『秘密の快楽者たち』(ハリエット・ダイムラー ヘンリー・クラナック 高野圭/訳 富士見ロマン文庫 No.68)の感想
書籍『秘密の快楽者たち』(ハリエット・ダイムラー ヘンリー・クラナック 高野圭/訳 富士見ロマン文庫 No.68)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
富士見ロマン文庫、私的に絶不調……。
あらすじを説明いたしますと、刑務所の一室で、ハリーとフィリップという、男性二人が性交にふけっておりました。そのような時、スーツ姿の美女から呼び出され、ハリーは不可解な仕事の依頼を受けます。
その女性、キャロル・スタダードは、女性雑誌の編集長。出獄したハリーは、キャロルの知名度と、立派なコネクションに驚かされます。ところが、彼女は、刑務所の相手だった、フィリップを紹介します。もう会わないはずの人間と顔をつき合わせ、ハリーはひどく気まずくなりながらも、彼女の依頼どおり、ある金満女性をだまして、所持していた宝石を入手します。
ハリーは、宝石に魅せられた泥棒でしたが、フィリップとは自然と、協力関係に。彼らと交流するうちに、ハリーは、キャロルがフィリップに恋しているらしいと、察しますが、その二人は血のつながった、父娘でした。
驚愕しながらも、ハリーは、フィリップとキャロルに、親子でも愛人でもない、二人だけの世界で、愛をつむいでいることを察知して、激しい苛立ちに見舞われます。キャロルもまた、ハリーやフィリップの犯罪に、刺激的なゲームめいたスリルや楽しみを見いだし、おもしろがる一方、どんなに求愛しても応じないフィリップの冷淡さをじれったく思いながらも、ハリーにも魅せられ、思慕するようになります。ハリーもキャロルの性を交えた美しさや魅力に対して、大いに惹かれるものの、宝石ほどには心を奪われませんでした。そして、ハリーは、キャロルとフィリップの制止を振り切って、最期の大仕事に向かいます……。
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