『エマニュエル』(フランシス・ルロワ アイリス・ルタン 河村季里/訳 富士見ロマン文庫 No.92)の感想
書籍『エマニュエル』(フランシス・ルロワ アイリス・ルタン 河村季里/訳 富士見ロマン文庫 No.92)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
この本の原題は『EMMANUELLE Ⅳ』で、巻頭にカラー写真も掲載されていますから、恐らく、映画のノベライゼーションだと、思われます。それは、いいのです、中身がおもしろい、もしくはエロければ!
けれども、この本、富士見ロマン文庫なのに? 巻末に解説文も、作者様や翻訳者様の紹介さえ載せていません。原稿が締め切り間際だったので、大急ぎで製本したのではないかと、私はおかしな想像をしてしまいました。
あらすじを紹介しますと、35歳のシルビアは、パリからブラジルにやって来ました。マルクという男性の強い愛情から逃れ、第二の人生を始めるためです。シルビアは全身を整形し、二十代の美女、エマニュエルとして生まれ変わります。
エマニュエルは、カウンセラーのドナのアドバイスを受けながらも、ブラジルの熱狂的な性愛を楽しみます。男性のみならず、ドナや友人のマリア、そのまた友人のスザンナ。マルクにまで、赤の他人のふりをして誘惑します。さらには、ナの恋人のロドリゴ、マリアの婚約者のアルフレッド、その父親ネルソン、兄のミゲルまでも肉体関係に及び、常識や節操を忘れたのではないかと、思われるほど。
しかし、現地の粗暴な男にレイプされ、暴力と激痛の恐怖にあったためか、エマニュエルの心に大きな変化が訪れます。事件そのものに対するトラウマでなく、心の空白を埋めるためには何が必要なのかを察知し、彼女は旅立ちます。
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