『ほんとにあった怖い話』2010年7月号の感想
『ほんとにあった怖い話』(朝日新聞社)2010年7月号の感想を申します。ネタバレを含みますので、ご注意ください。
今回は人気シリーズの『魔百合の恐怖報告』と『霊感お嬢・天宮視子』が一緒に掲載されているという、オールドファンにも初めての方にも安心、というお得な仕様です(笑)。怖さの度合いは、異様な霊の姿はあまりないのですが、身近である分、作中で描かれた霊体験を持つ方は少なくないと思いますので、リアル度ではかなり恐ろしいかもしれません。巻頭から、蛇の呪力や神威についての特集で、1枚だけ白蛇(広島県岩国市の白蛇)の写真も載っていますから、蛇が苦手な方も注意した方がいいかもしれません。
では、早速、『魔百合の恐怖報告−死を呼ぶ手紙−』(山本まゆり)は、自殺した人に同情しすぎてしまい、相談者の命も危うくなった、というお話。強すぎる思い入れがよくないのは、どんな場合も同じでしょうか。『霊感お嬢・天宮視子−飛べないこころ−』(ひとみ翔)は、前世の厳しい生活や挫折感のために、普通の女の幸せや生き方を肯定できず、罪悪感に苦しむ女性のこと。このような場合は、霊能者の方に相談しなければいけないのなら、どうして私達の大半は、前世を忘れてしまうのでしょう? 忘れることにも、意味があるのでしょうか? 本当に、前世はあるのですか? ひね紅林は、前世のエピソードが出る度に、頭を抱えてしまうのでした。今なお、その点については答えがわかりませんけどね。
『家庭教師は見た!〜行ってはいけない!〜』(伊藤結花里)、キモダメシ好きのカナエちゃんとその仲間達、いつか、とんでもないことにならないことを祈ります。怖い思いがしたいのなら、『ほん怖』を読もう。金縛りだって、頭が割れそうなほど苦しいものだからね(体験者は語る)。
『禁断の画像』(横嶋やよい)、WEBの画像には、見た者を苦しめ、傷つける、とんでもないものがあるというお話。はっきり覚えていませんが、私も一度、鳥肌が立つようなものを見てしまい、慌てて画面を閉じ、履歴を消して、電源を切ったことがあります。やっぱりね。
読者体験特集は『職場の怪』。『もうひとりの社員』(読者:福岡県 T・Mさん マンガ:さがわれん)が一番怖かったですね。優しげで働き者の先妻の霊が、悪鬼の形相で後妻を恨むようになり、会社が倒産してしまいました。そこまで執着しては、成仏も生まれ変わりもできないだろうに、恨みや憎しみのパワーって恐ろしいですね。どうぞ、皆様も私も、そのようなマイナス感情にとらわれすぎませんように。なかなか、思い知らされるお話でした。それでは。
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