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2009年10月13日 (火)

『月刊化石コレクション』no.02の感想

 付録つき科学雑誌、『月刊化石コレクション』no.02(朝日新聞出版)の感想を申します。ネタバレがありますから、ご注意下さい。
 この『月刊化石コレクション』、ネット上の評価を見させていただきましたが、価格が高いせいでしょうか、今一歩ですね。確かに、900~1500円にプライスダウンしてもらうか、それとも薄い本のページを倍々にしていただいた方が、もっと購入する方が増えるかもしれません。しかしながら、私は本の特集が、そのまま手元の化石で確かめられるから、結構快感です。
 ちなみに、no.02に入っている化石は「直角石」と申しまして、約4億5000万年前のオルドビス紀に出現し、約2億年前の三畳紀まで生存した、「オルソセラス」というイカやタコの先祖の細長い殻の部分です。私の手元にあるのは、小指くらいの長さの直角石ですが、中央に重なっている白い殻の線が、なかなかきれいです。
 原始的な生き物といっても、当時は最高の体のしくみをそなえていたのでしょうね。想像図のオルソセラスは、10本くらいの足を持っています。殻はなんと足の長さの何倍もの長さで、ジグザグの模様が走っています。
 

 特集は、「カンブリア大爆発と、多様化への足跡」。約5億4200万年前のカンブリア紀の初めに、突如として、生物が爆発的に、300倍にも増えたことを、「カンブリア大爆発」と呼ぶそうです。カンブリア紀以前にも生物はいましたが、数は少なく、詳細は不明。カンブリア紀の生物は、現在に至るまでの祖先であり、分類上の「門」(例えば、脊索動物門、被子植物門など)がすべてそろったわけです。
 ところが、このカンブリア紀の生物は半端ではありませんでした(泣き笑い)。たとえるなら、芋虫やダンゴ虫に似ているというか・・・・もっとも有名でおおきな「アノマロカリス」は、想像図では、エビのように突き出た目に、下に曲がった大きな二本の触手(?)を持ち、魚のような尾があって、体の側面は何枚ものヒレのようなものが出ていて・・・・言葉ではとても表現しきれません。多くの足に、多くのトゲがあるもの(ハルキゲニア)など、はっきり申して、みんな奇怪な宇宙生物のようです!
 そして、人間を含む脊椎動物のご先祖は、カタイミルス、またはピカイアと呼ばれるものではないか、と考えられているそうです。ピカイアは頭の部分が小さくて平べったい、ナメクジのような生き物で、体をくねらせて泳いでいた、とか(苦笑)。
 古代生命史は謎ばかりで、私も「へえ~」「はあ~」としか言いようがないのですが、どうしてカンブリア大爆発は起こったのでしょうね。きっと、何万もの学者さんが、私と同じ問いを発して、立ち尽くしたでしょう。なんとなく、生命はカンブリア紀に、試作されたように感じられます。そして、現在まで試行錯誤していく形が進化なのでしょうね。
 no.01では、生物が何度も絶滅の危機におちいってきたことに、私はかなりショックを受けましたが、no.02は底知れぬパワーを感じさせました。やはり、地球、といか、生命、というか、生物はすばらしいなと思います。
 次は(もう発売されているのでしょうね)、アンモナイトの特集です。とてもポピュラーなアンモナイトに、どのような特徴、魅力、謎?があるのでしょうか。楽しみです。それでは。

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