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2012年8月26日 (日)

『ちぇんごく』下(絵:宮下英樹 文:本郷和人)の感想

『ちぇんごく』下(絵:宮下英樹 文:本郷和人 講談社)の感想を申します。ネタバレが含まれておりますので、ご注意ください。

 以前にアップした上巻の感想から、ずいぶん間があいてしまい、危うく、この本の存在と感想を忘れかけていたのですが(おいおい)、NHKの平清盛特集番組に、文章担当の本郷和人さんが出演されていて、「漫画で想像はついていたけど・・・・本当に、ウチのダンナにそっくりだ、ワーオ」と、インパクトを受けたあおりで、レビューいたします。恐るべし、NHK、あなどれないぞ、平清盛。

 やはり、わかりやすいです。例えば、「第10回 合戦に勝つってどういうことですか?」「第11回 戦国の女って何をしていたんですか?」という質問がありますけれども、戦国時代ファンの方でも、なかなか明確には説明できないでしょう。本当に、「当たり前」という言葉、思いこみによって、いかに私は知識追及をおこたってしまっているのかと、反省させられましたね。
 ところで、下巻から、第10回以降、質問者、ゴンこと仙石権兵衛に説明する人物が、竹中半兵衛から、黒田官兵衛に変わったのですが、どうしてなのでしょうね? いや、別に、いやではないのですが、竹中半兵衛の、優しげで丁寧な物言いに、たまに針がチクリチクリと含まれているような感じが好きだったのですけど。
 ちなみに、私のお気に入り質問と回答は、第11回と、戦国大名の茶道具偏愛に言及されている、「第13回 武士の褒美って何だったんですか?」です。
 この『ちぇんごく』は、これで終了ですが、戦国時代が土地から貨幣経済へと、完全に移行する時期であったこと、それを最初に成し遂げたのが、のぶ様こと織田信長であってことを明らかにして締めくくられており、なかなか心憎いできばえです。私のような日本史オンチはもちろん、戦国時代ファンの方にも、お勧めできますね。それでは。


(参照)『ちぇんごく』上(絵:宮下英樹 文:本郷和人)の感想

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コメント

 お久しぶりです。
 こちらの記事を読んで、面白そうな本だと思って
上下巻とも買って読んでみました。
 解説役キャラが竹中半兵衛から途中で黒田官兵衛に替わったのは、
おそらく半兵衛が早く亡くなるのと関係あるのではと。
(秀吉の軍師として2人が同時に過ごした時期も、そう長くないですし)
 分かりやすい本で面白いですが、よく読むと(特に下段の解説は)
『本郷かずべえぷにょ盛和人先生が反対してる他説への批判』も多いので、
出来れば批判されてる側の説も調べれば
更に戦国時代に詳しくなりそうです。
 あと『戦国時代の前(平安末期~応仁の乱)』の武士と武士政権に関する基礎知識はある程度
「読者が知ってる」前提で書かれてるっぽい!?感じもしたのですが、
そこは『歴史物』読者ですから、大丈夫なんでしょうね。
(ある意味で『二次創作同人誌は
元ネタを読者が知ってること前提に書かれてる』のと同じ、みたいな?!)。
 しかし、AKB好きで『清盛』ツイート解説でもかなりフランクだった先生を見てると、
東大の先生のイメージが色んな意味で変わりますね(笑)

投稿: 天里友香 | 2012年9月14日 (金) 21時57分

ご訪問とコメント、ありがとうございました。
そして、返信がまたもや遅くて、どうもすみませぬ。
(いつになったら、この挨拶をしなくてすむの、私・・・・)

竹中半兵衛と黒田官兵衛、そういう史実があったのですか。
竹中半兵衛が病弱だったのは、他の漫画や本で読んで知っていたのですけれども、二人の関係については知りませんでしたよ。ああ、私って日本史オンチ!
本郷和人先生のツイッターも、なかなかおもしろそうですね。近々、フォローいたします。
他の著作も、機会があれば、読んでみて、ここに感想をアップしますね。それでは。

投稿: 紅林真緒 | 2012年9月17日 (月) 01時17分

コメント返し、ありがとうございます。ちょっと誤解があるようなので追記ですが、本郷先生の『清盛ツイッター解説』は『平清盛』アカウントで以前にやってたもので、本郷先生ご自身がツイッターアカウント持ってて個人で解説されてる、とかではありません。(個人アカウントをお持ちかは不明。とりあえず「本郷和人」では検索しても出なかった)『平清盛』での解説は、NHKの『平清盛』サイトでログが載ってます。「今更、授業で質問の挙手をしてるのに先生に指してもらえないジレンマを感じるとは」というツイートに「やーいやーい」と返す辺り、かなりお軽いので真面目な質問の回答までが軽く感じるような(苦笑)

投稿: 天里友香 | 2012年9月17日 (月) 08時49分

 そう言えば。
 この本の信長が「土地なぞ古い、世は銭じゃ」と
貨幣経済を基盤にした社会の変革を目指すセリフを言ってますが。
 信長、『平清盛』の子孫を自称していて、
その清盛は大河ドラマでまさに
「宋と貿易し、銭を使って経済を発展させる」ことを目指してますね。
「実際の血縁関係はなくても、
経済政策の着眼点がなんだか似てるのが、面白い!!」
 ちなみに、更に細かくは自称『平資盛の子孫』。
 タイムリーに、今週末の『殿下乗合事件』を起こす、重盛の次男が資盛ですよ!!

投稿: 天里友香 | 2012年9月19日 (水) 21時38分

2度のご来訪&コメント、ありがとうございました。
しかるに、私の方は仕事で切羽詰っていたとはいえ、返信が遅れて、大変申しわけありません。

「紅林、最近、ツイッターを使っていないな?」
 そのとおり! フォロワー様達のやり取りを読むだけで、ほとんど自分から関わっていません。
 それでも、時々、非常におもしろくなるので、休みの前日は、私一人で盛り上がってしまいます。
 いやはや、本郷和人先生がそういうユニークな人柄であるとは、興味深いですね。
 平清盛サイトも、ドラマのあらすじを読むだけでなく、もうちょっと気合を入れて読んでみます。
 やはり、本気で日本史オンチを改善したいですから。

 一言だけ、ぼやいていいですか?
 平家、よく似た名前の人達、多いですなあ。
 天里さんに解説されていないと、「えーと?」と、頭を抱えてしまいます。
 平清盛サイトは、予習復習にも使えていいかも。
 

投稿: 紅林真緒 | 2012年9月22日 (土) 00時44分

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