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2024年3月に作成された記事

2024年3月25日 (月)

『信長の忍び』21巻(重野なおき・白泉社)の感想

 四コマ漫画『信長の忍び』21巻(重野なおき・白泉社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 今回は、千鳥がもっとも心身ともに辛かったエピソードではなかったかと、私は思います。反面、助蔵にとっては、もうほぼラブラブ確定で、ちょっぴり甘かったような?

 あらすじを申しましょう。千鳥は相変わらず、怪物級の強さを見せ、城戸弥左衛門に深手を負わせた次に、楯岡道順と彼の配下の裏忍術上手四十八人をも、一人で倒します。助蔵とも合流し、藤林長門守も倒し(?)、ついに、平楽寺で、元師匠でラスボス的立ち位置の百地丹波と相まみえます。この千鳥&助蔵VS百地、当然ながら百地は千鳥の動きを読んで攻撃し、苦戦を強いられます。ここで、助蔵とともに火器や手裏剣で、屋敷に火をかけ、崩落寸前にまでさせ、百地を追いこみます。千鳥が勝てたと、思いきや、落とし穴になった床下へ、助蔵と一緒に転落します。
 身動きできない二人を助けたのは、織田信雄! そして、伊賀の忍び達は、織田軍四万に圧倒され、百地は降伏します。ここで、天正伊賀の乱は集結しますが、本物の藤林長門守は息子ともども生きのびて姿を消し、その子孫は忍術秘伝書を記すことになったのでした。さらに、城戸弥左衛門は、信長を狙撃しますが、これは失敗。信長はこの事件と、千鳥の命令無視を重く受け止めたのか、千鳥に、百地丹波と神戸ノ小南を斬るよう命令します。ためらわずに、千鳥は二人を斬殺しました。
 責任を取る形で、千鳥は信長の元から、明智光秀の家臣になるよう、命ぜられます。助蔵と一緒に、丹波に行き、光秀やその家臣から温かく迎えられましたが、千鳥はやはり、空しい気分を抱えています。そんな折しも、長宗我部元親との外交のため、明智家家臣、斎藤利三と千鳥(助蔵も)、は四国へ行きました。長宗我部元親は四国統一を目指しているものの、信長は認めません。長宗我部家と縁のある斎藤利三もまた、信長の命令に納得できないまま、元親と交渉し、決裂してしまいました。自分は信長から、使えない者と思われているのではないかと、疑念におちいる光秀に、信長に恨みを抱く斎藤利三。天下統一の野望を燃やす信長。そして、あの天正十年がやって来ます。





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2024年3月21日 (木)

pixiv系お知らせ~ブルー・シリーズ完結編『夢伝説』(前)(後)&『小説 怪少年ジュン』、両方とも完成しました!

 庵京小説シリーズ「ブルー・シリーズ」は、未完で終わっておりましたが、昨日、pixivに完結編『夢伝説』をアップできました。

 毎度のことながら、遅くなって、すみません。
 今までの伏線の謎解きを、あらすじ紹介っぽく作成する予定でしたが、やはり、どうせならシンプルな形でも小説がいいと、欲を出した挙句、いっそう時間がかかってしまいました。
 それでも、幸せそうな彼らが描けて、楽しかったです。

 さらに追加情報として、4月7日のブログで二次創作として、ノベライズしてみたいと、希望しておりました『怪少年ジュン』ですが、7月6日にpixivにて、『小説 怪少年ジュン「熱い雨」』というタイトルでアップできました! 小説6月投稿企画「Rain Rain Rain2024」に初参加させていただく形です。ありがとうございます! 遅筆な私にしては、仰天の早さでした。ジュンと、彼の運命を決定する、異星人の女性とのお話で、何と普通の男女の恋愛もの! その上、全年齢向けのお話になっています。
「紅林って、ボーイズラブか、やおいものしか書かないのでは?」と、思われた方、実は、私の同人誌デビューと2作目は、男女の恋バナだったのです。どうして、今の作風になったのでしょうね? 自分でも、不思議です。


 興味をお持ちの方は、こちらへどうぞ。⇒ pixiv10774108

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2024年3月20日 (水)

『当て馬キャラのくせして、スパダリ王子に寵愛されています。』(結城アオ・彗星社)の感想

 コミック『当て馬キャラのくせして、スパダリ王子に寵愛されています。』(結城アオ・彗星社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 巻数の表示がありませんが、こちらは事実上1巻で、確か、2巻も発売されていたかと、思います。
 この本を選んだきっかけは、行きつけのスポーツクラブ近くの本屋さんに置いていたからです。まあ、スマホの広告に時々上がっていましたから、気になっておりました。
 ずっと、プライベートで辛いことがあったので、三角関係ものは、しばらくお休みして、王道っぽい恋愛(ボーイズラブですが)を読みたくなったのが、きっかけです。
 予想したよりも、楽しめました。

 あらすじとしては、今流行の、異世界転生もの。日本人らしい、出版社の営業担当の青年が、事故で転生した先が、何と、推していた小説「銀の王子と聖なる花嫁」の舞台。スパダリな銀の王子、アレク・レイ・ガルシアムに、ヒロインのリリィ・フィリップスと、まばゆい世界ながらも、彼自身は、リリィの幼なじみで、断罪されて国外追放される運命の、当て馬キャラ、ロニール・グラヴィス。
 アレクとリリィに関わるまいと、逃げ回るロニールですが、なぜか、同席になったり、魔法動物から助けてもらったりと、アレクと一緒になってしまいます。
 王室舞踏会の日、ロニールは酔っ払ったリリィを介抱していたところ、アレクに見つかって、詰問されます。咄嗟に、ロニールは避けようとして、惚れ薬を投げてしまい、それが当たったアレクは、君が好きだと、告白し、以前にもまして、積極的に(エロく!)せまるようになりました。
 アレクのスパダリぶりに、あこがれる一方、断罪はされたくないロニールは、懸命に策を練るのですが、なぜか空回り。しかも、アレクかリリィをねらう、正体不明の下手人か組織がいるらしく、アレクは命の危機にさらされます。必死になったロニールは、初めて? 不思議な魔法を発動させ、アレクを救いますが、それは伝説の「聖なる花嫁」の力らしく?

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2024年3月11日 (月)

『石田光成の妻は大変』1巻(重野なおき・双葉社)の感想

 四コマ漫画『石田光成の妻は大変』1巻(重野なおき・双葉社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 この作品は、天正五年、織田信長が天下統一を目指していた時に始まります。主人公が石田三成とは、割と珍しいのではないでしょうか。なぜなら、関ヶ原の戦いで……ですから。
 あらすじを説明しましょう。信長の家臣の羽柴秀吉の勧めにより、秀吉の家臣の石田三成が、尾藤家の娘、うたと、結婚しようとします。ところが、光成は顔はいい! のですが、マイペースで、真っ正直な分、他人から反感を買われることが多い、困った性格。さらに、算術が得意なのはいいとしても、何もかもを計算しまくり、算盤を偏愛している変わり者。
 一方、うたの方は、記録にあまり残っていないそうで、作者様が自由に描かれるそうです。そんな彼女は、面食いなところはあるものの、白無垢にあこがれ、光成の些細な言動にときめく、常識人。ゆえに、結婚したものの(そうなるまでの過程も大変でしたが)、うたとしては、ショックを受けたり、驚かされたり、光成にふり回されっ放し。自然と、ツッコミが身についてしまいます。
 光成は、同じ羽柴家家臣の大谷吉継と、うたの協力もあって、初めて友人になり、大谷の妻の小石とうたも、親しくなります。次に、豪傑と名高い渡辺勘兵衛も、光成の家臣として加入。時折、過激なギャグを交えながら、ほんわかしたエピソードが続きますが、最後のお話では、秀吉の毛利攻めに、光成も大谷も参加する予定とのこと。小石もうたも、いよいよ、武将の妻として、覚悟を決めるべき時が来た……ここで終了。


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2024年3月 9日 (土)

『マップス』4巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想

 コミック『マップス』4巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 またもや、想像のななめ上を行ってくれました! ダードが強い! リプミラがまた、別の意味で強い! 最強の伝承族が現われ、とても勝てそうにない! そもそも、ラドウ自体が超絶に強い! と、私の脳内でパワーインフレを起こしてしまいそうです(うれしい悲鳴)。
 4巻に掲載されているお話は、次のとおり。
 
 龍のとりこ編
 ACT.30  龍の末裔
 ACT.31  “とらわれの姫”暴れる
 ACT.32  銀河に何が起こったか
 ACT.33  正しい選択
 ACT.34  狂龍、吼える
 ACT.35  龍の穴

 帰還編
 ACT.36  幕間は長くない
 ACT.37  配役は変わった
 ACT.38  うごめく者たち

 青き円卓編
 ACT.39  嵐の前
 ACT.40  断頭台の上の円卓

 まず、「龍のとりこ編」の続きのあらすじから、参ります。
 ダードがリプミラを連れて到着したのは、未確認宙域にある、大勢のビメイダー達が集まっている星。そこでは、ダードは自然発生人(ナチュラリアン)からの解放者として、英雄視されています。側近の女性、オルシスが、無意味な海賊行為と戦闘をやめてほしいと、忠告しても、聞く耳を持ちません。
 ダードは、狂戦士、龍の一族と恐れられるライ族の、最後の一人であり、一族を滅ぼした張本人でした。リプミラの攻撃力を用心して、全裸にしてしまいますが、彼女は後ろ手に拘束された状態から、堂々と反撃開始。ダードの部下すべてを撃退し、彼と対峙します。
 一方、ゲンはリプミラを捜しており、ザザーンも、船団をひきいて駆けつけましたが、突然、ある重要情報を受けて、救出を断念します。それというのも、47時間前、惑星ドドーに各国高官らが集結していた時、伝承族の長、神帝ブゥアーが、「一年後、銀河を生贄砲として使用する」と、宣告してきたのです。“十匹の魔物(マップス)”が、青き円卓につどいし時という、伝説が実現するのか。そうさせじとする、ドドー側と、ブゥアーの声に触発された未確認宙域軍。青き円卓にて、両軍の激突を止められるのは、ダイナック・ゲンしかおらず、リプミラを置いて、即刻、遠距離ワープをしなければ、円卓に到着できないからでした。ザザーン、シアンは、リプミラをあきらめるように言うのですけれども、ゲンにはできません。ザザーンは、責任放棄と激怒して、艦隊ともども去ってしまいました。
 ダードとリプミラの戦いは、一進一退の攻防を続けていますが、船体が傷ついている分、リプミラがやや不利。ダードにダメージを負わせることはできても、勝ちになりません。やっと、ゲンが合流したものの、何と、ダインが戦いの場に乱入し、同化能力を持つ船体によって、ダードのそれを攻撃します。けれども、ダードは、中性子を出現させて吸収し、逆にダインを敗退させます。彼は勢いに乗じて、ビメイダーの星を破壊し尽くすのでした。
 一方、傷ついたリプミラに代わって、リプミラ号を操縦するゲンですが、ダードに対抗できず、何度もピンチになります。けれども、ビメイダー達が立ち去る際に、リプミラ号にエネルギーを充填してくれたのでした。最後の手段を使うべきか、迷うゲンに、リプミラは寄り添い、励まします。ゲンは決心し、ダードへ、全兵装一斉発射を行ない、その船体を破壊して勝利。しかしながら、力を使い尽くしたリプミラ号が、中性子星に吸いこまれていきます。ダードは最後の力をふり絞って、中性子星をブラックホールに変え、“空間のつなぎ目(特異点)”に案内します。さらに、五つのブラックホールをつないで、銀河を横断するハイウェイとし、リプミラ号を誘導した後、どこへともなく、姿を消します。リプミラは嘆きますが、ゲンに声をかけられて、きっぱりと、顔を上げるのでした。
「帰還編」は、伝説が“青き円卓”と呼んだ地球へ、ゲンとリプミラが帰還の途中、宇宙を飛ぶ空間生物によって、赤子を押しつけられてしまいます。仕方なく、ゲンは、となりの恒星系まで立ち寄ることに決めました。
 一方、ザザーンひきいる二万人の部隊とリム、シアン、星見も、地球に向かっていました。宴会ばかりしていますが、星見は、惑星ドドーでは珍しい男性、ウディナ・ブイアと知り合います。
 のん気にかまえていた、ゲンとリプミラでしたが、何と、ダインが船内に侵入し、リプミラを眠らせ、ある星へ到着したゲンをもねらってきます。その星の原住民に襲われかけるのですけれども、リプミラが皆を救出します。赤子になつかれて、ダインの心に何かが芽生えます。が、十万機のリープタイプの中から、リプミラと奇跡的に同じ外見を持ち、彼女の屈託のなさを受け入れられない過去を持つダインは、一対一の勝負を仕掛けます。けれども、一瞬で、リプミラの勝利。
 屈辱にまみれたダインは、ラドウの元へおもむき、新たな船体を望みますが、ラドウは嘲笑。ダインは愕然とします。
 一方、ガタリオンは、伝承族の評議会員のニブーから、反乱とみなされ、攻撃されます。しかし、ガタリオンは余裕の態度でラドウを差し向けます。そのラドウは、伝承族の遺伝子を持っており、ニブーを倒します。ガタリオンは、“青き円卓”の破壊をもって、反乱の幕をおとすと、宣言するのでした。




 







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2024年3月 1日 (金)

『マップス』3巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想

 コミック『マップス』3巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 心臓をぶち抜かれて死んだはずのゲンが、生き返って戻って来た、という、2巻の終わりの衝撃の展開から、3巻が始まります。
 ラドウやあの宿敵との戦い、ちょっとギャグ回、伝承族とは別の強敵が現る! と、3巻も息つく間もない、パワフルなお話です。
 収録作品は、次のとおり。

 六人の幽霊船編
 ACT.19 黒い炎
 ACT.20 眠る記憶の間で

 放浪編
 ACT.21 銀河をつかむ男
 ACT.22 暗殺者
 ACT.23 罠
 ACT.24 溝
 ACT.25 両天秤
 ACT.26 星見ちゃん、気をつけて

 龍のとりこ編
 ACT.27 このましからざる再会
 ACT.28 イヴから生まれたアダム

 では、あらすじを説明いたします。
「六人の幽霊船編」の続き。爆発の衝撃で、レインがラドウのコントロールから自由になり、本来の彼女に戻ります。シアンもまた、ラドウを不審に感じて離反。ダインは逃走し、ラドウVSリプミラ&リムの戦いに。ラドウは、惑星をも破壊する最大の武器、星の涙(スター・ティア)をレインごと発射します。星の中心に突入するリプミラは、レインと接するうちに、彼女の記憶の中にいた記憶である、亡き宇宙海賊カリオンの姿と出会います。そこで、リプミラは彼と語って、六人姉妹だった頃の最古の思い出、カリオンとの出会いを思い出すのでした。
 奮起したリプミラは、リプミラ号で脱出、ゲンやリムも苦戦していたラドウを、星の涙によって逆襲し、彼方へ吹き飛ばします。けれども、特にかよわいレインは再生できず、リプミラに抱かれて死亡(結構悲しい場面でした)。
「放浪編」、ゲンとリプミラ達は、ザザーンとともに惑星ドドーに向かい、星見と再会しますが、星見はゲンの左胸の大きな傷あとに驚き、問い詰めます。
 ようやく、ゲンは、惑星リングロドの意志たる「オヤジ」によって、数光年先に転送、粒子レベルに分解された後、再構築されて助かったのだと、種明かしをしたのでした。
 ドドーでは、大勢の各国大使が集まっており、ゲンは到着早々、彼が銀河の伝説の英雄、ダイナックであるのか、また、“十匹の魔物”、“七つの軍団”について質問されます。ゲンは、自分がダイナックであると肯定し、会場は大いに沸き立ちました。
 しかし、ゲンは肝心なことを話していなかったのです。自分がダイナックになること自体、伝承族の計画。伝承族は銀河が統一されて、皆が意気上がった後で、その希望を打ち砕き、恐怖、怨念、絶望を、銀河砲の破壊力に変換するのが、真の狙いでした。
 ここで、惑星ザザーンの指導者の一人、アババは、「伝承族のワナであるなら、銀河は統一しない方がよい」と断定して、ゲンとリプミラを攻撃してきますが、船体もろとも髪型までリニューアルしたシアンが加勢して、ゲン、リプミラ、シアン、リム、エイブ、星見ら一行は無事に脱出しました。
 商売をするかたわら、“さまよれる星人”の残り2枚の星図を探すゲン達ですが、惑星ドドーとつき合いのあるテュリオム通商圏とは別の、未確認宙域の探査を始めます。が、メザラル星のビメイダー・ハンター、ゾロンという、飛び回る数千の手を持つ傭兵によって船内に侵入され、リムが拉致され、船も奪われてしまいます。
 ゾロンの雇い主が、ガッハ・カラカラ(またか!)。彼はリムと船を引き換えに星図を渡すよう、“龍の肋骨”という無人観測衛星まで来いと、命じます。そこで、ゲンは皆を危険に巻き込まないため、単独で向かい、彼の独断行動を予測したリプミラとシアンが、後を追うのでした。
“龍の肋骨”では、ゲンはガッハの数々のトラップに、リプミラとシアンは、ゾロンの、飛行する無数の手足の攻撃に大苦戦。リプミラは、ゾロンが蜂に似た生命体で、体を統一する女王首を探し、それが“フェロモン”によって手足をあやつっていることを察知して反撃、勝利しました。
 しかし、“龍の肋骨”は、リプミラ号らの船体の重みで、太陽へ落下する危険が生じてしまいます。これもまた、ガッハの罠。ガッハは、石のような生き物であるケイ素生物で、大昔から、炭素系生物の他惑星生命体によって、ロボット代わりに酷使され、使い捨てにされてきた、その恨みを晴らすため、死の商人になったのですが、彼らカミオ星人を支援するゲンを受け入れられず、やり場のない怒りを向けた、というわけでした。
 そんなガッハと、ゲンは、ついに対峙します。星図を渡すゲン。とらわれているリムは、実は爆弾。緊張の走る中、エイブと星見が、テレポートで出現し、爆発の衝撃から、ガッハの部下、ロジュルが身を挺して皆を守りますけれども、ガッハは、あくまで憎悪を向け続けます。なぜなら、星図は、惑星リングロドから、仲間の命を犠牲にして譲り受けたものだから。が、同じく、リングロドによって並外れたパワーを手に入れたゲンは、ガッハの攻撃をはねのけます。さらに、壁の破れ目から宇宙空間へ、空気が猛烈な勢いで吸い出されていき、ガッハは自棄になって死ぬつもりでいましたけれども、ゲンは、星見に続いて、ガッハ、ロジュルまでも救います。ゲンが力尽きた瞬間、リプミラ達によって助けられます。ガッハは敗北を認め、ゲンに星図を譲ったのでした。
 次は、ツキメの生まれ故郷である超高重力惑星ジャンバで、星見は何と、彼に求婚されます。反対する一派と、リプミラ達も交えて大騒動になりますが、星見は危ないところをゲンに助けられます。本命はリプミラですけれども、リムも好いていますし、モテモテですな、ゲン。
「龍のとりこ編」、ゲン一行は、ザザーンと合流します。ザザーンの仲間に、ダインが加わっており、驚く一同。ザザーンは、味方だと言い張り、惑星ヨッペへ案内します。そこは、ワインの海で満たされており、皆は酔っぱらってしまいますが、リプミラは何者かの接近を察知します。相手は、ダード・ライ・ラグンという青年。240年前にリプミラと出会い、彼女が誘いこんだ中性子星団の重力結界を破り、到来したのでした。
 ダードもまたビメイダー。しかしながら、ライ族がリプミラのデータや遺伝子を複製し、宇宙船のつがいとして、“男”に変化させたもの。
 互いに進化する船になろう、二つの能力をあわせ持つ子孫を造ろうと、ダードは提案しますが、リプミラは当然拒絶、争いになります。リプミラは、星の涙で一気に片を付けるつもりでしたが、ダードの船体は巨大な龍。しかも、たやすく星の涙を受け止め、逆にヨッペへ落下せせると脅迫します。やむなく、リプミラは従い、ダードにとらわれの身となります。
 けれども、ダードは、約束を守るつもりなぞ、ありませんでした。彼は五千機の海賊船で、リプミラの仲間を殲滅するつもりでいたのです。シアンとザザーンは果敢に迎撃するも、数が多くて、手が回り切れません。船体ごと、ダードに連れ去られるリプミラ。そのダードの巨大な船体に、ゲンはしがみつき、もろともに宇宙へ……。

 

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