『絢爛たるグランドセーヌ』16巻(Curvie・秋田書店)の感想
コミック『絢爛たるグランドセーヌ』16巻(Curvie・秋田書店)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
また、予想の斜め上をいかれてしまいました(うれしい悲鳴)!
閉鎖的な感じのキーラは、奏とはまた異なる、すぐれた才能の持ち主で、しかも、性格のいい少女でした!
やはり、ロイヤル・バレエ・スクールで学ぶ彼女達は、皆、半端ないテクと根性を持っています。
反面、経験が浅くてメンタルも繊細なのに、大人と変わらないバレエという、厳しい勝負の舞台で、常時、インターバルなしの真剣勝負を強いられているような?
簡単に、あらすじを挙げましょう。奏はロイヤル・バレエ・スクールのロウアー・スクール10年生に編入留学し、言葉の違い、一般的な勉強の大変さ、食事の味の相違を痛感させられます。
また、モナコに留学中の翔子は、一人ぼっちでいるために心が折れそうになりますが、奏と電話で話して、互いに元気を取り戻します。
学友との会話から、奏は、キーラが振付コンクールで、去年、一位に入賞したことを知ります。さらに、彼女はダンサーのよさを引き出す能力の上、面倒見がいいことも。皆が驚いているうちに、キーラ本人が何と、次の新作のダンサーを、奏とエヴリンに依頼するのでした。
キーラはメジャーなギリシャ神話より、北欧神話をテーマにしたがっており、ふだんは無口っぽいのに、話し始めると、無我夢中になってしまい、周囲が呆気にとられるのを恥じ入って逃げ出すという、繊細な性格の持ち主。けれども、奏は、初めてバレエを知った時の感動を話し、キーラと近づけそうになるのでした。
ロイヤル方式のレッスンに戸惑っていた、奏とエヴリンでしたが、ピラティスによって、いっそう磨きがかかります。そんな折しも、二人はニコルズ先生の特別レッスンを受けて、エヴリンは有頂天でしたが、奏はかすかな違和感を覚えます。寮へ戻って来ると、エヴリンと不仲だったレベッカが、ポスターの破れを修復しようとしていました。エヴリンは抱きついて喜びます。
前と違って、後味がいいお話になりましたね。
しかし、本当にキーラの才能、情熱には驚かされました。
あと、省略させてもらいましたが、マルセイユで、言葉の壁があると大変だと承知していた奏が、英語のニュアンスで苦労しています。奏はそれに対して、(頭の中さえも)日本語禁止でのぞみます。すごいなあ。根性、ありますね。
ニコルズ先生、実は、「ついて来て」と、するけれども、自分達を見てくれていないことに、奏はとうとう、わかってしまいました。もしかして、これは重要な伏線になるかもしれませぬ。私は、とてもいやな予感がします。
おもしろいことに、奏に対して、やたらと挑発的というか、批判が多かったエヴリンでしたが、同じ留学生という立場であるためか、奏のコミニュケーション能力ゆえか、その両方か、すっかり互いに仲良くなっています。ほほ笑ましいくらいですよ。
最後に、16巻の名言です。日本とかなり異なるロイヤル・バレエ・スクールのレッスンと生活に翻弄された奏が、膨大な一般勉強用テキストを抱えて、途方に暮れるどころか。モノローグで叫びます。
『前途多難!!!』
『面白い どんとこい!!』
年齢、立場が異なっていても、私は奏のこういうポジティブさが大好きです。ぜひとも、こうでありたく願います。お勧めいたします。それでは。
ご協力お願いします。
漫画・コミックランキング
| 固定リンク | 0
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- 永島慎二作品について(2024.11.16)
- 『オークの樹の下』1巻(漫画:P 原作:Kim Suji 脚色:Seomal ・namu KADOKAWA)の感想(2024.11.08)
- 風邪ひき状態……(2024.11.02)
- 『神さまの怨結び』2巻(守月史貴・秋田書店)の感想(2024.10.13)
- 『強制除霊師・斎 隠された十字架』(小林薫 監修:斎)の感想(2024.10.12)
コメント