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2024年4月に作成された記事

2024年4月13日 (土)

『マップス シェアードワールド ー翼あるものー』(原作:長谷川裕一 笹本祐一 他)GA文庫の感想

『マップス シェアードワールド ー翼あるものー』(原作:長谷川裕一 笹本祐一 他)GA文庫の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 この本は、表4の紹介文によりますと、「長谷川裕一によるスペースオペラコミックの金字塔『マップス』の世界をベースに、六人の作家がそれぞれのストーリーを紡ぎ上げるコラボレーション作品、それが本作である」ということで、平たく説明いたしますと、『マップス』の小説メインの外伝、もしくは二次創作といったところでしょう。
 私、まだ『マップス』の感想をすべてアップしていないうちに(読了はしました)、こういうことを記すのは、反則気味かと思いますが、久しぶりに小説を読むのは楽しかったです。この喜びをできるだけ早く、お知らせしようと思いはしたのですが、なかなかどうして、複雑な気分になる本でした。

 ちなみに、掲載作品は、次のとおり。

 巻頭イラスト 村枝賢一 三浦建太郎 麻宮騎亜
 小説 迷子の宇宙戦艦 笹本祐一
    流星のジュディ 中里融司
    ソフティカ・リップ放浪記 秋津透
    町からきた先生 古橋秀之
    宙(そら)へ往く船 重馬敬
    さよなら三角、また来てリープ 新城カズマ

 すみませんが、イラストの感想は、省略させていただきますね。しかし、久々に三浦建太郎さんの作品が見られて、うれしかったですし、うっとりもしました。イラストのレベルは、割と高い方だと思います。
 しかしながら、小説の方は、ちょっと……方向性が違うのではないかと、考えてしまうものがいくつか。
 作者様達が、ルーティン・ワークで、書かれたとは思いませんが。
 でも、ほら、プロの小説家様達の作品ですよ? 内容が外伝、続編、別編、いずれにせよ、読者としては呆気に取られる、拍手したくなるほど感心する、そういうものを、私は期待しておりましたが。
 そりゃあ、エロなしは、仕方がないと、思いますけれども(おーい)←自主ツッコミ。

 

 

 

 

 

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2024年4月 7日 (日)

『怪少年ジュン【完全版】+シンゴ』(桑田次郎・マンガショップ)の感想(追記)

 コミック『怪少年ジュン【完全版】+シンゴ』(桑田次郎・マンガショップ)の感想の追記です。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

『シンゴ』の方は、昨日に記したとおり、作者様の画力は抜群なのですけれども、ストーリー展開が、あっさりした感じで、少し残念です。巻末に紹介されている、いくつかの作品群を見ますと、原作者付きの方がいい作品を描ける方なのかもしれませぬ。
 ところが、『怪少年ジュン』は、空手の達人からインベーダー、異星人の女性まで、多くを敵に回し、何度も土壇場に追い詰められては負傷し(この言動と表情がまた、エロいのですわ)、死に物狂いで超能力を発動させます。この緊迫感が、実によろしい。
 ジュンは前髪が長くて片目が隠れがちの、美少年(私には二十代前半に見えるのですけど)で、不良仲間がオケラ、ゴジラ、ガリ鉄という三人です。が、彼ら全員、ジュンの超能力を察しておらず、第3話では、「兄貴は頭がおかしい」と、怪しむだけ。着物を着た上品そうな母親と、ジュンは真っ向から反抗していないものの、仲はよくない様子。不良少年というと、仲間と好き放題をやって遊ぶ、勉強ができないというのが一般的なイメージでしょうが、ジュンは、孤立していて知能が高い(外見からして、性格こそ悪そうながら、頭は良さそう)、実にらしくないタイプです。
 警察もまた、ジュンをただの不良少年としか、みなしていませんし、要するに、ツッコミどころが、いっぱいあるわけですよ。
 もしや、この作品のテーマは、同時期か、あるいは後の、『デスハンター』に受け継がれたのではないかと、私は予想しております。
「そうか、未完の作品か、惜しいなあ……」と、通常の私なら、あきらめるところなのですが。
 私、この作品を、二次創作として、ノベライズしてみたくなりました。
 そのくらい、ジュンは魅力に満ちたキャラクターです。
 いつできるか、どういうお話になるか、何しろ遅筆なので、とてもはっきりと申し上げられませんが、pixivにアップするでしょうから、もし興味がおありの方がいらっしゃいましたら、のぞいてみてください。
 本当に、とんでもない感想ですね。しかし、いくつものエピソードの萌芽を含んだ、すぐれた作品だと、私は思っております。やはり、お勧めいたします。それでは。

 

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2024年4月 6日 (土)

『怪少年ジュン【完全版】+シンゴ』(桑田次郎・マンガショップ)の感想

 コミック『怪少年ジュン【完全版】+シンゴ』(桑田次郎・マンガショップ)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 今回は、表紙イラストの、くわえ煙草で斜にかまえたジュンの風貌に、私はドはまりしてしまい、むさぼり読んでしまいました。よって、いつもにも増して腐女子的発言や表現を行なうかもしれません。すみませぬ。
 作者様は8マン(未読)で有名な方ですね。収録されているのは、単行本未収録の続編2話を含んでいる『怪少年ジュン【完全版】』と『シンゴ』の、まったく別の2作品です。
 残念ながら、いただけない点があります。『怪少年ジュン』は続編を加えても、やはり未完のようです。『シンゴ』は一応完結していますが、「え、それだけ?」と、言いたくなるような呆気なさで、もしかしたら未完なのかもしれません。だから、きっちり完結した作品をお好みの方は、お勧めできませぬ。
 しかしながら、作者様の画力の高さは、本当にお見事といえます。

 簡単に、あらすじをご紹介いたします。
『怪少年ジュン』第1話は、不良少年ジュンは、細身ながらケンカが強く、パチンコも負け知らずですが、誰もその秘密がわかりません。あるバーで、ジュンは謎めいた女性と出会い、突然、彼女の服が引き裂けたことで、チカンあつかいされますが、証拠がないために釈放されます。一人になったジュンを、なぜか彼女が車で追いかけたり、仲間の幼女ともども、不気味な団地に誘います。彼女と幼女の正体は異星人で、地球の人間が宇宙にとって危険な存在だから排除しようとしていたのでした。幼女はジュンを本気で殺そうとしますが、彼女はためらいます。異星人と狂人達によって、ジュンは死の危険にさらされる度、サイコキネシス、テレパシーなどの超能力が発動して、幼女を倒しますが、あの女性は、ジュンこそが地球人を助けられると言い残して、姿を消します。団地に放火したと誤解され、精神病院に入院させられたジュンは、自分の使命に目覚め、ひそかに病院を脱出します。
 追加分の第2話「透明インベーダー」、疲れを癒すため、黒竹島へやって来たジュンは、ヒッピーのような若者達と島の少女、タマミと知り合いますが、彼らが会話するユカという女性の、声も姿も感じられません。ジュンと異星人の超能力対決になりますが、この異星人は、地球人を憎んでいませんでした。
 第3話「幼女はインベーダー」、不良仲間と遊園地へやって来たジュンでしたが、しまのリボンをつけた幼女のテレパシーに引かれ、宇宙館に入ります。ところが、そこがインベーダーのわな。怪物や巨大な岩のイメージを撃退し、ジュンは負傷しながらも宇宙館を破壊しますが、仲間も幼女も誰一人、インベーダーにあやつられていたことを自覚していませんでした。
『シンゴ』は、宇宙飛行士のハヤブサ シンゴは、大流星の引力から必死で生還しますが、特殊な放射能を浴びたせいか、驚異的な回復力と運動能力を身につけてしまいます。恩師のイズミ博士を、コンドル同盟という死の商人が誘拐しますが、シンゴは車同様のスピードで走り、弾丸を浴びても死なず、激怒すると巨大な炎のような熱戦を発するようになります。怪物化する自分に悩みながらも、やむを得ず、シンゴはその能力を使ってイズミ博士を救出し、コンドル同盟の島を爆発させます。しかし、全身のエネルギーを放出したシンゴは……。





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2024年4月 1日 (月)

『マップス』5巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想

 コミック『マップス』5巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

『マップス』は、お話がそろそろ、折り返し点に差し掛かっているのですけれども、ハイテンションで、驚き桃の木の展開のまま、突っ走ってくれています。私としては、感謝感激、有頂天です。
5巻に掲載されているお話は、次のとおり。
 
 青き円卓編
 ACT.41  リプミラVSラドウ
 ACT.42  シアンVS伝承族
 ACT.43  燃える円卓
 ACT.44  伝説の日
 
 統一編
 ACT.45  もろもろの事情
 ACT.46  真・銀河統一会議
 ACT.47  伝説は誰も選ばない
 ACT.48  膨張する首
 ACT.49  極点の炎
   ACT.50  そして新たなる敵、新たなる…

 簡単に、あらすじを説明いたしましょう。
「青き円卓編」では、リプミラ&リムVSラドウ&ダイン、シアンVSアマニ・オーダックと、二手に分かれて、戦いが始まります。前者においては、ラドウの戦闘能力の高さと、高速の船体再生能力に押される一方、戦い慣れていないリムはピンチになりかけ、リプミラ達は圧倒的に不利。が、リムの姿に赤子の姿をオーバーラップさせたダインは、迷いだします。勝つために手段を選ばないラドウは、そんなダインの船体を盾として利用し、「私を倒したければ、ダインを撃ち殺せ」と、リプミラに告げます。やはり、どうしても撃てないリプミラ。ダインは、自分が利用されているだけだったと悟り、激怒。苦悩するリプミラでしたが、ラドウの油断をついて、地球の海の波による反射を利用し、多方面からラドウの船体を攻撃、一時的に戦闘停止に追いこみます。
 援軍を望めない状態で、シアンはアマニの内部に突入します。アマニは攻撃を開始し、シアンは船体の、エネルギー反射能力で防ごうとしますが、あべこべに、アマニの五十億年のキャリアによる特殊ビームで、外装を通過され、ダメージを受けてしまいます。連続して打撃も受け、シアンの船体は、アマニに捕らえられるのでした。そんな絶体絶命の窮地に、地球付近には、スペース・パトロールのエイブ、リングロドの主、宇宙商人ガッハとその艦隊が到着します。驚くアマニの一瞬の隙をねらい、シアンは船体を自爆させて、新たな姿になり、外部にいるエイブ、ガッハと同時にアマニを撃ち、形勢を逆転させます(このあたり、とてもかっこいい!)。
 また、リプミラVSラドウ。地球上で、ラドウ艦は再生を開始しますけれども、死の恐怖を演出するための間合いを取っています。リプミラはゲンと離れて、生贄砲の中枢を破壊する作戦に出ようとしますが、頭脳体同士の戦いになっても、ラドウは圧倒的に強い! しかも、けん引ビームを放って、アマニを激突させようとします。
 アマニはうろたえるものの、ガタリオンは、生贄砲となって死ねと、言い放ちます。連合軍はいっせいにアマニを攻撃して破壊を進める一方、動けなくなったシアンを、何者かが助けます。アマニの地球激突がせまりつつある間、ラドウは、リプミラへの恨みを語ります。海賊カリオンは、十万基のリープタイプの能力統合者だったラドウでなく、実験体のリプミラを選んだためでした。加えて、ラドウはガタリオンに伝承族の遺伝子を与えられたために、異様に強いわけです。経緯を知ったダインは、自分がリプミラと憎み合うように仕組まれたことを悟り、激怒してラドウを襲撃しますが、逆にひどく負傷させられます。それでも、ラドウの損壊でけん引ビームが途切れた瞬間、リプミラは、リプリム号を借り受け、その外部からの衝撃をエネルギーに変換する時空振動エンジンの力によって、ラドウのパワーをすべて彼女自身にはね返します。最後に、リプミラが攻撃し、ラドウは爆散。連合軍と地球の人々は、勝った、助かったと、喜び合います。




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