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2010年3月22日 (月)

驚愕の事実-またもや『バビル2世』その2

 一体、私は、いつまで『バビル2世』を引きずるつもりでしょうか。別に、悩んでいませんけれども。狂ううちが花なのよ。どうせ狂うなら、堂々と、満開に狂い咲け!
 そういうわけで、ファンの方々にとっては、「今さら」であろう、『バビル2世』に関する私の気づきを述べます。ネタバレ・・・・ではなくて、大しておもしろくも、斬新でもありませんから、ご注意ください。あ、ちなみに、私はバリバリに独善的な人間ですから、独断的な内容ですよ。
・・・・これぞ、横山光輝作品の醍醐味というか、十八番、本領発揮というべきものでしょうか。本当に、私が1、2巻を読み終えて、「設定はいいけど、線が雑。主人公他の顔が気に入らない」と判断して、続きを読むのをやめなくて、よかったなあ! 3巻以降を読まなかったら、漫画読み失格者となるところでした。
 とにかく、私は、『バビル2世』(横山光輝・秋田書店)豪華愛蔵本、3、4巻を読了して、しばし呆然としておりました。なぜなら。

 3、4巻は揺るぎのない、鉄壁のストーリーをベースに、怒涛の展開が、散弾銃のように、読者に向かって放たれるわけです。バビル2世側のスキルは、バベルの塔を除いて、ほぼ頭打ち。逆に、ヨミ側がスキル・パワーともに、格段にレベルアップ。バビル2世は3巻で1度、4巻では3度も戦闘不能になって倒れます。単に疲れたとか、エネルギー切れどころではなく、あの驚異的再生能力のある彼が、死にかけてしまうのです。1、2巻で、「バビル2世に勝てるやつなんて、いるわけないだろう」と、私は安易に予想していましたから、驚いた!
 では、対するヨミが余裕たっぷりかというと、こちらも何度もピンチにさらされます。死んだかと思えば、生き返りますし! 他の漫画家さんならば、私は、「「死人が復活なんて、そんなのは、どんでん返しじゃない。安直すぎる!」と、文句を言うでしょう。ツッコミどころも、相変わらずあります。
 それでも、私の心の声を封じるほど、「息つく暇もない、スピーディーでパワフルな」展開や演出は・・・・あるのですね、確かに、現実に! 『バビル2世』という漫画作品において!
 久しぶりに、「我を忘れて」読みふける体験をさせていただきましたが、横山光輝さんの作品の魅力の秘密を、やーっと見つけましたよ。
 それは、動きのある絵、アクションシーンがリアルで、わかりやすく、臨場感がある、ということです。動きはあるけど、何がなんだかわからない、迫力はあるがリアルじゃない、わかりやすいけど迫力が欠ける等、昔から、少年漫画を含めた男性向け漫画家さんが苦労しておられる動きのある絵を、横山さんは天才レベルで描いておられるのではないかと、私は思います。多くのコマ、表紙絵が、そのままライトノベル等のイラストに転用できそうほど、生き生きと描かれていたのが、その理由です。参考に、横山さんによる三国志の表紙を見ていましたが、派手な甲冑をまとった英傑が馬に乗って闘うという、並みの画力ではできない難解なシーンを、躍動感たっぷりに表現されていましたよ。そりゃあ、私は絵を描けないやつですが、脱帽です、横山光輝さん。
 ところで、横山さんのリアルで臨場感のある絵には、構成がかっちりしているように、私には感じられます。これが鉄壁のストーリーとあいまって、「夢中で読ませる」パワーを生み出しているのではないでしょうか。横山さんの人となりにも、関係があるかもしれませんね。それでは。

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