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2023年10月に作成された記事

2023年10月28日 (土)

『エロティックな七分間』(作者不詳 竹内太郎/訳 富士見ロマン文庫 No.1)の感想

 書籍『エロティックな七分間』(作者不詳 竹内太郎/訳 富士見ロマン文庫 No.1)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
……はぁーっ、読むのにこれほど時間のかかった富士見ロマン文庫は、初めてかもしれませぬ。
 おもしろくない、わけではないのです。ひたすら、読みにくいのです。巻末の解説で、訳者様がこの作品を、「みごとな出来のポーノグラフィ」「最高の部類に属する作品」と、絶賛されておられるのを読み、私は精神的にずっこけました。訳者様、ほめておられる割に、この作品が出版されたいきさつしか、説明しておられず、どこがどう魅力的なのか、わからないではありませんか?
 はっきり申し上げて、これを読んでドキワクするのは、私は難しいと思います。特に、ライトノベルに慣れ親しんだ方には、睡眠導入剤代わりにしかならないでしょう。
 
 主人公は、アメリカ人の絵描きアーティストで、フランスに住んでいる若い女性、キャスリーン。あらすじとしては、「序の序」と題された冒頭で(しかし、10ページ以上あります)、身動きできず、傷ついている状態から、キャスリーンはセックスをし、自らに大きな影響を与えた三人の男性、ロジャー、ポール、ハロルドをメインに、回想し始めます。
 親友のヴァージニア(ジニー)、トルコ人のルネ、美女モーリンとも濃厚に交わるのですが、キャスリーンが本当に愛しているのは、あの三人だけ。その中から、特に選んだ一人は……。

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2023年10月27日 (金)

『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』2,3巻(鴻池剛・KADOKAWA)の感想

 コミック『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』2,3巻(鴻池剛・KADOKAWA)の感想を申します。ネタバレが含まれていることに加え、今回は、非常にモラル的というか、宗教的に問題のある表現をしております。特に、真面目なキリスト教徒の方、イスラム教徒の方は、お読みにならない方がよいかと思います。
 ちなみに、私は仏教系の学校を卒業しました。それだけなのですけどね。

 何となく2冊を買って、一気に読了しました。
 おもしろかったです! 猫は割と手がかからないかと、思っていたのですが(家族が超猫嫌いのため、飼ったことがないし、今後も無理!)、本当に大変ですね。3巻100ページの、傷だらけの作者様の手の写真は、実に痛々しいです。
 その反面、猫は動物で、人間ではない、異質な存在である、はずなのに! 互いに刺激し合う生活は、愉快、痛快、奇々怪々にして(作者様にとって)激痛!
 でも、幸せ?

 あらすじを簡単に記しましょう。
 2巻で、何と2匹目の猫が登場します。両目が腫れている子猫を放っておけなかった作者様は、治療を受けさせ、飼うことを決意。ぽんたの元の拾い主である、友人のメガネ氏は、今度こそ「のんた」という名前を推しますが、作者様は子猫を、「アルフレッド」(通称アルフ)に決定!
 アルフレッドは甘えん坊の子猫ですが、大きな先住猫のぽんたを恐れません。二匹は無視したり、けんか腰だったり、仲が悪いわけではないけれども、性格は正反対で、しかし、どちらも活動的! ぽんたは、ついに去勢されますが、マーキングはややましになったものの、なくなりませんでした。
 3巻では、アルフとぽんたのいたずら、行動力が、いっそうパワーアップ。アルフも去勢されますが、より甘えん坊になります。ところが、ぽんたが便秘に、アルフの首のあたりにしこりが見つかったり。作者様も花粉症、カフェイン過敏症で、猫達をビビらせた後、何と入院する羽目に。友人メガネ氏は、喜んで、ぽんた、アルフの世話をしますが、すんなりいくはずがなく……。

 

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2023年10月15日 (日)

『今日も殺せずに愛し合うだけ。』(原作:兎山もなか 漫画:嶋伏ろう 三交社)の感想

 コミック『今日も殺せずに愛し合うだけ。』(原作:兎山もなか 漫画:嶋伏ろう 三交社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 こちらは、少女漫画といえば、そのとおりなのですが、ティーンズラブ(TL)漫画です。わが義妹の少女漫画がエロ要素の多い内容だったにも関わらず、成人指定でなかったことに、私は大いに驚いたことがあり、こちらも覚悟(?)しながら購入し、読み始めたのですが。
 いやぁ、エロうございました(ほめています)。

 簡単に、あらずじを述べます。凄腕の殺し屋、宮地ゆき乃は、大企業専務の奥平皓大の秘書となって、彼の命をねらおうとします。が、最初の実行で、ゆき乃は失敗したばかりか、いきなり、奥平と交わる羽目に。奥平は謝罪し、責任を取るために、ゆき乃と結婚。ゆき乃としては、殺害のチャンスが増えたはずなのに、奥平はラッキースケベ体質で、ことごとくかわされ、濃厚に愛される結果に。殺そうとする、ゆき乃に、溺愛する奥平。実は、奥平には秘密があって……。
 それでは、まず、いただけない点とはいきませんが、興味を引かれた方に注意してほしいポイントについて記します。
 エロでなく、恋愛メインがお好みの方には、疲れるかと思います。ゆき乃と奥平は、ずっと交わりまくっています。セミヌードながらも、エッチな体の部分も描写されていますので。
 ふと、私は思ったのですが、「偶然、入った」(何が? と、質問しないでください)バージョン、「ラッキースケベ体質」って、男性向けエッチ漫画やAVであったような気がします。ゆき乃はグラマー美女ですし、意外と男性うけするかもしれませぬ。
 
 

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2023年10月 9日 (月)

『強制除霊師・斎 屍人の聲』(監修:斎 小林薫 ぶんか社)の感想

 コミック『強制除霊師・斎 屍人の聲』(監修:斎 小林薫 ぶんか社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 今回も、お役立ち情報が多い内容でした。収録作品は、次のとおり。

 第1話 自死の迷宮
 第2話 祠しまい
 第3話 生霊(いきすだま)
 第4話 父からのメッセージ
 第5話 屍人の聲

 第1話、第5話と、自殺した方のエピソードです。加えて、第1話、第4話は証言者のお父さんの霊に関するものです。自殺はやっぱり、悪いことであり、お父さんの人格や言動によって、遺族が辛い思いをしたり、心温められたりするものなのですねえ。それでは、各話のあらすじと感想を。
「自死の迷宮」、暴力をふるうお父さんは、自殺したと判断されていましたが、真相は違っていました。お父さんの前世、贖罪、霊障など、斎さんが明かしていき……。証言者のお父さんに、深い事情があったのはわかります。が、やはり、パワハラは困ります。家族としては、どうしたらよかったのでしょうかね。
「祠しまい」、空き家になった田舎の家にある、祠の撤去について、斎さんがアドバイスします。しかし、隣の家が勝手に片づけてしまい……。撤去の方法自体は、神様がいなければ、簡単なのですけれども、逆ギレする人の方が、私的に腹立たしいです。ま、証言者様は何ともなかったようで、よかったですけどね。


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2023年10月 7日 (土)

『マンマ』(ピエール・ベール 吉野博高/訳 富士見ロマン文庫 No.31)の感想

 書籍『マンマ』(ピエール・ベール 吉野博高/訳 富士見ロマン文庫 No.31)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 250ページほどなのに、私は読了するまで、かなり時間がかかってしまいました。海外のエロティック小説を扱っているとはいえ、このお話は良くも悪くも、純文学のようです。興奮する方は、できるのでしょうが、私にとっては心理小説っぽい感じでした。
 あらすじを説明いたしますと、少年フランソワは、年上の女で情婦(マンマ)たるソニアと別れ、新しい彼女と南方の都市で新生活を始めるべく、夜汽車に乗りこむところから始まります。そうやって、お話は、ソニアとの出会い、深まりゆく肉体関係、彼女のたちの悪いいたずら、他の女性との出会いと交わりと、ほぼ回想シーンで進んでいきます。
 やがて、ソニアと好対照の、純真な女性、アンと知り合い、心身ともに強く結ばれるのですが、そのこともソニアに発覚してしまいます。細かい事情を聞き、ソニアは逆上するどころか、フランソアの出発の手伝いをし、駅で見送りさえするのです。後腐れなく別れられて、フランソアは安心するのですが、途中の駅で停車している間に、愛していたはずのアンに対して、心が冷えていくのを感じる一方、ソニアへの思いは……。
 

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2023年10月 1日 (日)

『強制除霊師・斎 女系家族』(監修:斎 小林薫)の感想

 コミック『強制除霊師・斎 女系家族』(監修:斎 小林薫)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 このシリーズも、12冊目ですか。しかし、私、読了したくせに、感想をアップさせておりませんでしたね。遅読の遅筆で、ごめんなさい。
 収録されているのは、次のとおり。

 女系家族
 ふたつの顔
 真夏の夜の怪
 花の道を歩くひと
 屋上に神様(監修:斎)

 斎さんのシリーズは、上の4本で、最後のものは、2013年掲載の短編漫画です。私的には、どちらもかなりおもしろかったですよ。
 
「真夏の夜の怪」「花の道を歩くひと」、斎さんが何と女性アイドルグループDVDに、怪談話のアドバイザー的なお役目で出演したもので、珍しく緩く続いています。「真夏の夜の怪」は、浮遊霊をメインに、鏡の怖いところや、便利な使い方、さらには撮影スタッフの男性に憑いていた自殺霊を、斎さんが指摘し……などしていました。本当に、この漫画は実生活に役立つことを伝えてくれて、ありがたいです。
「花の道を歩くひと」は、そのグループの一人、アリサちゃんにフォーカス。撮影の後、不気味な心霊写真をきっかけに、自身も霊感を持つアリサちゃんは、斎さんにいろいろ相談します。芸能界に向いていないのではないかと、悩む彼女ですが、斎さんの助言は、私としても感心させられました。

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