pixiv系お知らせ~ブルー・シリーズ完結編『夢伝説』(前)(後)&『小説 怪少年ジュン』、両方とも完成しました!

 庵京小説シリーズ「ブルー・シリーズ」は、未完で終わっておりましたが、昨日、pixivに完結編『夢伝説』をアップできました。

 毎度のことながら、遅くなって、すみません。
 今までの伏線の謎解きを、あらすじ紹介っぽく作成する予定でしたが、やはり、どうせならシンプルな形でも小説がいいと、欲を出した挙句、いっそう時間がかかってしまいました。
 それでも、幸せそうな彼らが描けて、楽しかったです。

 さらに追加情報として、4月7日のブログで二次創作として、ノベライズしてみたいと、希望しておりました『怪少年ジュン』ですが、7月6日にpixivにて、『小説 怪少年ジュン「熱い雨」』というタイトルでアップできました! 小説6月投稿企画「Rain Rain Rain2024」に初参加させていただく形です。ありがとうございます! 遅筆な私にしては、仰天の早さでした。ジュンと、彼の運命を決定する、異星人の女性とのお話で、何と普通の男女の恋愛もの! その上、全年齢向けのお話になっています。
「紅林って、ボーイズラブか、やおいものしか書かないのでは?」と、思われた方、実は、私の同人誌デビューと2作目は、男女の恋バナだったのです。どうして、今の作風になったのでしょうね? 自分でも、不思議です。


 興味をお持ちの方は、こちらへどうぞ。⇒ pixiv10774108

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2025年2月 8日 (土)

『雑兵めし物語』3巻(重野なおき・竹書房)の感想

 四コマ漫画『雑兵めし物語』3巻(重野なおき・竹書房)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 私は、同時発売だったこの本と、『殺っちゃえ!!  宇喜多さん』2巻、『信長の忍び』22巻を、続けて読んだのですが、一番感動しました。

 あらすじを説明いたしましょう。
 作兵衛と豆助は、武田軍と対峙しようとする、小笠原長時の林城に到着し、出番を待ちます。が、武田軍は佐久平へ向かったため、戦は中止になりますけれども、作兵衛達もおこぼれ目当てで、佐久平へ。村上氏側の城に滞在し、やがて、武田軍が隙をねらったかのように強襲。雑兵達が逃げ惑う乱戦の中、作兵衛は偶然、一丁の鉄砲を入手して行商人に買い取ってもらえましたが、ぼったくりの安値でした。
 無事に、作兵衛と豆助は、つるの待つ村へ戻って来ます。作兵衛は、村の住職、通称ヒゲダルマから、年貢取り立ての件で村人と、領主の山家昌治がもめていることを知らされます。例年通りの年貢ならば、餓死してしまうと、村人達は強訴、逃散と全力で抵抗し、ついに山家を折れさせました。
 ほっとしたのも、つかの間、作兵衛は、村長から、砦=小屋が、二十人もの山賊に占拠され、しかも※麦を要求して村人を襲うと脅迫してきたと、話します。そこで、作兵衛を山賊討伐の大将になるよう、頼んできて、しぶしぶ、作兵衛は承知します。
 作兵衛は豆助を供にして、山賊達の様子をさぐるうちに、彼らの中に一人、みすぼらしく生気のない表情ながらも、雑用をこなしている美少女を見つけます。作兵衛は、彼女と話をし、砦の内から裏門を開けるように頼みます。
 決戦の日、少女は実行寸前、山賊の一人に見つかってしまいました。彼女は槍で突かれかけますが、逆に相手を斬り殺します。ヒゲダルマや、つるの取り巻きのオッサン三人組の活躍もあって、村人達は山賊を倒します。少女の名は、なつめといい、忍びでした。つるは、なつめに、「新しい自分になれる」と、言ってはげまします。責任を果たした作兵衛は、思わず、その場で倒れて気絶します。
 翌朝、家で気がついた作兵衛は、戦の過程を思い出した後、質素な朝食を味わいますが、我知らず、その美味さに涙を流すのでした。

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2025年2月 1日 (土)

『ブルーエンジェル・ナイト』(マルガレーテ・フォン・ファルケンジ 赤城元/訳 富士見ロマン文庫 No.121)の感想

 書籍『ブルーエンジェル・ナイト』(マルガレーテ・フォン・ファルケンジ 赤城元/訳 富士見ロマン文庫 No.121)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 そろそろ、富士見ロマン文庫も卒業かな? と、思っていた矢先に、このようなエロおもしろいお話に出会えるとは、ラッキーです。

 簡単に、あらすじを説明いたしましょう。
 主人公は、裕福な23歳の青年、マンフレッド・フォン・クラウゼンベルク。彼が、様々な女性と、異なるシチュエーションで、おもしろおかしくセックスをして楽しんでしまう、た10の短編小説集です。別々の物語に、同じ人物が登場してくることもあり、各話は緩くつながっていますが、どこから読んでも、支障はないようです。いわば、マンフレッドは狂言回しのような存在ですね。
 マンフレッドがラッキーすけべに恵まれ、ヒロイン達も絶頂感を味わえて、Win-Win、という感じの、明るくてすっきりした、他愛のないお話が多いです。
 反面、400ページ近い厚みの割には、軽薄な内容とも言えましょう。
 それに、私だけかもしれませんが、何となく、「やっぱり、白人美女最高!」みたいな、いやな賞賛を感じてしまうのです。
 しかも、この本、「はじめに」と、エゴン・ハースなる人物から序文を載せてあるのですが、翻訳者様の解説は一行もありませぬ。これは、富士見ロマン文庫を読み始めてから、初めてだと、思います。よほど、締め切りが危なかったのでしょうかね?

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2025年1月26日 (日)

『洗礼』全4巻(楳図かずお・小学館文庫)の感想・追記

 コミック『洗礼』全4巻(楳図かずお・小学館文庫)の感想の追記をいたします。いつものように、ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 やはり、おもしろすぎる作品は、追記を書かずにはいられませぬ。

 大まかなストーリーの流れで行くと、『洗礼』は、母娘二人きりの閉塞された心理世界で起こった、愛憎もののようで、作者様にしては、無残さ、流血場面が少ないように感じられますが、なかなか、どうして凄絶です。
 前回、私が最大級のインパクトとして挙げた、「若き日の写真を、さくらへ示すいずみ」がありますけれども、このお話の最大の犠牲者は、ルポライターの波多だと、思います。確かに、彼はゴシップを高く売りつけるのだけが目的の、クズ男のようですが、しかし、殺されてもいいわけではありませぬ。ぼやかされて描かれていますが、恐らく、死んだでしょうね。むごいなあ。
 いや、彼よりも、初めの方で脳の入れ替え手術の実験台になった、犬や猫が、本当に気の毒です。
 このような罪悪を犯した上で、さくらは無事に成人していけるのでしょうか?

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2025年1月25日 (土)

『洗礼』全4巻(楳図かずお・小学館文庫)の感想

 コミック『洗礼』全4巻(楳図かずお・小学館文庫)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 現在、私は、漫画の分野で、楳図かずお沼にはまっているのですが、こちらは本当にすさまじいお話でした。

 あらすじを説明いたしましょう。
 小学校4年の上原さくらは、母と二人暮らし。父親はおらず、母は少々過保護ながらも、不自由なく暮らしていました。
 けれども、ある日、さくらは二階で、頭に大きな穴を開けられた、いくつもの犬や猫の死骸を見つけて、愕然とします。対照的に、妙にはしゃぐ母は、その秘密を明かします。実は、母は若い頃、美貌で名高い女優、若草いずみ。左顔面に大きなあざができたことと、メイクによるしわ、加えて肥満のため、すっかり醜く変わり果てていたのですが、さくらの頭から脳を取り出して、そこへ自分の脳を入れる手術を行なう準備ができたと、告げるのでした。さくらは恐怖して、必死で抵抗し、逃げ出しますが、捕まえられてしまい、恐るべき脳の入れ替えが行なわれてしまいます。
 生まれ変わったさくら(中味はいずみ)は、ありふれた女の幸せを目指すため、担任の谷川教師に目をつけます。が、谷川は子持ちの既婚者であるため、さくらはその妻、和代にねらいを定めます。食中毒の濡れ衣を着せたり、生まれたての赤子をもてあそんだりしますが、谷川の前では無邪気な子供をよそおいます。そのため、和代が懸命にうったえても、夫から信じてもらえず、ついには精神に異常をきたして入院してしまいます。さらに、さくらが別人ではないかと疑っていた、友人の中島も、コンクリートの小部屋に閉じ込めて、ショックで寝込ませます。
 ようやく、念願の幸せを得られたと、有頂天になるさくらでしたが、左顔面にほくろを発見します。谷川と幸福にすごすのと裏腹に、顔はかつての母のあざが再現されてしまいました。動揺しながらも、さくらは再手術を決心します。まず、親友の良子に、いずみだった頃の素性、脳の手術をすべて打ち明け、彼女を恐怖によって支配します。次に、いずみの正体を探ろうとする、ルポライターの波多を、残酷に葬り去ります。そうして、さくらは、主治医の村上に依頼し、谷川の妻、和代と、自分の脳を取り替えようと、もくろみます。しかし、良子や急を聞いて駆けつけた谷川の目には、村上の姿は見えません。そんな折しも、庭の土が盛り上がり始めて、死んだはずの……!

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2025年1月17日 (金)

『ヴィーナスの戯れ』(アナイス・ニン 高見浩・杉崎和子/訳 富士見ロマン文庫 No.100)、『ヴィーナスのためいき』(アナイス・ニン 杉崎和子/訳 富士見ロマン文庫 No.101)の感想

 書籍『ヴィーナスの戯れ』(アナイス・ニン 高見浩・杉崎和子/訳 富士見ロマン文庫 No.100)、『ヴィーナスのためいき』(アナイス・ニン 杉崎和子/訳 富士見ロマン文庫 No.101)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 サブタイトルは、「アナイス・ニンのエロチカ二部作」。今回は、富士見ロマン文庫で初めての、2冊分の感想です。理由は、短編集の割に、あまりおもしろくなかったから、です。

 この2冊が書かれたきっかけは、『ヴィーナスの戯れ』の冒頭のまえがき、アナイス・ニンの日記の抜粋によりますと、生活に困っていた時、ヘンリー・ミラーが持ち込んできたお仕事だったそうです。彼女は、依頼主から、「セックス以外のもの、詩のようなものは切り捨てろ」と、言われて、非常に不愉快に感じる場面からして、このお話は、事実上、始まっているようです。
『ヴィーナスの戯れ』は15の、『ヴィーナスのためいき』は13の短編が収録されていますが、前者は二人の方によって翻訳されていますし、私は割と読みやすいと思った、杉崎和子さんは、なぜか、『ヴイーナスのためいき』巻末のあとがきで、アナイス・ニンが日本びいきであったことを、うれしげに書いておられますけれども、私としては、この作品と関係あるの? と、首をひねってしまいます。翻訳者様が多忙で、発刊スケジュールに間に合いそうになかったから、といった事情があったのでしょうか?


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2025年1月15日 (水)

『オークの樹の下』2巻(漫画:P 原作:Kim Suji 脚色:Seomal ・namu KADOKAWA)の感想

  コミック『オークの樹の下』2巻(漫画:P 原作:Kim Suji 脚色:Seomal ・namu KADOKAWA)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 1巻のように、毒父の虐待の記憶や、旅の道中での怪物の襲撃といった、むごい、または、怖い場面がほぼなく、インターバル回のように感じられるのですが。
 いやいや、どうして、結構、ムフフ、なのです。

 簡単に、あらすじを説明いたしましょう。
 こっそり、訓練の様子を見に来ていたマクシミリアンでしたが、リフタンは目ざとく見つけます。そのまま、一緒に屋上に向かい、城の様子などを語り、今夜の晩餐会に出席するように告げるのでした。
 騎士達を交えての晩餐会で、マクシミリアンは、ヘアスタイルもドレスも変えて参加します。衣装が似合わないと思い、引いていたマクシミリアンでしたが、陽気な雰囲気、明るい会話に安堵し、頬笑んでいたところ、いきなり、リフタンに連れ出されます。寝室で二人きりになると、マクシミリアンは、荒々しく抱かれ、猛然と愛されるのでした。
 しかし、激しい愛を受けたのは、その日だけで、リフタンは領地経営や騎士団の指導で多忙になってしまいます。彼から、好きなように自由に大金を使っていいと、言われていたものの、失望させたくないと思い、マクシミリアンは城の内装を手がけようと、決心します。が、商人とのやりとりはもちろん、貨幣の単位さえわからないマクシミリアンは、へとへとになりました。
 それでも、わずかな時間ながら、リフタンとの触れあいが、マクシミリアンの心の支えでしたが、三日後、彼はルーベン王のもとへ騎士達とともに向かうことになります。三年前に別れた時と違って、ひどく動転するマクシミリアンでしたが、リフタンは存分に、熱い抱擁を与え、「本当に行きたくないな」と言って、出かけるのでした。
 リフタン不在の不安で、体調まで崩したマクシミリアンでしたが、まわりの人々の様子に奮い立ち、領主の妻として、がんばろうと、決心します。魔法使いのルースに、叱られながらも、帳簿のことを教えてもらうのでした。
 そして、マクシミリアンは、庭に枯れたオークがあるのを見、ルースから、英雄ウィグルにまつわる伝説を聞きます。ルースは、その巨木を生き返らせるか、試してみよう、と言うのでした。

 

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2025年1月13日 (月)

今頃、体調不良……

 もうすぐ、喪が明けるのですけれども。 逆に、気が緩んだせいでしょうか、ただ今、体調不良です。 仕事...

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2025年1月 1日 (水)

『神さまの怨結び』3巻(守月史貴・秋田書店)の感想

 コミック『神さまの怨結び』3巻(守月史貴・秋田書店)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 まさか、男性向けの萌え漫画(一見そんな感じ)で、泣かされるとは、思ってもみませんでした……。

 前半の知霧編(完結)、中盤の名無(ナナ)編、後半の鳥羽編(4巻へ続きます)と、分かれていますが、簡単に、あらすじを説明いたしましょう。
 最初の怨結びに関わった櫻が、刑事となって調べに来るなど、いろいろありましたが、知霧は好きになった相手、浦見台をいじめる日根岸らを、消し去ることに成功します。けれども、間もなくして、知霧はすべての縁を失ったため、クラスメートから浦見台にまで、顔も名前も、いたことすらも忘れられてしまいます。彼女が完全に消える寸前、しっかりと抱き止めたのは、折り合いの悪かった、母でした。
 あの白い不気味な少年は、名無と名乗ります。強引に、クビツリを怨結び被害者の会に連れて行き、彼女達が空しく互いの体を求め合う様子を見せつけ、また、早合点して叔父を消した千緒子が、引取先で虐待にあっていることを知らせるのでした。あらためて、クビツリは、怨結びが恐ろしいものだと悟ります。が、幾重にも呪いに縛られた蛇(くちなわ)を解放し、怨結びを終わらせるまで、クビツリは名無にしたがわないと、答えます。逆上した名無は、クビツリを切りつけようとしますが、彼の体を通じて、蛇は、「まがい物」と、罵倒しました。名無は大いにダメージを受けます。櫻はクビツリに追いすがり、消えた稲葉の行方をたずねるものの、「すまぬな」と、蛇は口を濁して去るのでした。
 美術部に所属する鳥羽は、絵を描き終えられない悪癖の持ち主。顧問の男性教師、郷地は苦情を言ううちに、鳥羽が非常にきれいな手であることを見て、大いにほめます。照れくささゆえか、郷地を意識する鳥羽。が、郷地には婚約者がいることを知って動揺し、それが怨結びを呼び寄せてしまいます。郷地と二人きりになるや、鳥羽は、胸をはだけ、大胆に誘惑し、手でもてあそんで、淫らな写真を撮って言うのでした。「もうしばらく……私と遊んでよ♡ センセ……」




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2024年12月30日 (月)

『絢爛たるグランドセーヌ』22巻(Cuvie・秋田書店)の感想

 コミック『絢爛たるグランドセーヌ』22巻(Cuvie・秋田書店)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 21巻の奏は、今までになく、辛そうでした。
 見ている私まで、息苦しいような気分になりましたよ。

 あらすじを説明いたしましょう。
 サマー・パフォーマンスが始まって、ロイヤル・バレエ・スクールの生徒達は、アイリッシュ・ダンス、『パエトーン』『ENCOUNTER』『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』、デフィレなど、5作品の演目を踊ることになりました。異なるタイプばかりで大変そうなのに、奏自身はウキウキ。が、寝落ちに居眠りと、疲労が増していき、さらには、気持ちが高ぶって眠れないために、深夜まで動画を見るなど、快活そうな言動の裏で、次第に無理を重ねていきます。
『パエトーン』で、奏はドキワクする反面、奨学金のためのステップアップにしたいと、気合いを入れます。さらに、寸前で、ニコルズ先生は激励し、エヴリンは、ケレスを食うつもりで自分は踊ると告げ、奏は気を引き締めます。
 そして、始まり。キーラは、奏が難しがっていた振付を、見事に克服していることに、驚かされます。観客は皆、激しく苦悶するケレスを演じる奏の、ダイナミックな踊りに目を見張り、大いに喝采するのでした。
 終わって、精根尽き果てながらも、踊りきれたと、満足していた奏でした、が。
 ニコルズ先生は、真っ正面に立ち、「強い」。つまり、奏の演技が強すぎて、苦しみの表現になっていないと、批判します。解釈違いだったと、奏は愕然としますが、次のホランド・パークで、ちゃんと踊れるように、決心しました。
 しかし、当日の朝、トルスタヤ先生とレベッカが、奏の動きの異常に気づき、医務室に行ったところ、オーバーワークが原因の、足底腱膜炎と診断されます。ジャンプは禁止されたものの、ケレスは踊れると、奏はニコルズ先生に言うのですが、先生はすでに、エヴリンに代役を決定してしまいました。
 奏は、ラ・フィーユ・マル・ガルデに出演できたけれども、パエトーンは、コール・ドゥにも出られず、舞台袖でエヴリンを見ていることに。エヴリンは意外にも、抑制された演技で、奏と正反対。
 寮の部屋で、浮かない顔のエヴリンは、観客の反応が今一歩だったことを気に病んでいました。
 その後、パエトーンの大地の精役に四人が選出されましたが、奏とエヴリンは選ばれず。エヴリンは、アビーに見放されたかも、と言います。スクールの雰囲気や学習レベルの高さ、長い伝統に大いに心打たれている奏は、同調したかのように、「ここに いられなくなるかもしれないのに」と言って、泣いて走り去ってしまいます。


 



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2024年12月28日 (土)

『絢爛たるグランドセーヌ』21巻(Cuvie・秋田書店)の感想

 コミック『絢爛たるグランドセーヌ』21巻(Cuvie・秋田書店)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 ずいぶん間が開いてしまい、すみませんでした。
 今回も、おもしろかったし、感動いたしましたよ!

 あらすじを説明いたしましょう。
 サマー・パフォーマンスは、アビゲイル・ニコルズ振付の『パエトーン』で、「地上にもたらされる大災厄」の抜粋シーンを、ロイヤル・バレエ・スクールの生徒達が踊ることに決定しました。
 何と、奏は地母神ケレス役に選ばれ、他の生徒達は大地の精役を踊ることになったのです。
 ニコルズ先生の期待に応え、奨学金を得るためにも、奏は一心にレッスンに励みます。ニコルズ先生のマンツーマンは、もちろんのこと、ヒメネス、シュタイナーといったプロの踊りも、ニコルズ先生のコネで間近で見聞きし、自分とのレベルの違いを思い知らされます。
 しかも、大災厄に苦悶するケレスの踊りは、奏の得意なジャンプはなく、音楽も独特、パとパのつなぎ、動きもよくわからず、ギクシャク。ニコルズ先生の心配そうな表情によって、さらにプレッシャーを受けます。
 加えて、エヴリンが、必死で努力する奏の様子を見、わくわくした様子で、「私が代わろうか?」と、申し出るため、負けまいと、睡眠時間を削ってまで、イメージ作りを行ないます(ただでさえ、勉強が大変なのに……)。
 そのような最中に、奏はモナコの翔子と電話をして、互いのレッスン内容や今後の抱負を語り、どちらも静かに熱意を燃やすのでした。
 努力の甲斐あって、奏は着々とレベルアップしていき、ケレスの衣装を身につけたラスト近くでは、他の生徒達も目を奪われるほどの魅せる踊りをします。

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