『ほんとにあった怖い話』7月号の感想
愛読している、『ほんとにあった怖い話』の7月号の感想です。相変わらずネタバレですので、ご注意下さい。
今回は買っ得ですよ。巻末に、私達の性格や宿命を左右する、十大主星の求め方が載っているのですから(巻頭の「開縁! 東洋占星学」資料です)。私は、アンアンの鬼谷算命学特集本を読んでいるから、自分の星と配列を知ってますけどね。前回は行動領域の求め方だったし、回を追うごとにこのコーナーは充実してきています。お見事。
「幽界の牢獄」(山本まゆり)、性格に問題ありの友人が自殺し、取り憑いたのを、霊能者寺尾玲子が反省部屋をつくって閉じこめる、というお話です。しかし、人のよさにつけこみ、同情されてほしくて自殺するやつって・・・・いるのでしょうかねえ、やはり。
「彼岸の人々」(高野美香)、こちらは高野さんのお母さんである霊感ママ、ユミさんのエピソードで、シリーズものです。割とほのぼのした後味のよいお話が多いのですが、今回は勝手が違いました。ママは三途の川で苦しむ知人を夢で見、その姉に知らせるのですが、「妹が罪を持っていってくれた」と都合よく解釈し、ろくな供養をしていない。その後、姉と会えなくなったけど、妹は無事に川を渡れたようで・・・・という、こちらも困った人のお話。
一話完結連載の「インナーメディスン」(原案:神楽ゆう 画:堆木庸)は、「胎児の伝言」。いつもながら、胸にしみました。 「私なんか 生まれない方が よかった」、何て悲しい言
葉。「生まれてこないことで 命の尊さを学ぶ こともある」のならば、罪悪感や自責、自己否定の念に責めさいなまれるのも学び・・・・のはず、ないですよね。やはり、無用の罪悪感を乗り越えるべきなのでしょう。それにしても、出会うべき魂は立場や年齢を越えて必ず出会うって、本当に不思議です。
読者体験特集は、「恐怖! 絶叫街道」。ま、読んで字のごとし。自動車やバイクで外出される方は、結構あやしいものを見ていませんか(私もワンオブゼム)。そういう意味では、知人の知人、友人の友人から聞いたことがあるようなお話が多かったです。そりゃあ、私の見たものは、「ちら」程度で、こちらの4話すべて怖いですけど。
さて、怖いという意味で今回のトップは、やはり伊藤三巳華さん! 「呪いの果て」、タイトルからして、うはーっ! これは伊藤さんの二人の友人による、別々の、しかし呪いという同じアイテムで進行していくお話です。一つは水晶占い師の友人が、不倫の恋に悩む女性と関わっていくうちに、水晶に恐ろしいものが見え始める。その得体の知れないもの達は、当人ばかりか占い師にまで牙をむきます。原因は、不倫相手の呪いの人形をしかけたことでした。それを見破った占い師は、恐ろしいもの達から罵声を浴びせられ、水晶玉が割れてしまうのです。もう一つは、霊感の強いさちさんが直面している恐怖。ある友人を視た(霊視?)ところ、恨めしげな顔の人々が大勢。霊媒師は、呪いに見つかったから縁を切れと、言います。さちさんは、しぶしぶ承知するのですが、しばらくして、彼女の息子に異変が。急に倒れて入院し、不可解な行動を取るのです。服を着替えさせた時、蛇が巻きついているようなアザが体中にできていたのでした。ついに、さちさんは、呪いの憑いている友人と、縁を切ることを決意した、というものです。何が怖いって、これ、さちさんのお話はまだ終わっていないのです。伊藤さんも最後のコマで、「正直 私も どこまで関わっていいか わかりません」と、述べておられますから。
呪いって、私は呪う相手はいないのですけれど、やはり怖い! それに、呪いをかけた本人も苦しむし、そばにいる無関係な人々を巻きこむし、実際によくないものですね。さちさんと息子さん、どうぞ無事でいて下さい。伊藤さんも、どうぞこれ以上、怖い出来事にあいませんように。そう願わずにはいられませんでした。
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