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2024年5月に作成された記事

2024年5月30日 (木)

『タイプ別 ストレスを力に変える27の方法』(相場聖 ディスカヴァー・トゥエンティワン)の感想

 書籍『タイプ別 ストレスを力に変える27の方法』(相場聖 ディスカヴァー・トゥエンティワン)の感想を申します。ネタバレが含まれていますが、読んで実践してみないと難しいと、思います。ご注意ください。

 4月からずっと、どういうわけか、私は古本運がいいらしく、古本市やフリーマーケットで、20冊ほども買ってしまいました。今回の本も、そのうちの1冊です。
 購入のきっかけですが、現在、私は仕事上のストレスに悩まされているからです。何が問題で、どうすればいいのかも、頭の中では、わかっております。けれども、感覚的か感情的なモヤモヤ、イライラが治まらず、困っていたからなのです。
 それで、ストレスを少しでも軽減したくて、読んでみました。

 しかし、読了はしましたが、まだ作中のレッスンを実践しておりませぬ。本当ならば、レッスン○○をやってみて、どうだったかと、報告すべきなのですけどね。
 あらすじというか、内容は、タイトルのままです。
 奥付の説明によれば、「本書は2014年2月に刊行された『ストレスを味方につける方法!』を、コンビニエンスストア限定販売用に再編集したもの」だそうです。
 発行日は2014年3月31日 第1刷で、2017年10月5日 第8刷とのこと。売れていらっしゃるようで。
「27の方法」と、タイトルにありますが、実際は、自分自身を理解する、タイプ分けテストの後、各タイプごとの特徴と効果的なストレス解消法について説明されています。
 その次から、LESSON01から始まって、LESSON28まで、くわしい理論と方法が載せられています。28は、今までの方法のいくつかを組み合わせた、ある意味、一番難易度が高く、でも達成できれば、ストレス解消どころか、人生の充実感アップにつながる最強の方法ではないかと、思います。

 

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2024年5月27日 (月)

『絢爛たるグランドセーヌ』20巻(Cuvie・秋田書店)の感想

 コミック『絢爛たるグランドセーヌ』20巻(Cuvie・秋田書店)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 20巻もまた、情報量が多いのと、驚きの連続でした。
 一番驚いたのが、ニコルズ先生ことアビゲイル・ニコルズの引退! 奏もエヴリンも大ショックです。
 次に、サマー・パフォーマンスという発表会に、キーラは「ENCOUNTER(エンカウンター)」で、また出場するのですが、奏とエヴリンはソロでなく、群舞! 一度、翔子と踊ったことのある奏はともかく、エヴリンは悪戦苦闘!
 なぜか謎めいた存在である、滝本先生の、過去の一部が判明!
 さらに、大きなテーマとなりそうなのが、ニコルズ先生振付の新作、「パエトーン」!

 簡単に、あらすじを説明いたしましょう。
 一週間の休みが終わって、李紫萱は帰国し、奏は寮へ戻ります。仲間達と再会するや、キーラは、サマー・パフォーマンスで、ENCOUNTERの改訂版を発表することを告げます。けれども、奏とエヴリンは群舞なので、エヴリンは不満そう。
 ニコルズ先生は、モナコで客演するために出発します。彼女が踊るのは、「白鳥の湖」の悪役、「夜の女王」。ネット中継で鑑賞した皆は、その美しい演技に賛嘆します。見終わって興奮冷めやらぬ中、クラスメイトが、ニコルズ先生引退の電撃的ニュースを知らせたのでした。ショックのあまり、寝込むエヴリン、茫然自失の奏。同じ舞台に立てなかったことを、二人とも、残念がるのでした。
 もう一つのニコルズ先生に関するニュースは、ギリシャ神話をもとにした新作、「パエトーン」の振付を担当すること。そして、サマー・パフォーマンスの後で生徒達を選考し、該当者は、ロイヤル・オペラ・ハウスで踊れるという、夢のような知らせ。奏はもちろんのこと、生徒達全員の心が燃え、エヴリンは、「絶対に選ばれてみせる 相手が奏でも 誰にも譲らない」と、奏に宣告します。
「パエトーン」選考の知らせで、皆の熱意が高まった後、奏は昼食時に、やや年配の女性、トルスタヤ先生へ、自分が滝本伸子先生に師事していたと言うと、先生は、「リューダの教え子なの?」と、驚きました。加えて、トルスタヤ先生は、滝本先生の父である、レフ・イリイチェフについても教えてくれました。
 
 

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2024年5月25日 (土)

『絢爛たるグランドセーヌ』19巻(Cuvie・秋田書店)の感想

 コミック『絢爛たるグランドセーヌ』19巻(Cuvie・秋田書店)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 19巻は、学内振付コンクール決選の模様と結果、加えて、今までのバレエ漫画であまり言及されなかった、極めて切実な問題が取り上げられています。今まで、奏は順風満帆に夢に向かって進んでいる感じでしたが、山あり谷ありの道は避けられないようです。

 あらすじを簡単に説明いたしましょう。
 振付コンクール決選では、7年生のズーイが出場する「FLOWERS(フラワーズ)」、トビーの演出する「TRIANGLE(トライアングル)」と、個性的かつ見応えのある作品が現れます。まるで、YAGPのようだと言うエヴリンに、奏も同意し、見ているうちに影響されまいと、目をふさぎます。それでも、奏はエヴリン達とともに、「ENCOUNTER(エンカウンター)」を踊りきりました。次に、奏は、七海の踊りを初めて見ますが、レベルこそ高いのに、やはり、楽しそうに感じられません。
 審査の結果は、TRIANGLEとENCOUNTERの同時受賞。奏と仲間達は、大喜び。その後、奏は、練習に励む七海と会います。七海は、パートナーと充分に練習ができず、英語が苦手なので、一人きりで練習していたと、反省して打ち明けます。対する奏は、七海の万全モードの踊りが見たいと、言うのでした。
 それから、エヴリンが読んだマーゴ・フォンティンの自伝のこと、七海が孤高の人として、皆の間で有名であること、加えて、再び練習を始めた七海は、かなりレベルアップしていました。ニコルズ先生の存在もあり、ロイヤルがバレエ上達に最上の環境であると、奏は感じ入って、校長にスカラシップの相談をします。校長は、保護者と相談させてほしいと、答えるのでした。
 さくら、翔子の家庭は、金銭面の問題を無事にクリアしているようです。ドイツ留学中の絵麻は、相変わらず、振付を完全に覚えるのが得意ですが、体に負担をかけない、自分なりの練習に励むのでした。
 ニコルズ先生の個人レッスンを受けた後、奏は、先生から、かつて、ロイヤル・バレエ・スクールからロイヤル・バレエ団へ入れなかった、苦い思い出を打ち明けられます。しなくてもいい回り道をせずにすむよう、「あなたは私が導くよ」と、先生は言います。
 もしや、ニコルズ先生は引退するのではと、危ぶむうちに、ハーフタイムの休みが来て、仲間達は帰国し、奏はオープンクラスを受けます。そこへ、何とYAGPで知り合った李紫萱が、短期講習生として、やって来ます。また、行動を共にする咲希は、ロンドンで、バレエの指導を続けるべく、就職を目指すと、言います。変わらぬテンションの高さで、レッスンに熱中する紫萱。奏も、彼女らに大いに感銘を受けるのでした。



 

 

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2024年5月24日 (金)

『神も仏もありませぬ』(佐野洋子・ちくま文庫)の感想

『神も仏もありませぬ』(佐野洋子・ちくま文庫)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 この本は、エッセイです。絵本『100万回生きたねこ』の作者様が書かれたので、私は結構、楽しみにして読んでみました。
 結果、かなり骨太で、男性作家のものではないかと、錯覚してしまいそうな読後感でしたね。

 簡単に内容をご紹介いたしますと、北軽井沢で一人で暮らす作者様の日常を描いたものです。
 アライさん、アケミさん、マコトさん夫婦、「謎の人物」ハヤシさんなど、友人知人も登場し、愛猫のことも言及されており、孤立してはおりません。
 しかしながら、情け容赦ない感じなのです。
 登場する方々はもちろん、読者も。さらには、返す言葉の刃で、作者様自身の、のど元や左胸に突きつけているみたいに思われました。

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2024年5月18日 (土)

『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(阿佐ヶ谷姉妹・幻冬舎文庫)の感想

『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(阿佐ヶ谷姉妹・幻冬舎文庫)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 この本を手に取ったきっかけは、私がしばしば、「阿佐ヶ谷姉妹のお姉さんに似ているね」と、言われているからです。私自身、阿佐ヶ谷姉妹を知っていますけれども、好きでも嫌いでもなく、歌も歌えませんから、「ふうん」と言う程度でした。でも、友人と家族に似ていると言われた以上、気になるし、どんな人達なのだろうと、興味を持ったわけです。よくあるタレント本だろうなと、思っていたのですが。
 ところが、予想外にもおもしろく、意外にも、泣かされそうになりましたよ。 
 
 あらすじといっても、タイトルと阿佐ヶ谷姉妹という名で、充分でしょう。阿佐ヶ谷姉妹の姉、渡辺江里子さんと、妹の木村美穂さんが、交互に日常生活を語るエッセイがメインです。巻末の、引っ越し後のお二人の対談や、書き下ろしの恋愛小説も含まれており、小さい白黒写真も、随所に掲載されている、なかなか凝った仕様の本です。
 当初、姉妹は二人暮らしをしていて、互いに相手に対して、困ったり、戸惑ったりしたことが描かれています。姉妹どちらも、相手に批判的ですが、読者としては、どっちもどっち(笑)。ネタバレ防止で自主規制しますが、本当に、お二人とも強烈に個性的です。私生活がネタそのものという感じですね。

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2024年5月12日 (日)

『小説家のメニュー』(開高健・中公文庫)の感想

『小説家のメニュー』(開高健・中公文庫)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 この本は、1995年11月初版で、2010年11月に改版3刷として発行されたものだそうです。
 内容というか、あらすじを簡単に説明いたしますと、作者様が味わった、海外メインの、食に関するエッセイ12編です。
 12編とも、「美味・珍味・奇味・怪味・媚味・魔味・幻味・幼味・妖味・天味」と、同じ言葉が繰り返されながらも、2個か3個が太文字で表されている仕様です。ちなみに、第1編は、次のとおり。

 美味・珍味・奇味・怪味・媚味・魔味・幻味・幼味・妖味・天味

 各編のテーマは、ネズミやピラーニャ(ピラニアのことです)といった、珍しい食材。それから、作者様の好きな料理と、その味わい方に関するものですね。
 なかなかの、飯テロものだと、私は思います。

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2024年5月11日 (土)

『作家マゾッホ 愛の日々』(フィリップ・ペラン 黒主 南/訳 富士見ロマン文庫 No.71)の感想

 書籍『作家マゾッホ 愛の日々』(フィリップ・ペラン 黒主 南/訳 富士見ロマン文庫 No.71)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 この本は、翻訳者様のあとがきによれば、「フランコ・ブロジ・タビアーニの同名の映画に想を得たフィリップ・ペランが1982年に小説化したものである。主人公レオポルド・フォン・ザッヒェル・マゾッホは、昨今大流行のキンキー・セックス(異常性愛)の本家本元として名高い」だそうです。
 これでほぼ、あらすじを説明したかと思いますが、私は映画の方は見ておりませんけれども、マゾッホの生涯の重大な情景と、いわゆるマゾヒズムの心理をくわしく描いていて、おもしろく読めました。表紙も過激ですし(裏表紙なんて、今では印刷できないのでは? 後ろ姿とはいえ、男性の……ですから)、巻頭8ページの映画中のシーンを集めたフルカラー、123~150ページまで、白黒ながら、やはり映画のシーンと登場人物達の台詞が描かれていて、なかなか刺激的でお得な仕様です。
 もう少し、くわしくあらすじをご紹介しましょう。幼い頃、乳母ハンドシャの女王のような風貌にあこがれ、十歳で叔母から鞭打たれたことによって、マゾッホは、自分の秘められた性癖に目覚めてしまいます。早熟で明晰な頭脳を持つ彼は、その小説の人気と相まって、多くの女性達と関係を持ちますが、いずれも一長一短、女王の威厳の持ち主は現れません。
 ところが、ワンダことアウローラ・ルメリンという女性からの手紙は、マゾッホを熱狂させます。アウローラは上流階級出身のふりをしていますが、本当は貧民街のお針子。上流階級に入り込むため。『毛皮を着たヴィーナス』に扮して、近づいてきたのでした。
 マゾッホとアウローラは、契約書を交わし、鞭打ちに夢中になる関係になるのですが、やがて、アウローラは身分をいつわることに耐えられなくなり、本当の素性を明かします。彼女の虐待センスに心惹かれて、マゾッホは家族や友人の反対を押し切って、彼女と結婚しました。
 次に、マゾッホは、いわゆる自分が寝取られ男になることを夢想し、アウローラに要求しますけれども、うまくはいきません。アウローラは文芸誌のオーナーのアルマンと、マゾッホはフルダ・マイスターと、ダブル不倫の関係におちいってしまいます。結婚十年で、マゾッホはアウローラと離婚し、二人の関係は終わりました。
 しかし、後に、アウローラは、マゾッホの死亡記事に対して、自分こそが彼の正妻であると抗議し、一人きりになっているのに、なおも『毛皮を着たヴィーナス』へ、心は成りきっているのでした。

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2024年5月10日 (金)

『新九郎、奔る!』16巻(ゆうきまさみ・小学館)の感想

 コミック『新九郎、奔る!』16巻(ゆうきまさみ・小学館)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 何人かの重要人物が、思いがけない行動をとる。そんな嵐の前の静けさといった感じがする、読後感でした。

 あらすじを簡単に説明いたしますと、武装した新九郎と家来衆は、力尽くで元代官の追い出しに成功します。けれども、新九郎は、甥の龍王丸への家督譲渡に、さらに三ヶ月の猶予を与えました。その間に、将軍の足利義尚が六角高頼討伐に出陣します。緊張する小鹿新五郎側でしたが、膠着状態を改善すべく、新五郎の妻のむめ、さらには甥の竹若が新九郎らの元にやって来て、人質を志願し、滞在することになりました。
 一方、おどおどしてばかりいると思われていた龍王丸でしたが、何と、新五郎と直接会ってみたいと、新九郎に申し出ます。そこで、十一月六日、得願寺で会談となります。対面した新五郎は、龍王丸を無能ではないと判断します。

 新五郎のやつれように、驚く新九郎。龍王丸は新五郎へ、父のように自分を支えてほしい、と言います。龍王丸が暗愚でないことを察した新五郎は、館に帰りますが、しばらくして体調が悪化し、床に伏してしまいます。重臣の福島修理亮は、新九郎らに一服盛られた可能性を示唆し、孫五郎はそれを信じ込んで激怒するのでした。
また、新九郎は、今川家家督を孫五郎が注ぐと聞き及んで、許し難い約束違反と判断し、家来衆と軍議を開きます。福島も、孫五郎を総大将に当てて、戦の準備を始めます。さらに、来訪してきた、新九郎側の重臣、堀越源五郎を斬首し、両者の対立は避けられなくなりました。
やむなく、病の身をおして、甲冑をまとう新五郎。龍王丸らの座す丸子へ攻め寄せるものの、守りが固くて破れない?
武装した新九郎は、ひそかに清水の知行と会っておりました。この戦の行方と、新九郎の戦略とは?

 

 


 
 

 

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