『信長の忍び』10巻(重野なおき・白泉社)の感想
四コマ漫画『信長の忍び』10巻(重野なおき・白泉社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
いや、もう、この作品、四コマ漫画とかギャグとか、そのような枠組みを超えてしまっているでしょう! アニメもヒットしていますけれども、間違いなく、名作だと思います。
あらすじとしては、織田軍による浅井攻めが本格化していきます。浅井井規が反逆して織田について虎御前山砦が陥落し、浅井久政自害。小谷城も落城間近となって、浅井長政は市に、姫達を連れて織田に戻るように告げるのですが、市の表情も返答も虚ろ。長政は落城後に、市が自害すると察して焦り、説得しますが、彼女の意思は固い。そこへ、千鳥が、まるで長政をけなすようなことを言い、ようやく市を翻意させます。そして、長政自害、小谷城陥落。
重傷の千鳥を曲直瀬道三が治したり(この医聖のスキルがすごすぎ!)、因縁ある刺客、杉谷善住坊との決着がついたり。羽柴秀吉が出世して家臣団を結成もします。一方、市は岐阜城で暮らしていましたが、夫を失った悲しみから立ち直ろうとした矢先、長政と側室の子、万福丸が処刑されたとの報告を受け、再び心を閉ざしてしまいます。
松永久秀はあっさり降伏して、信長包囲網は瓦解するものの、次の戦いは本願寺と武田軍、いや、次回予告によれば、朝倉義景の娘が暗躍するらしい??
とにかく、まだ10巻を読んでいらっしゃらない方は、ぜひ、市の、死を決意した表情、千鳥や織田軍に対する激怒、その後の悲嘆などの言動の変化を見ていただきたいです。
「183話 未来のために」のラストの市の言葉、「お別れなんてしたくない・・・・」は、本当に泣かせる場面です。本当、そうとしか言いようがありません。それでは。
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