『ヤングチャンピオン』2010年№8に載っていた『バビル2世 ザ・リターナー』の感想、というよりツッコミ
長いタイトル・・・・そういうわけで、ヤングチャンピオン2010年№8に掲載されていた、『バビル2世 ザ・リターナー』(原作:横山光輝 漫画:野口賢)について感想、というより、ツッコミを入れます。ネタバレはありますし、真面目なバビル2世および野口賢さんのファンの方には不愉快な内容かと思いますので、読むのをおやめになった方がいいですよ。
さて、ヤングチャンピオンでは例によって、アンケートつきの懸賞がありますよね。アンケートというと、胸がうずき、書かずにはいられない私です。ええ、書いて送りますとも。西田麻衣ちゃんのクオカード、当たればいいな。アンケート2.「今号一番つまらなかった作品」として、作品リストから、記号「け」を選んでやりましょう。「け」、つまり、『バビル2世 ザ・リターナー』ですよ!
昨夜、ダンナに無理矢理、読ませて感想をたずねました。「まだ話が読めん。感想も何も、ようわからん」とのこと。優しいね。「異常反響。世代を越えた。」とか、「圧倒的スケール」とか、宣伝文句がありますけれども、どこをどう読めば、そう感じられるのでしょうか? 私が鈍いのでしょうけどね。「け」っ。
私が一番不満だったのが、一番衝撃的であろう、アメリカ軍ヘリによって被弾し、少年の左腕が吹き飛ぶ見開き2ページと、以降の展開。あっという間に再生してくれたので、つまらなーい! ロデムの急速な軟体化による反撃は、巨大な黒いパラソルにしか見えない。
女性の登場率が高い! しかも、冒頭の女子アナのしゃべり方からして、アホ臭い。「臨時ニュースです」の一言くらい、言えないのか! 女性レポーター、安全な中継ヘリから、「これは戦争です」「断じて許せません」なんて、ヒステリックに生中継していないで、救急車の一台でも呼んでやれよ。ラスト1ページ前に登場する、子供二人のいる主婦は、テレビを見て、「ロデム」「浩一君」と、モノローグで語っていたから、彼女は由美子か? だとすると、この少年・・・・。
少年のようで、実は、学生服フェチの20歳過ぎの青年か! すごい、すごすぎ・・・・。しかも、誰にたずねられたのかわからないのに、自分をバビル2世と名乗るあたり、ナルシストですなあ。外見上、暗い、暗すぎる! アメリカ特殊部隊兵士よりも、怪しい! 私なら、絶対に近づきたくありません。原作のバビル2世は、性格が悪くとも、暗くはなかったのになあ。
お口直しに、いい点も述べましょう。少年とアメリカ軍との戦いによって、新宿のビル群が破壊され、銃撃やヘリの墜落、爆発によって、人体が千切れ飛び、大勢の人々が墜落する凄惨な場面が非常にリアルに・・・・いいえ、私はこんな場面を見たいわけではありません!
なぜ、アメリカ軍は少年をねらうのか、本気で殺害するつもりなのか。少年もガチでやり合いたければ、絶海の孤島とかで戦えばいいのに、どうして新宿なのか。少年を101と呼ぶアメリカ軍と、少年自身に、どのような因縁があるのか。そのような、読者がもっとも興味を引かれ、知りたがっている経緯が、第3話目だというのに、さっぱり検討がつかない! もうそろそろ、「大体の事情を察知させる」程度の種明かしをしてもいいでしょうに。
はあぁ、原作を少し知っているだけに、この展開、演出、絵はきついです。原作は伏線を長々と引っ張らずに、スピーディーかつパワフルに進んだのにね。大ゴマを使ったり、斜めに描いたり(でも、ロデムのしっぽが邪魔して、ちとわかりにくい)、野口さんは創意工夫しているのはわかりますよ。しかし、原作者の横山さんならば、急接近するアメリカ軍ヘリ、緊迫した表情の少年、追走するロデム、「よし 今だ」と叫ぶパイロット、ふり返り息をのむ少年、左腕に被弾し「ウワアアァ」と絶叫し、苦しげに顔をゆがめる少年、「ついに 101をやったぞ」と、浮かれるパイロット、低くうなってから軟体化し、逆襲するロデムと、テンポよく、あのわかりやすい表現をしてくれたのでしょうけど。
あー、もう、私、今後の話が大体、予想できますよ。たぶん、バビル2世は、日本の警察からもテロリストとして指名手配されるのでしょう。彼とアメリカ軍の、ショッキングなシーンはあっても、ストーリーは遅々として進まないでしょう。犠牲ばかり増えて、焦ったアメリカ軍は、由美子ファミリーを人質に取って、「101出て来い」って、おびき寄せようとするのではありませんかね?
もう、きりがないので終わりましょう。私のいやな予想が見事にはずれて、「申しわけありませんでした。心から謝罪いたします、野口賢さん!」と、大あやまりして、あらためて感想が述べられることを、祈念いたします。それでは。
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