『月刊化石コレクション』no.06の感想
めっさ久しぶりに、『月刊化石コレクション』(朝日新聞出版)no.06の感想を申します。ネタバレがありますから、ご注意ください。
うーん、大好きな化石に関する雑誌であり、おまけの化石までついているというのに、こんなに間があいてしまったのは、生活と気持ちに余裕がないからでしょうね。だからこそ、このような化石、鉱物、貴石や宝石を見ると、なごみますわ。
no.06は、巨大恐竜特集です。添付されている化石は、アメリカ産の竜脚類の恐竜(ブラキオサウルス、マメンチサウルスなど)のもの。私が入手した化石は、茶色で枯れ木のような見本写真とは似ても似つかない、白とこげ茶色のごま塩状になっています。まさか、偽物ではないでしょうが、こんなに見本とかけ離れた化石もありなのでしょうかね?
肉食恐竜の代表格、ティラノザウルスと、もっとも大型で繁栄した植物食のブラキオサウルスが、下半身の恥骨が下向きについているという点に特徴のある、同じ「竜盤類」として分類されているそうです。性質、食性、体格等、一致するところがないのに、不思議です。ちなみに、もう一つの「鳥盤目」に所属する恐竜は、ステゴサウルス、アンキロサウルス、トリケラトプスなどがいて、すべて植物食です。まぎらわしいことに、鳥類は鳥盤目でなく、「竜盤目」の恐竜から進化したものだそうです。
そういうわけで、この本では、竜盤目に属する竜脚類、全長25から30メートル、体重30から80トン、体高およそ10メートルと超大型で、きわめて長い首と尾、植物食で四足歩行をし、体の割に小さな頭に巨大な出っ張りがある、ブラキオサウルスについて細かく述べられています。初心者向けの恐竜図鑑やイラストで、竜脚類の恐竜が、周囲をうかがうかのように、頭を高々と上げているように描かれていることがありますが、首の骨の形からして、それは不可能だそうです。急脚類は、首をぐーんと前に突き出し、小広範囲の植物を食べていたとか。そして、あの巨体をコントロールしていたのが、わずか150グラムの脳なのですって。驚きました! 化石や恐竜に関する本は読んでいたつもりでしたが、新研究が次々に発表されているのですね。もっともっと、恐竜について調べたいです。
それから、ブラキオサウルスの内臓や骨格の秘密、その他の恐竜の羽毛、足跡等の化石から判明することなど、興味深い記事が載っています。コラム『地球史ミステリー研究室』では、岐阜大学教育学部教授の川上紳一さんが、「Tレックスは なぜ巨大化したか?」について、述べられています。ティラノサウルス類は、1年間に、およそ114kgから180kgと、大きく成長していますが、ティラノサウルスは、767kgと、堂々のトップ。獲物を狩るのに不自由であろうに、なぜTレックスは巨大化したのか、それは今も謎だそうですが、私は、ブラキオサウルスのような超巨大恐竜を狩るためではないか? とシンプルに考えています。
化石として残るような、固い卵を生み出したのは恐竜、鳥類と近い関係にある恐竜。古生物学は、新しい化石が発見されると、今までの定説さえもが、くつがえされるパターンがありますよね? これぞ、古生物学の魅力、化石のすばらしさゆえに、この化石コレクションは、全12号をそろえてみるつもりです。ああ、化石はロマンですわ。それでは。
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