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2024年4月 1日 (月)

『マップス』5巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想

 コミック『マップス』5巻(長谷川裕一・メディアファクトリー)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

『マップス』は、お話がそろそろ、折り返し点に差し掛かっているのですけれども、ハイテンションで、驚き桃の木の展開のまま、突っ走ってくれています。私としては、感謝感激、有頂天です。
5巻に掲載されているお話は、次のとおり。
 
 青き円卓編
 ACT.41  リプミラVSラドウ
 ACT.42  シアンVS伝承族
 ACT.43  燃える円卓
 ACT.44  伝説の日
 
 統一編
 ACT.45  もろもろの事情
 ACT.46  真・銀河統一会議
 ACT.47  伝説は誰も選ばない
 ACT.48  膨張する首
 ACT.49  極点の炎
   ACT.50  そして新たなる敵、新たなる…

 簡単に、あらすじを説明いたしましょう。
「青き円卓編」では、リプミラ&リムVSラドウ&ダイン、シアンVSアマニ・オーダックと、二手に分かれて、戦いが始まります。前者においては、ラドウの戦闘能力の高さと、高速の船体再生能力に押される一方、戦い慣れていないリムはピンチになりかけ、リプミラ達は圧倒的に不利。が、リムの姿に赤子の姿をオーバーラップさせたダインは、迷いだします。勝つために手段を選ばないラドウは、そんなダインの船体を盾として利用し、「私を倒したければ、ダインを撃ち殺せ」と、リプミラに告げます。やはり、どうしても撃てないリプミラ。ダインは、自分が利用されているだけだったと悟り、激怒。苦悩するリプミラでしたが、ラドウの油断をついて、地球の海の波による反射を利用し、多方面からラドウの船体を攻撃、一時的に戦闘停止に追いこみます。
 援軍を望めない状態で、シアンはアマニの内部に突入します。アマニは攻撃を開始し、シアンは船体の、エネルギー反射能力で防ごうとしますが、あべこべに、アマニの五十億年のキャリアによる特殊ビームで、外装を通過され、ダメージを受けてしまいます。連続して打撃も受け、シアンの船体は、アマニに捕らえられるのでした。そんな絶体絶命の窮地に、地球付近には、スペース・パトロールのエイブ、リングロドの主、宇宙商人ガッハとその艦隊が到着します。驚くアマニの一瞬の隙をねらい、シアンは船体を自爆させて、新たな姿になり、外部にいるエイブ、ガッハと同時にアマニを撃ち、形勢を逆転させます(このあたり、とてもかっこいい!)。
 また、リプミラVSラドウ。地球上で、ラドウ艦は再生を開始しますけれども、死の恐怖を演出するための間合いを取っています。リプミラはゲンと離れて、生贄砲の中枢を破壊する作戦に出ようとしますが、頭脳体同士の戦いになっても、ラドウは圧倒的に強い! しかも、けん引ビームを放って、アマニを激突させようとします。
 アマニはうろたえるものの、ガタリオンは、生贄砲となって死ねと、言い放ちます。連合軍はいっせいにアマニを攻撃して破壊を進める一方、動けなくなったシアンを、何者かが助けます。アマニの地球激突がせまりつつある間、ラドウは、リプミラへの恨みを語ります。海賊カリオンは、十万基のリープタイプの能力統合者だったラドウでなく、実験体のリプミラを選んだためでした。加えて、ラドウはガタリオンに伝承族の遺伝子を与えられたために、異様に強いわけです。経緯を知ったダインは、自分がリプミラと憎み合うように仕組まれたことを悟り、激怒してラドウを襲撃しますが、逆にひどく負傷させられます。それでも、ラドウの損壊でけん引ビームが途切れた瞬間、リプミラは、リプリム号を借り受け、その外部からの衝撃をエネルギーに変換する時空振動エンジンの力によって、ラドウのパワーをすべて彼女自身にはね返します。最後に、リプミラが攻撃し、ラドウは爆散。連合軍と地球の人々は、勝った、助かったと、喜び合います。




 シアンを助けたのは、40憶年、死んだアマニのコレクションだった船、“彼(ヒイ)”。未確認宙域軍の植物生命体、シスター・プテリスはゲンに挨拶します。しかし、ダインは助かりませんでした。ゲンは生贄砲の中心にあった、最後の星図を入手します。
「統一編」は、久方ぶりに地球へ降り立ったゲンですが、何ともう十三年が経過していました。一人っ子だったはずのゲンに、弟のヨシキがおり、親友だった鈴木としおは、おじさんになっていて、なおも星見に片思いしています。この戦いの犠牲者が百六十憶人であることに、ゲンはショックを受けつつも、ある決意を固めます。東京湾では、ウェーブがかったロングヘアの、謎の美少女が発見されますが、リプミラは彼女がラドウの再生頭脳体で、以前の記憶を持っていない新しい仲間と、察知するのでした。
 ゲンは、“さまよえる星人”ゆかりの地である南極にて、銀河統一会議を開催します。“地図たち(マップス)”は、宇宙海賊リプミラ、第1軍は惑星ジャンバのツキメ、第2軍はザザーン・クロマミス、第3軍はガッハ・カラカラ、第4軍はヘクススキー教授、第5軍はシスター・プテリス、第6軍は光速船団を動かすキャプテン ヒイ、メタルビーチことリングロド、第7軍はスペース・パトロール提督のニュウ・エイブ、君塚星見と、十の魔物と七つの軍団が集結したのでした。
 皆が意気上がる中、何と伝承族反乱軍の闘士、ギャダが襲来! 脱皮し急速に成長していくギャダに、会場のバリヤーが破れそう。大変な時に、ラドウがギャダに攻撃を仕掛けますけれども、逆効果。ガッハはニュー・リプリム号とリプミラ号を寄越し、皆を守りながら戦う困難な状況下、リプミラ達は、辛くもギャダを倒します。しかし、それは、スガラ・リップと名乗る女性を中心とする、新たなリープタイプ、ニードル・コレクションとの出会いを意味するものでした。さらに、彼らはダード・ライ・ラグンを回収しています。
 ゲンが絶対勝利のため、第8軍が必要であることを考える一方、ヘクススキー教授は、7つの軍団によって伝承族の本拠地に突っ込む作戦を提案するのでした。さあ、この作戦は吉凶いずれだ?

 5巻で、伝承族の強大さと、それに対抗するには、全力の総力戦になるしかないと、よくわかりました。あらすじでは省略しましたが、アマニの、「こわれる わたしは……美しいぃっ!」という、死の直前の絶叫、ギャダの異様な巨大さは、迫力がありますね。
 次の伝承族は、ニードル・コレクションをたばねる、ギツアート! どうなるのでしょうね。
 ニードル・コレクションに関して、キャプテン 彼(ヒイ)が説明するには、連中がリップと名乗るのは、リープタイプと似て非なる船で、アマニが暗殺用に調整しているらしいです。ベリーショートのスガラ・リップの他に、五人いて、どうやら、ダード・ライ・ラグンが復活して仲間に加わりそう。本当に、どうなるのやら(2回目)。
 この作品は、イケメンが少ないと、私はぼやいておりましたが、ドドーの男性、ウディナ・ブイアに続いて、キャプテン 彼(ヒイ)が登場してくれました。年長の男性らしく(40憶歳!)クールで、知識豊富な、頼りになりそうなタイプです。今後の活躍が楽しみです。
 他に、見どころとして、ビキニっぽいコスチューム(私は勝手に、パワー・ベルトと名付けております)のリプミラですが、下半身は少し露出多めのタイツ、上半身は変形ボレロという格好で会議に出ようとし、ギャダを倒した後でゲンと今後の作戦を話し合っている時は、ショーツとへそ見えタンクトップをまとっていました。リプミラは、あまり女性的なことをしないっぽいのですけれども、案外、おしゃれなのかもしれませぬ。
 末っ子で、かわいいだけのリープタイプと思っていたリムが、ラドウやギャダを倒すのに重要な働きをして、かっこよかったです。
 死んだかと思ったら、復活したというか、再生頭脳体のラドウですけれども、私は一番の美少女に見えましたが、攻撃的な性格は変わっていないようです。またもや、リプミラの敵になるのでしょうか?
 ラドウに利用されていたダインは、最期にリプミラへ、「おまえは……きらい……だ!」と、告げます。彼女らしいけど、リプミラも、こういう悲しみを乗り越えているのですね。
 6巻は、新たな強敵との戦いが始まるようです。スケールもパワーも、ダウンしておりません。お勧めいたします。それでは。



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