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2023年7月16日 (日)

『信長の忍び』20巻(重野なおき・白泉社)の感想

 四コマ漫画『信長の忍び』20巻(重野なおき・白泉社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 第二次天正伊賀の乱、開始! なのですが、今回は織田軍の攻撃というよりも、千鳥が「信長の忍び」として、彼の命をねらう、伊賀のトップエリート「忍術上手十一人」と戦う、というものです。
 千鳥はもっと、師匠や元の仲間を攻撃することをためらったり、悩んだりするのではないかと、私は予想しておりましたが、ぶれませんね。まあ、感傷に流されず、まよわない人物の方が好きですよ。
 
 あらすじは、上記でほぼ言い切ってしまいましたが、念のため、述べます。
 天正9年、信長は、徳川軍VS武田軍の高天神城攻防戦について、武田軍の降伏を受け入れないよう、指示を出します。これによって、高天神城は壊滅し、武田勝頼が見殺しにしたかのような形になってしまうのでした。
 また、信長は、宣教師達の持ちこんだもののうち、大柄の黒人従者をスカウトして、弥助と名付けます。京にて、正親町天皇まで見物した、大々的な軍事パレード、馬揃えも行なって、お祭りムードでしたが、そのような最中で、伊賀の忍びが信長をねらって侵入してきます。
 楯岡道順、上野ノ左のうち、後者は何と堀秀政に変装してきましたが、助蔵が撃退します。大炊孫大夫は家臣の謀反の流言を飛ばし、信長の周囲は騒然。千鳥は責任を感じて、織田軍と別個に、助蔵とともに伊賀の忍術上手と戦おうと、決心します。
 伊賀では、大炊孫大夫、下柘植ノ木猿・小猿、新藤小太郎、甲山太郎四郎・太郎左衛門と戦ううちに、千鳥と助蔵はペアを組んでいるはずが、バラバラに。千鳥は、小南、弥左衛門の二人と遭遇。一方、助蔵は山田八右衛門との戦いに辛勝するものの、半死半生? 大ピンチのまま、続きます。
 





 化け物じみた強さを持つ千鳥ですが、今回はかなりの苦戦を強いられ、負傷しています。しかし、助蔵のセリフではないですが、「いかにも女暗殺者みたいな姿 カッコ良くて色っぽくて」、いいです。表紙イラストもいい味を出していますけれども、本編はもっとカッコエロいので、お楽しみに。
 あと、あらすじでは、さくっと省略しましたけれども、伊賀との本格的な戦いの直前に、助蔵が千鳥に告白し(あのヘタレ君が! と、私は精神的に引っ繰り返りました)、千鳥も笑顔で受け入れます。しかし、助蔵よ、告白しておきながら、たずね返したり、自分のほほをつねったり、シリアスなバトル前なのに、いい加減にしてください。腹筋が……(笑)。
 けれども、愛の力ゆえなのか、ラスト近くの山田八右衛門との戦いは、かなりパワフル! しかも、今までならきっと、逃げるか、負けるかしていたであろうに、えげつない勝ち方をしています。
 繰り返しで恐縮ですが、四コマ漫画で20巻もの長編で、いまだにギャグ、シリアスともにハイテンションを保って続いているのは、やはり、並みならぬと、思います。お勧めいたします。それでは。

 

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