『オークの樹の下』1巻(漫画:P 原作:Kim Suji 脚色:Seomal ・namu KADOKAWA)の感想
コミック『オークの樹の下』1巻(漫画:P 原作:Kim Suji 脚色:Seomal ・namu KADOKAWA)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
電子書籍サイトで公開されている方が、お話が進んでいるようです。試し読み希望の方は、検索して、サイトへ行かれることをお勧めいたします。オールカラー仕様ゆえか、やや高額なコミックですから。
はい、私は結構、気に入っております。
簡単に、あらすじを説明いたしますと、公爵令嬢のマクシミリアン・クロイソは、父の命令により、騎士のリフタン・カリプスと政略結婚をさせられます。一夜をすごした翌日、リフタンは妻を置いて、ドラゴン討伐に出かけてしまいました。
三年後、リフタンはドラゴンを倒した名高い英雄となって、帰還。けれども、マクシミリアンは、彼が自分と離婚して、アグネス王女と結婚するかもしれないという、いやなうわさに、心乱れます。離婚すれば、自分を嫌っている父から、もっと手ひどい虐待を受けるか、殺されるかもしれないからでした。
ふだんも吃音症で内気なマクシミリアンは、いっそう緊張してしまい、リフタンに対しても、スムーズな言動ができないのですが、彼は気難しげながらも、領地のアナトールへと連れていきます。長い旅の道中、オーガ、ウェアウルフといった怪物に襲われたり、騎士達にいやみを言われたりしても、リフタンは無愛想で乱暴そうに見えて、マクシミリアンには精一杯の思いやりを示すのでした。
無事にアナトールへ到着しましたが、城内は、ほとんど手がつけていない、殺風景な場所でした。しかし、リフタンは大勢の住民にしたわれ、尊敬されています。逆に、マクシミリアンは父に冷遇されていたため、城の運営どころか、大金を使って購入したこともなく、使用人への指示さえできずにいたのです。リフタンを落胆させないよう、アナトールを居場所として、がんばっていこうと、ひそかに決心するマクシミリアンでした。
怪物や魔法など、ファンタジー要素は多いものの、ラブ・ロマンスとしては、導入部くらいかな? と、いったところでしょうか。
私としては、「マクシミリアンて、男の名前じゃ?」と、読みながら、ツッコミを入れまくっていました。正直、今も違和感が抜けませぬ。一応、リフタンは、「マクシー」という愛称で、呼んでいますが。
それを除けば、このファンタジー・ラブ・ロマンス(?)は、かなり奥深くて期待させてもらえます。
まず、流行の異世界転生ものではありませぬ。
さらに、マクシミリアンは悪役令嬢というよりは、真面目で堅苦しく、終始おどおどしている、珍しい陰キャタイプです。
また、溺愛、寵愛ものでは、相手がスパダリというか、ハイスペックばかりなのですけれども、身分はマクシミリアンの方が上ですし、リフタンは時々舌打ちをし、短気でがさつな言動をしています。
王道のようで、微妙に異なり、ストーリー展開が読めそうで読めない、このじれったいような、ハラハラ感が、私はたまりませぬ。
それが、この作品の魅力の一つなのでしょうね。
あと、唐突に、リフタンが半裸や全裸になりますが、かなりのマッチョ。騎士団のメンバーは、皆イケメンなのですが、なかなか口が悪く、団長のリフタンにさえも皮肉を言います。これもまた、おもしろいのですわ。
でも、実の娘を杖のようなもので打って虐待する、父親、いや、クソオヤジは何とかならないものでしょうか。
今回は名前だけ登場した、ルーベン王、アグネス王女、マクシミリアンの妹のロゼッタなど、どういう人物なのか、ぜひ見たいです。2巻が楽しみですわ。お勧めいたします。それでは。
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