『ほんとにあった怖い話ー霊障ファイル・呪いの一品特集号』の感想
去年の12月に発売されて、冬コミにも持参したコンビニ専用本『ほんとにあった怖い話ー霊障ファイル・呪いの一品特集号』(朝日新聞出版)の感想を申します。ネタバレがありますので、ご注意ください。
今回は、高野美香さんのお母様の体験談、霊感ママシリーズが2本、掲載されています。怖いエピソードよりも、ママの穏やかで優しい人柄に独特の味わいがありますから、初心者の方にお勧めです。あ、でも、『ほんとにあった怖い話』はなくなって、24日に新雑誌『HONKOWA』が創刊されたのですね。この記事のカテゴリーに、『ほんとにあった怖い話』を使うのも、これがラストですか。私としては、ちょっと寂しいですな。『HONKOWA』って、何の意味かわからないし、ローマ字読みは面倒ですから。
とにかく、今回は怖い品々のお話です。掲載されたうち、3本、『白衣の堕天使』(山本まゆり)、読者体験談の『机』(鯛夢)と『執着忌物』(水月まな)は既読でしたが、怖いものは何度読んでも怖い! 『机』のように、故人が愛用していたものは持つべきではないし、『執着忌引物』を読めば、妙な動きを見せる品物には手を出すべきではない、ということがわかります。
『七色奇譚』(七色虹子)、霊感ママシリーズの『高野家への客人』、『石(Stones)』(小林薫)には、パワーストーンのエピソードが入っていますが、タイトルそのものからしてズバリ! の、『石(Stones)』は、ワタシ的ベストです。
『石』は、影御前シリーズなのですが、このお話に御前はあまり登場しませぬ。もう一人の主人公である、小林薫さんの友人兼霊感アシスタントの、桐生さんの体験談がメインになっています。特に、桐生さんから語られる、パワーストーンの選び方、お手入れの方法、つき合い方は非常に参考になりました。パワーストーンファンの方、貴石宝石に限らず、石好きの方には役立ちますし、「石ってすばらしい!」という意志、いや、自信や誇りを持てるのではないでしょうか。ただ! 後半のエピソードがものすごく怖い! 顔がつぶれている悪霊? が桐生さんにせまってきます。もちろん、桐生さんに何の落ち度もありませんが、悪霊は容赦なしです。結局、彼女はパワーストーンの力と、イメージ力? を使って? そいつを撃退できましたが、霊感のない人間には難しいかも。悪霊はやはり怖いと思う反面、パワーストーンはありがたいし、すばらしいなと思います。それでは。
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