事部屋に置いて、時々読むようにしておりますので、また何か取り上げたいことが見つかりましたら、「追記」という形でアップさせていただきます。

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2023年11月25日 (土)

『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり/訳 岩波現代文庫)の感想・その3

 書籍『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり/訳 岩波現代文庫)の感想・その3を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 それでは、独ソ戦の時系列に少しばかり沿った形で、私なりの感想を記してまいります。
 まず、女性達は、「母なる祖国は呼ぶ」という兵士募集ポスターに応じたり、あるいは、家族や村をファシストから守ろうと決意したり、ドイツ軍に殺された身内の敵を討つべく、志願して入隊したわけです。そういう彼女達に待っていたのは。

1)慣れない軍隊生活
 男性しかいなかった軍隊に、女性向けの装備や生活様式は、備わっていませんでした。女性全員が、がばがばした、男のものパンツをはいていたと、ローラ・アフメートワは笑いながら証言しましたが(P124)、こちらは笑えません。
 気晴らしのつもりで、かわいい服を着たり、髪に花を飾ったりすると、男性兵士から𠮟りつけられたそうです。

2)残酷なドイツ軍
 以前から、「地獄の独ソ戦」と、知っていたつもりでしたが、ここまでやるのかと、絶句しました。
 たとえば、タマーラ・ステパノヴナ・ウムニャギナ(赤軍伍長)P454 によると、三歳から四歳の子供たちを列車から放り出し、森へ走って逃げる彼らを、ドイツ軍の戦車が押しつぶしていきました。
 ワレンチーナ・ミハイロヴナ・イリケーヴィチ(パルチザン)は、五人の子供を失った女性を、P380で語りました。四人がドイツ兵に銃殺され、最後に残った乳飲み子を、ファシストの手にかかるくらいならばと、自分の手で地面に投げつけて殺し、発狂してしまいました。楽になったどころか、彼女は自分が死人だと思いこんでいるのです。

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2023年11月19日 (日)

『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり/訳 岩波現代文庫)の感想・その2

 書籍『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり/訳 岩波現代文庫)の感想・その2を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 その1で、ちょこっと触れましたが、この本には各章タイトルが、次のようにつけられています。

  人間は戦争よりずっと大きい(執筆日誌一九七八年から一九八五年より)
 (※次からが本文です)
 思い出したくない
 お嬢ちゃんたち、まだねんねじゃないか
 恐怖の臭いと鞄いっぱいのチョコレート菓子
 しきたりと生活
 母のところに戻ったのは私一人だけ……
 わが家には二つの戦争が同居してるの
 受話器は弾丸を発しない
 私たちの褒美は小さなメダルだった
 お人形とライフル
 死について、そして死を前にしたときの驚きについて
 馬や小鳥たちの思い出
 あれは私じゃないわ
 あの目を今でも憶えています
 私たちは銃を撃ってたんじゃない
 特別な石けん「K」と営倉について
 焼き付いた軸受けメタルとロシア式の汚い言葉のこと
 兵隊であることが求められたけれど、かわいい女の子でもいたかった
 甲高い乙女の「ソプラノ」と迷信
 工兵小隊長ってものは二ヶ月しか生きていられないんですよ、お嬢さん方!

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2023年11月18日 (土)

『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり/訳 岩波現代文庫)の感想・その1

 書籍『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり/訳 岩波現代文庫)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 この本は、第二次世界大戦におけるソ連軍の従軍女性達のインタビューをまとめた、ノンフィクションです。彼女達は看護婦や軍医だけでなく、兵士やパルチザンとして、ドイツ軍と戦いました。彼女達の役目は、衛星指導員、電話交換手、洗濯係、運転手、二等兵から将校クラス、地下活動家まで様々で、裏表紙の説明によれば、「五百人以上の従軍女性から聞き取りを」行なったそうです。
 まず、読了した直後の印象としては、私は胸元に銃剣を突きつけられたような、重苦しい衝撃と、ゆっくりと湧き上がる感動で、しばらく放心しておりました。次に、あのページ、このシーンと、さらにインパクトのあるいくつかの証言を探しては読み、また新たな読後感にひたる、それを何度も繰り返しましたね。
 反戦文学といえるのでしょうが、この本と『アンネの日記』に、感覚的なものが共通しているように思われました。前者は戦場での体験、後者は戦争で潜伏しながらの日常生活と、真逆になりそうなのにね。やはり、女性としての視点という意味で共通しているからでしょうか。
 私も少しばかり、太平洋戦争の従軍記録を読みまして、感動したこともあるのですけれども、どこの何という部隊で、どちら方面に行って、このように行軍して……と、前置きが長かったのを覚えております。ところが、この本の証言は、つい先ほど見聞きしたことを、リアルに語っている感じです。戦争体験記として、この本はイメージしやすいなと、思いました。
 しかしながら、いただけないというか、ある種の欠点も持ち合わせているです。取り上げてみますと、次のとおり。


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2023年11月 3日 (金)

『悪の華道を行きましょう』(真冬日・イラスト:やましろ梅太 一迅社)の感想

 書籍『悪の華道を行きましょう』(真冬日・イラスト:やましろ梅太 一迅社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 同タイトル漫画の原作小説です。最近よく見かける、「異世界転生」&「ヒロインが悪役令嬢」ものなのですが、多数派と異なる設定、描き方、お話の構成などで、私は読者としてはもちろん、文章作成側としても、非常におもしろく、あっという間に読めました。
 ただし、表4の説明にあるとおり、こちらは「爽快スッキリラブコメディ」です。スパダリっぽい男性も登場しますが、宰相のキャラクターが強烈ですので、従来どおりのお話を期待される方は驚かれるかと、思います。
 あらすじを簡単に記しましょう。ヒロインはセレスティーヌといい、王太子の元婚約者だったのですが、彼と恋仲になった男爵令嬢にいやがらせをしたために捨てられ、見苦しい外見の宰相と結婚させられます。その式の最中に、セレスティーヌは、ここが学園乙女ゲームの世界で、自分は悪役令嬢であることに気づきます。ここまでは、よくあるパターン。ところが、彼女は、実は、ハゲデブ宰相の容姿が大好きなのでした。宰相もまた、妻をもてあそぶつもりが、セレスティーヌに恋してしまい、絶世の美女とメタボオヤジという、信じられない夫婦が誕生します。
 収録されているのは、次のとおり。

 第一幕 悪の華道を行きましょう
 第二幕 悪の華道を追いましょう
 第三幕 悪の華道を待ちましょう
 第四幕 悪の華道を描きましょう
 第五幕 悪の華道を潰しましょう
 第六幕 百合の華道を進みましょう
 第七幕 悪の華道を燃やしましょう
 第八幕 悪の華道を見守りましょう
 第九幕 悪の華道を贈りましょう
 第十幕 悪の華道を討ちましょう

 第六幕を除いて、よく似たサブタイトル名ですが、緩く続きながらも、ほぼ一話完結です。さらに、宰相は自身の絶大な権力と悪知恵プラス金力によって、敵対する者達を排除や捕縛をしていきます。その協力者が、セレスティーヌというわけで、彼女は、「仕事をこなす旦那様は凛々しくて素敵よ」(第五幕)と、うっとりしています。
 

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2023年10月28日 (土)

『エロティックな七分間』(作者不詳 竹内太郎/訳 富士見ロマン文庫 No.1)の感想

 書籍『エロティックな七分間』(作者不詳 竹内太郎/訳 富士見ロマン文庫 No.1)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
……はぁーっ、読むのにこれほど時間のかかった富士見ロマン文庫は、初めてかもしれませぬ。
 おもしろくない、わけではないのです。ひたすら、読みにくいのです。巻末の解説で、訳者様がこの作品を、「みごとな出来のポーノグラフィ」「最高の部類に属する作品」と、絶賛されておられるのを読み、私は精神的にずっこけました。訳者様、ほめておられる割に、この作品が出版されたいきさつしか、説明しておられず、どこがどう魅力的なのか、わからないではありませんか?
 はっきり申し上げて、これを読んでドキワクするのは、私は難しいと思います。特に、ライトノベルに慣れ親しんだ方には、睡眠導入剤代わりにしかならないでしょう。
 
 主人公は、アメリカ人の絵描きアーティストで、フランスに住んでいる若い女性、キャスリーン。あらすじとしては、「序の序」と題された冒頭で(しかし、10ページ以上あります)、身動きできず、傷ついている状態から、キャスリーンはセックスをし、自らに大きな影響を与えた三人の男性、ロジャー、ポール、ハロルドをメインに、回想し始めます。
 親友のヴァージニア(ジニー)、トルコ人のルネ、美女モーリンとも濃厚に交わるのですが、キャスリーンが本当に愛しているのは、あの三人だけ。その中から、特に選んだ一人は……。

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2023年10月 7日 (土)

『マンマ』(ピエール・ベール 吉野博高/訳 富士見ロマン文庫 No.31)の感想

 書籍『マンマ』(ピエール・ベール 吉野博高/訳 富士見ロマン文庫 No.31)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 250ページほどなのに、私は読了するまで、かなり時間がかかってしまいました。海外のエロティック小説を扱っているとはいえ、このお話は良くも悪くも、純文学のようです。興奮する方は、できるのでしょうが、私にとっては心理小説っぽい感じでした。
 あらすじを説明いたしますと、少年フランソワは、年上の女で情婦(マンマ)たるソニアと別れ、新しい彼女と南方の都市で新生活を始めるべく、夜汽車に乗りこむところから始まります。そうやって、お話は、ソニアとの出会い、深まりゆく肉体関係、彼女のたちの悪いいたずら、他の女性との出会いと交わりと、ほぼ回想シーンで進んでいきます。
 やがて、ソニアと好対照の、純真な女性、アンと知り合い、心身ともに強く結ばれるのですが、そのこともソニアに発覚してしまいます。細かい事情を聞き、ソニアは逆上するどころか、フランソアの出発の手伝いをし、駅で見送りさえするのです。後腐れなく別れられて、フランソアは安心するのですが、途中の駅で停車している間に、愛していたはずのアンに対して、心が冷えていくのを感じる一方、ソニアへの思いは……。
 

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