『綜合ムック 世界の性愛学』(綜合図書)の感想
書籍『綜合ムック 世界の性愛学』(綜合図書)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
18禁同人誌を作成している上で、資料になるかなと、思って購入した本ですが、なかなかエロ楽しい内容でした。
さて、一応、書籍と記しましたが、エンタメメインの画集に近い内容ですね。
発行は、平成25年7月20日、本文執筆は、若月祐二、安倍英明、秦野卓爾だそうで、古書店で見つけました。
あらすじというか、中味については、表紙の、「春画だけじゃない! 世界のエロティックアートから観る、豊かで淫らな性愛のカタチ」との宣伝文で言い尽くされているかと思いますが、要するに、15~20世紀頃の欧米を中心とした、性愛をテーマに紹介されている本です。
まず、いただけない点から申し上げますと、どのようなコンセプトで編集されているのか、よくわかりませぬ。ヌードが多いのは当然としても、これは、巨匠の有名作品ではないの? という絵画が、ちらほら挙げられています。
たとえば、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」が、最初のページにあるのに、私的にエロいと思っている、クリムトは一枚もありませんし、バイロスが載っているのに、ビアズリーやロップスはないし? 春画も説明されていますが、薄味すぎるのでは? また、エロティックアートの画家の生涯、特徴も説明されていて、初心者の私にとっては、とてもありがたいのですが、画家名が原文のままが多くて、読み方がわからず、誰だったっけ? と、戸惑ってしまう、不親切仕様です。
たとえば、よく取り上げられている、フランスの、ウィリアム・アドルフ・ブグローですが、このカタカナ表記でなく、William Adolphe Bouguereauと、画の下に記されているわけですよ。
しかしながら、掲載されている絵画は、油絵のような重厚作品もありますが、イラストのようなものもありまして、はっきり申し上げて、男女でつながっている場面が多いです。性器描写も満載です。だから、18歳未満の方には、ふさわしくないかと思います。
はい、私は興奮しました。ドキワクしました。やや肥満体気味のヌードには、引いてしまいましたが、生々しくも上品、かと思いうと、猥雑で、見ていて楽しかったです。
私の好きな画家は、ギリシア神話のような古典の挿絵のように、一見、真摯で堅苦しそうなのに、股間や表情までもリアルに描く、イタリアのアゴスティーノ・カラッチ。恥じらいの表情、好色そうな男達の様子など、臨場感たっぷりに描く、フランスのジャン=レオン・ジェローム。表紙の、こちらに背を向け、恥じらいのあまり、顔を腕で覆って立ち尽くす、全裸の女性は、肉づきの豊かな、いいお尻をしています。
一番いいなと思ったのが、フランスのウィリアム・アドルフ・ブグロー。印象派の画家達を落選させていた、いやな経歴の持ち主ですが、描く美女の素肌のみずみずしさ、均整のとれた肢体の美しさ、妖艶なポーズは、確かな技量を感じさせます。
エロティックアートの入門書というよりも、ツッコミを入れたり、ワクワクしたりして、楽しめるかと、思います。それでは。
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