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2017年7月 7日 (金)

『The Book On Coffee コーヒー雑学事典 講談社編』の感想

 書籍『The Book On Coffee コーヒー雑学事典 講談社編』の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 この本の奥付を見ますと、「昭和61年9月29日 第1刷発行」となっています。コーヒーやその関連の情報としては、やや古いかも。案の定、この本では、「コーヒーは体にいい!」と、強調されているようですけれども、カフェイン? コーヒー? どっちだったのアレルギーについては載っていないし、ドトールやスターバックスといった国内外の有名チェーン店にも言及されていません。コーヒーノキや豆、焙煎などについても、もしかしてですが、現在では違っていることが堂々と述べられているかもしれませぬ。なので、専門的に研究しよう、という方には不向きな読み物でしょう。

 でも、いいのです! 私は確かにコーヒーが好きですが、今回の目的は、戸川純が寄稿したエッセイこそ、主目的なので。彼女は、「私はこうしてコーヒーの似合う女になった」というタイトルで、エスプレッソやブレンドといった、コーヒーの種類別、それにふさわしい男女のドラマやシチュエーションを描いています。そして、それらは私の期待どおり、いや、予想を裏切って、とーってもおもしろかった! このような空想話もエッセイになり得るのだと、何だか、私は感心する一方、非常に参考になりました。さらに、(当時の)彼女のお気に入りらしい本や音楽も紹介されていますので、これまた、得した気分にです。いやぁ、買ってよかった。メルカリ、バンザーイ!
 他に、冒頭はわたせせいぞうが短編の漫画を、さらに、林真理子、斎藤茂太、ピーター・バラカン、内田春菊(イラスト+エッセイ)といった有名な人々も寄稿していますし、イラストは岡崎京子、蛭子能収が描いています。あこがれの人の真似っこをしてコーヒーを味わうもよし、コーヒーの知識を深めるもよし、各国のコーヒー事情もわかってしまえるし、コーヒーに合うお菓子づくりの参考にもなる、至れり尽くせりな内容です。
 やっぱり、この本の一番いい読み方は、おいしいコーヒーを入れて、芳香とともに、その深い風味を目一杯、心で味わうことだと思います。戸川純の底力とともに、コーヒーの魔味に、私はすっかり魅せられてしまいましたよ。また、彼女の創作物を探して読んでみたいです。それでは。

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