『うちの妻ってどうでしょう?』1巻の感想
漫画『うちの妻ってどうでしょう?』(福満しげゆき・双葉社)1巻の感想を申します。ネタバレが含まれていますから、ご注意ください。
以前にご紹介した、『ぼくの小規模な失敗』の続編といいたいところですが、出版社は違うし、作風、漫画の形式もガラッと異なっています。たぶん、こちらの方が一般うけするのではないでしょうか。
あらすじ、といっても、あってないようなものですね。先行き不安定な感じの駆け出しの漫画家=語り手の「ぼく」は、作者様と同一人物のように思われます。毎日、こつこつと漫画を描いて、テレビに文句を言ったり、世の中の流行りについていろいろ考えたりする、ぼやき漫才師みたいな人です。そんな平和で単調っぽい生活の中で、いつも身近にいる「妻」。彼女は表紙イラストのとおり、ぽっちゃりとして、いつも笑っているような愛嬌のある人です。ところが、妻は見かけほど穏やかではなく、九州のなまりみたいな暴言を吐くし、涙を流して怒るし、「ぼく」を蹴りつけもします。食べるのが大好きのようで、おいしそうに食べるシーンが多いようです。
一ページに等分の大きさの八コマが描かれているところは、一見四コマ漫画のようですが、エピソード自体は、2コマで終わったり、第4話(P17)は4ページ続きます。一つの話が大体4ページで、いくつかのエピソードが集まって第○話終わり、という形ながらも、エピソードは続いていることもあれば、別個のものの場合もあります。「第4話夫婦ゲンカ」というタイトルはつかず、エピソードが1つ終わるごとに、「『見つけてくれた妻』おわり」(P109)と、結ばれています。これが読み手としても、「あ、そういうオチなのか」とわかって、おもしろいし、独特の味わいがあります。唯一の例外(恐らく・・・・)が第4話で、その結び文句がありません。かなり深刻な夫婦ゲンカだったからでしょうか?
ダンナも私も、この漫画は楽しめましたが、どうやら互いにおもしろさのポイントは異なっている様子。ダンナは完全に、「ぼく」視線で、「一緒に暮らしていると、そういうこと、あるある!」みたいな夫婦漫才っぽく感じているようでしたが、私は、「男って怖い!」「もてない男に限って、グダグダと、女性に注文つけてきやがる」と、男性研究書、男性論を読んでいるみたいな興味深さを覚えたのでした。ダンナは2巻も買ってみたいようでしたが、私は・・・・微妙。そりゃあ、買ってくれれば読みますけどね。
漫画アクションの巻末の漫画としてなら、わずか4ページだし、あっさりさっぱり楽しめますが、何十ページも、ぼやきを読まなければならないのは、私の精神衛生上、いい影響がないでしょう。それでも、ダンナと、ああでもない、こうでもない、「だから、女は・・・・」「いーや、男が悪い!」と、いろいろと、意見を戦わせるという意味では、いいコミュニケーション手段になると思います。お勧めできるかどうか、難しいですが、一度は読む価値があります。それでは。
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