『ベルセルク』36巻(三浦建太郎)の感想
漫画『ベルセルク』36巻(三浦建太郎・白泉社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
ようやく最新刊! しかも、帯カバーによれば、映画『ベルセルク 黄金時代篇Ⅰ 覇王の卵』(アニメです)が、2012年1月にロードショー! さらに、この帯カバーは割引券であると同時に、単行本○~△巻(秘密)にあった、あれやこれやの情景、人物を描いたシーンが、いくつか公開されています。暗殺者となった○○、グリフィス△△をたくらむ◎◎も登場するのですね。わくわくするぅ~。アニメが苦手な私も、一度は見ておきたいです。
36巻のあらすじを申しましょう。幻造世界(ファンタジア)篇 妖精島の章です。またもや、狂戦士の鎧に、自我を失いかけたガッツですが、何者かが心中でキャスカの存在をささやきかけて、危うく我に返ります。しかも、ガッツを助けたのは魔女シールケでなく、旅の途中で出会って、不意に行方をくらました、不思議な気(オド)を放つ、腰をも覆う長髪、全裸の幼い男の子!? しかし、村人を触手として同化してしまう、海の怪物の攻撃は一向に治まらず、ガッツは狂戦士の鎧をまとい、シールケは肉体を抜け出した魂だけの姿となって彼を援護する形で、立ち向かいます。怪物の正体は、島ほどの大きさの鯨に似た、「海神」! 触手を倒してもどうにもならず、ガッツはシールケの魂を背負ったまま、海神の腹中に飛びこみます。そのまま急所をねらうはずでしたが、体内にも無数の怪物の群れがおり、ガッツは斬りまくりますが、全身に激しい負担を強いられます。
一方、ガッツとシールケ不在の海馬(シーホース)号では、なおも触手人間達と、イシドロ、セルピコ、ロデリックが戦っていました。ファルネーゼは魔女として初めて、四方陣の術を使って船を防御し、皆の喝采を浴びますが、海神の巨大さとパワーによる大波で、イシドロが海に落ちてしまいます。裸になったイスマが、即行で飛びこみ、イシドロを助けますが、触手に追いつかれそうに。危ないところで、不思議な声が、真名をとなえよと、イスマに告げ、彼女が従った瞬間、人魚に変身! イスマは船上に戻って驚くものの、真下で、人魚の大群が海神に向かって泳いでいくのを見るや、「ここは あたしの島だし・・・・人魚は海神と戦うんだ!!」と言い放って、再び海中へ。ロデリックも慌てて、海馬号を進めます。折りしも、ガッツとシールケのタンデム攻撃もたけなわ。この戦いの行方は、どうなるの?
・・・・・驚きました。そして、予想がはずれて、期待が高まります! たくさんの人魚が登場するなんて、今回、グロテスクや流血はあっても(傷ついているのは、ほぼガッツのみ。根性がありますな)、残酷・凄惨はあまりないので、ある意味、とてもファンタジーらしいストーリーだったかも。ガニシュカやグリフィスのように、世界を変えることもありませんでした。グリフィスの出番なしは、少し残念でしたが、ガッツ、今までの目立たなさを挽回したがっているみたいです(笑)。がんばれ!
あの長髪の男の子は、やはり、ただの人間ではないのでしょうか。ガッツやイスマの心の中へ、直接アドバイスしたかと思えば(そのくせ、当たり前の言葉は何も発していません)、触手や海神の動きなど、誰よりも早く、レーダーのように察知して、それとなく、皆に知らせていました。キャスカはすっかり心を奪われて、この子を抱きしめていますが、本当に何者なのでしょう? レギュラーキャラ化するのかな。
レギュラーキャラと言えば、大らかな美少女、イスマが、登場人物紹介に載っていましたね。うれしいな。イシドロと、漫才コンビを組みかけています。人魚になったのに、大して動じもせず、「全部ほんとうだったんだ/言い伝えも とーちゃんの言ってたことも」と告げて、なぜか、うれしそう。人魚化したイスマも、やっぱりかわいい。魚の下半身、耳元から生えているヒレ、控えめにふくらんだ胸と、できることなら、単行本の、精緻なイラストをご覧いただきたいです。
いつもの、ハラハラ、冷や冷やもいいですが、今回のように、スリリングながらも、明るく、わくわくした雰囲気も悪くありませんね。できれば、半年後くらいに、37巻を読んでみたいものです。三浦建太郎さん、応援していますよ。それでは。
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