横山光輝作品

2021年12月 4日 (土)

『完全版 ウイグル無頼』(横山光輝・小学館)の感想

 コミック『完全版 ウイグル無頼』(横山光輝・小学館)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 収録作品は、タイトルと同じ『ウイグル無頼』と『刺客伝』の2編です。
 作者様とファンの方に申し訳ないのですが、実は私、300ページ近い長編の前者よりも、50ページに満たない短編の後者の方がお気に入りです。
 その理由は、「ウイグル無頼」は、ちゃんとストーリーに起伏もあるのですが、主人公ヘロデに今一歩、魅力を感じないのと、ラストが拍子抜けするほど呆気なかったためです。あらすじとしては、一匹狼の青年が、自らの情念のままに、戦いを挑み(やたらと強い)、周囲の持ち上げもあって、あれよあれよと出世して王位にまでつくのですが……というお話。
 さらに、「ウイグル無頼」には、印象的な女性が二人もいます。ハードボイルド系の作者様にしては、珍しいのではないかと思いますね。
 一人は、表紙にも描かれている、盗賊団の女で、ヘロデと情を交わし、彼も憎からず思っていたようなのですが、名無しなのですよね。惜しいなあ。
 もう一人は、ある王国の女王で、険がなくなった、曹操の姉みたいな顔立ちです。美女ではありますが、彼女の情け容赦のなさは、大勢の敵を殺しまくるヘロデよりも怖いのではないかと、感じられてなりません。
 ウイグルの、風変わりで、時としては冷酷な習慣やおきて、人々の価値観を描きたいのか、それとも、ヘロデの自分探しの方なのか、よくわからない点も、少し残念に思われます。

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2013年7月25日 (木)

『仮面の忍者赤影Remains』(原作:横山光輝 漫画:神崎将臣 秋田書店)1巻の補足&2巻の感想

 漫画単行本『仮面の忍者赤影Remains』(原作:横山光輝 漫画:神崎将臣 秋田書店)1巻の補足&2巻の感想を申します。ネタバレに加えて、ややこしい構成ですみません。

 さて、1巻の補足としましては、影一族の敵側にあたる、甲賀幻妖斎の部下達の名前と、赤影側の忍法について。なお、( )内はその忍法を使った者です。
 ○大熊の権三←疾(赤影)
 ○霞谷七人集 土蜘蛛←剛力掌(青影)、影式十字剣(白影)、弾嵐(白影)
 ○霞谷七人集 夢堂典膳←影式十字剣による剣技(白影)
 ○霞谷七人集 岩鉄←拳闘(赤影)
 変わり身の術など、小技は省略させていただきました。影一族は技を発する時、「影忍法 ○○」と、言う場合が多いようです。
 この作品で目立った特徴は、横山光輝作品が、味方も敵も一対一というパターンが多いのと異なって、赤影をリーダーとする、チームプレイで戦っていることです。ある意味、ジャンプっぽいというか、男同士の友情や結束好きの方にはお勧めですよ。

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2013年4月20日 (土)

『仮面の忍者赤影Remains』1巻(原作:横山光輝 漫画:神崎将臣 秋田書店)の感想

 漫画『仮面の忍者赤影Remains』1巻(原作:横山光輝 漫画:神崎将臣 秋田書店)の感想を申します。いくらかのネタバレに加えて、超久しぶりの更新ですので、ご注意ください。さらに、『赤影』は神作品、原作者様、漫画家様は神と思っていらっしゃる方、精神的土下座をいたします。ごめんなさい。感動は人それぞれ、表現もまた十人十色なのでしょうが、私の感想は恐らく、もっとも(悪い意味で)はじけています。

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2011年10月 9日 (日)

『闇の土鬼』(横山光輝)の<腐女子的>感想

 漫画『闇の土鬼』(横山光輝・講談社)の<腐女子的>というか、いつもの、エロいだの、自主何とかのバージョンにて感想を申します。いくらかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 推理物ではないから、ネタバレ上等な気分で、他の方々の『闇の土鬼』の感想を調べさせていただいたところ、ストイックというご意見がいくつかあって、正直、驚きました。そりゃあ、女性キャラはほとんどストーリーに関わってきませんでしたが(要するに、女の子といちゃつく場面がなかったのです。今時の少年漫画なら、あり得ないかも)、前回の〈真面目な〉感想で申したとおり、私は、土鬼が「食べる、悪夢にうなされる、弱音を吐く」など、今まで読んだ横山光輝作品の主人公の中で、もっとも自然体だと思いましたから。ストイックという点なら、私はやはり、『バビル2世』に軍配を上げたい。物語の発端を除いて、主人公はひたすら敵と戦っていましたから。バトルだけで、あれだけ盛り上がれる、見せ場を作れるとは、さすがに名作と呼ぶにふさわしいですな。あ、主人公が激しい感情を表す、『その名は101』は別ですよ。
  おっと、つい、『バビル2世』の感想になりました。『闇の土鬼』の連載は、『バビル2世』の後半と重なっていたようですね。だから、初期は主人公同士、顔が似ている感じでしたが、土鬼が変装のため、血風党の装束に着替えてから、目つきが鋭く、三白眼のようになりました。要するに、武芸者としての土鬼の成長を表現したのでしょう。それから、第3集の最終戦は、表の武芸者代表の柳生十兵衛と、闇の武芸を体得した土鬼が、互いの死力というか、知力、体力を尽くして戦う、というもの。彼らのうち、どちらが勝ったか、無明斎との因縁は・・・・と、ラストシーンは、どうぞ購入してご覧になってください。これ以上、つけ加えることも削ることもできない、切ないような、少し寂寥感のある名場面です。あれ、私、まともな感想を書いていますね(自主ツッコミ)。

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『闇の土鬼』(横山光輝)の<真面目な>感想

 漫画『闇の土鬼』(横山光輝・講談社)の<真面目な>感想を申します。いくらかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 ちなみに、私は最初、講談社漫画文庫全3巻で持っておりましたが、ページ汚れがあったため、オークションでKCスペシャル全3巻にて入手いたしました。大きさはB6で、350ページ前後、第一集の初版は1984年11月6日と、20年以上前! なのですが、通常単行本や文庫本より迫力があるし、外側が日焼けしているのみだから、悪くはありませぬ。もっとも入手しやすいのは、講談社漫画文庫でしょうね。それは、私の手元にないのですが、KCスペシャル版と構成はほぼ同じようです。
 ちなみに、これは、KCスペシャル第二集の表紙。彼は推定15歳~17歳でしょうけれども、妙に老けて見えますが、ワタシ的には、そこがいい!
  ↓ ↓
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2011年8月 3日 (水)

『決定版 水滸伝 1巻 百八星飛翔!』(横山光輝)の感想

 漫画『決定版 水滸伝 1巻 百八星飛翔!』(横山光輝・潮出版社)の感想を申します。いくらかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 1巻の初出は、月刊『希望ライフ』1967年4月創刊号~1968年3月号までだそうです。なぜ、そんな細かいデータを載せているかと申しますと、帯カバーによれば、「横山光輝、32歳。」で、全6巻ですから、ほぼ既出の文庫本と同じストーリー配分と思われますが、雑誌連載時の原稿を完全再生しているのがウリだそうで。つまり、今までの単行本で省略されていた、一話ごとの冒頭にあった、「前号のあらすじ」が復活したというわけ。確かに、一つ一つ、微妙に絵柄が異なっていて、コピーではなさそうです。巻頭には、連載時のカラー4ページも収録。初版には、定期券ほどの大きさの、カラーのプレミアムカード(1巻は、魯達VS丘小乙のバトル)がついています。が、このカード、しおりか、絵はがきの方がワタシ的によかったなあ。こんなに小さいと、横山光輝さんの絵柄独特の味わいがわかりにくいです。これで、税込1050円は、どう判断すべきでしょう? ああ、関西人・・・・。

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2011年7月 3日 (日)

『魔界衆』(横山光輝)の感想

『魔界衆』(横山光輝・講談社漫画文庫)の感想を申します。いくらかのネタバレを含んでおりますので、ご注意ください。

 上下巻の文庫本で、発行は2000年9月12日初版。リサイクル本屋様で入手いたしました。もしかすると、今は品切れしているのでしょうかね。
 一読した感想は・・・・。

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2011年6月30日 (木)

四冊、そろい踏み

四冊、そろい踏み

さあ、アマゾンと楽天ブックス、どちらが早いと思っておりましたが、ほぼ同時に到着しました。
 画像がぼんやりしていて、すみませぬ。ま、このくらいの方がいいかも。
 左から順番に、『凍牌』12巻(志名坂高次・秋田書店)、中央の上が、初めての『ナナとカオルBlack Label』1巻(甘詰留太・白泉社)、『信長の忍び』4巻(重野なおき)、右が『決定版 水滸伝』4巻(横山光輝 潮出版社)です。
 ちなみに、右下は「ミンティア コールドスマッシュ」。本ではありませんが、偶然、入ってしまいました。
 読むのももちろんのこと、ご紹介するのが楽しみでなりませぬ。

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2011年6月16日 (木)

成人した項充

成人した項充
やがて、項充は、混世魔王樊瑞の副首領になってしまいました。
外見上、毒気のない曹操といった趣ですね。
史進を負傷させ、鉄牛を追い詰めます。
少年時代の方がイケメンとは、惜しいですなあ。(;^_^A

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浩一? 健児? マーズ?

浩一? 健児? マーズ?
項充です。水滸外伝より。精神的鼻血か出ました。

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